難台山 〜一年の自堕落を鍛え直す(後編)〜


 

 (後編)

【茨城県 笠間市 令和3年12月4日(土)】
 
 令和3年、節目の年でありながら特に目標を立てるわけでもなく自堕落に過ごしてしまったyamaneko。せめて年の最後にちょっとでも心身を鍛え直そうと茨城県の難台山で野山歩きをすることにしました。その後編です。(前編はこちら
 
                       
 

 Kashmir3D

 あたご天狗の森駐車場を10時30分に出発し、なかなかのアップダウンを歩いて団子石峠までやってきました。(地図左下の赤丸についてはページ最後で)

 団子石峠

 時刻は12時10分、ここが団子石峠です。登山道はこの舗装路を斜めに横切って行きます。この道路は一応南西の瓦谷地区と北東の上郷地区とを結んでいるようですが、車もほとんど通らないような林道で、日頃生活道路として利用されているとは思えないような、日が暮れるとちょっと寂しいような感じでした。

 団子石

 峠からすぐに上り坂となり、5分ほどで団子石に到着。見てのとおり団子のような形をした大きな岩です。
 ところで、団子っていろんな昔話に登場しますが、それもそのはず団子は平安の昔から存在する食べ物だそうです。長い歴史の中で様々なバリエーションが生まれてきているものの、一貫しているのは丸く成形するということのよう。なので、丸いことに特徴のある岩などに古くから「団子」の名が付けられているのも頷けます。



 紅葉に足を止めながら、少しずつ登って行きます。お昼は過ぎていますが、できれば山頂で。



 直登です。うーむ、なかなかの斜度ですな。

 ノアザミ

 ノアザミの残り花。この時期に咲いても訪れる虫もいないだろうに。ただ登山者を癒やしてくれてはいます。



 まじか、とつい言ってしまうほどの坂道。苦行か。



 おお、あの先にピークの予感。

 団子山

 ハーハー、ゼーゼー、団子山のピーク(432m)に到着しました。団子石のある山だから団子山でしょうね。まあ確実に。



 登りきったと思ったらまた下り。いつまで続くんだ。

 ミヤマシキミ

 左の写真はミヤマシキミの花序。まだ蕾の状態で、来年の春に向けて開花の準備を進めているところです。右の写真は果実。それぞれ別の株です。

 

 木立越しに北側の風景が。笠間市の駒場という集落の辺りと思われます。

 

 12時45分、また壁のような坂道が現れました。それを見て妻はとうとう戦意喪失。協議の結果、妻はここで弁当を食べてそのまま来た道を引き返すことになりました。yamanekoは引き続き山頂に向かい、その後妻を追いかけることに。ここまでに迷うような箇所はありませんでしたが、念のためにお互いにLINEで現在地を連絡し合いながら歩くことにしました。上の写真はその壁のような坂の途中から下を撮ったところ。坂の下で妻が休んでいるのが豆粒のように見えています。



 さあ、ここからは少しペースを上げていきます。

 筑波山

 坂を上りきるとこの眺望が待っていました。筑波山のツインピークスが見えています。妻もあとちょっと頑張っていればこの景色が眺められたのに。いや、彼女としては十分に頑張った。そう言えるほど、ここまでなかなかのアップダウンの連続でした。

 大福山

 展望ポイントからすぐに次のピークが。ここは大福山(450m)です。団子といい大福といい、なんか和菓子にちなんだネーミングみたいですね。次は煎餅山か。



 大福山を過ぎるとしばらくの間平坦な道が続きました。でも地図を見るとこれもそう長くは続かないよう。



 やがて岩が出てきて、時には胸を突くような急な箇所も。ガシガシ登って行きます。



 1時5分、なにやら看板が。ルート上の見所スポットのようで、登山道から左に分かれるこの先に屏風岩という大きな岩があるようです。でも、左の大きな看板は樹木や石などを勝手に持ち帰らないようにという地元営林署からの注意、右の看板はこの山の地質は主に花崗岩であるという解説でした。いや、屏風岩の由来とかは?

 屏風岩

 おお、でかい。確かにこの見た目なら屏風岩の名の由来など解説無用ですね。岩の下に置いたyamanekoのリュックとの対比で岩の大きさがおおよそ掴めると思います(リュックが黒っぽいので分かりにくいですが。)。

 加波山

 屏風岩の脇から少しだけ眺望がありました。加波山(709m)です。ちょうど10年前に登りました。(こちら



 登山道に戻り、また岩場を登って行きます。ケガをしては元も子もありません。一歩一歩慎重に。

 ミヤマシキミ

 茶色一色の風景の中でミヤマシキミの赤と緑がアクセントに。なんだか「生命」の息吹を感じさせます。



 ササの中の道。傾斜もなだらかになり、そろそろ山頂の予感がします。



 おお、ついに山頂に到着です。

 難台山山頂

 1時15分、ようやく難台山山頂(553m)に到着しました。ペースを上げ気味に登ってきたので完全に息が上がっています。
 山頂では男女4人の若者グループが昼食をとっていました。周囲には木立があり、この季節は明るい雰囲気ですが、木々に葉が茂っている頃は展望はないでしょうね。



 ところで「難台山」の名前。「難台」とはあまり聞かない言葉ですが、どういう由来があるんでしょうか。スタート前に登山口の観光案内所的な所に詰めていた地元の(多分)おじさんに名の由来を聞いたのですが、「さあ」ってことでした。また、ネットで調べてもどこにも由来に関する情報はありませんでした。ただ、「難台山」は「男体山」とも称したとする記事がありました。

 筑波山地

 C字の形をした筑波山地。筑波山はその真ん中辺りにあるこの山地の盟主です(難台山はCの書き出し辺りに位置しています。)。その筑波山の2つのピークのうちの1つを女体山、もう1つを男体山といいます。難台山の近くにも女体山に相当する山があったりするのかな。

 石の祠

 山頂で一休みして、石の祠に無事の帰還をお祈りしてから下山開始です。



 午後の陽射しに輝くモミジ。帰路は心も軽いです。



 妻とLINEで現在地を確認し合いながら登山口を目指します。

 団子石

 1時50分、団子石まで戻ってきました。まだ妻に追いつけません。

 南山展望台

 2時10分、南山の展望台が見えてきました。妻は5分前に到着しここで待っているとのこと。
 無事合流後、一休みしてから再び下山を開始しました。



 そして2時40分、山道の入口まで戻ってきました。ここからは舗装路を歩いて行きます。

 アオツヅラフジ

 これはアオツヅラフジの実。表面がマットな感じが特徴です。

 アキノキリンソウ

 寒さと乾燥に耐えているアキノキリンソウ。今日の野山歩きの最後に目を楽しませてくれました。

 駐車場

 2時50分、スタート地点のあたご天狗の森駐車場に戻ってきました。結構足腰がガタガタです。元気があれば正面に見える愛宕神社に参拝しようと思っていましたが、ちょっとパスです。



 整理体操のために靴を履き替えようとしたら、ふくらはぎが強烈に攣って、1分間くらい悶絶してしまいました。よっぽど乳酸が溜まっていたのかもしれません。
 それでもなんとか整理体操を終え、駐車場の縁から景色を眺めました。遠く霞ヶ浦や涸沼なども望めました。これが今日イチのパノラマだったかもしれません。

 難台山

 下山後、難台山の姿を撮ろうと、南西側の瓦谷地区にまわりました(このページ冒頭の地図の赤丸の箇所)。農道の脇に車を停めてカメラを向けると、西日を浴びて赤銅色に輝く山容を望むことができました。あの稜線のアップダウンに苦しめられたのですが、自堕落を鍛え直すにはもってこいの山だったと思います。
 
 さて、ぼちぼち帰途につくことに。その前にここまできたら八郷ポークを食べて帰ろうということになり、ナビで石岡市内のとんかつ屋を検索して遅めの昼食としました。味、量ともに最高で、この日の夕食は不要でした。
 さあ、来る2022年も元気に野山を歩くぞ。そのためにはまず健康。日々の節制が重要ですね。