難台山 〜一年の自堕落を鍛え直す(前編)〜


 

 (前編)

【茨城県 笠間市 令和3年12月4日(土)】
 
 今年も師走になってしまいました。毎年暮れが近づくと思うのですが、一年が過ぎるのがなんと早いことか。年末に向けていろいろと用事が立て込んでくる前に今月の野山歩きを楽しんでおこうと思います。
 天気予報を確認すると幸いこの週末は関東地方全域で好天の予報。ガイドブックやネットをチェックした結果、今回は茨城県にある難台山(553m)に行くことにしました。実際に歩いたことのある人の投稿を読んでみると、標高の割には歩きごたえのある山のようです。
 
                       
 
 午前7時に家を出て、圏央道へ。八王子JCT(中央道分岐)、鶴ヶ島JCT(関越道分岐)、久喜白岡JCT(東北道分岐)と通過して、つくばJCTで常磐道に入りました。常磐道のつくば以北に行く場合、都心を経由するルートもあり、そっちの方が距離的にはやや短いのですが、渋滞のリスクが高いのでその日の交通状況の見極めが重要になります。
 圏央道は、この他、海老名JCTで東名高速、大栄JCTで東関道にもつながっていて、他の高速道路とのネットワークがよいのが特徴。都心から放射状に延びる高速道路の全てにアクセスできるのです。(超便利!)

 あたご天狗の森駐車場

 常磐道に入ってからはひたすら北上。茨城県笠間市の岩間ICで高速を下りて登山口に向かいました。ここまでで約150km。結構走りました。
 岩間ICからは県道をまっすぐ愛宕山へ。稜線上にある「あたご天狗の森駐車場」が今日の野山歩きのベースとなります。
 10時10分、駐車場に到着。100台くらい収容しそうな大きな駐車場でした。早速準備運動です。

 Kashmir3D

 今日のルートは、稜線づたいに難台山に向かい、同じ道を戻ってくるというシンプルなもの。道もしっかり整備されているようです。



 10時30分、駐車場を出発。雲一つない晴天。日本晴れですな。



 午前中ということもあって、日陰は少しひんやり。



 丘の上にロッジ風の建物が並んでいました。山小屋的ではなく、何かリゾート感が漂っています。調べてみると、グランピングなどもできるリゾートホテルのようです。ここから見る夜景とか日の出とかは絶品でしょうね。

 ヤブコウジ

 枯れ色のなかで朱い光沢がみずみずしいヤブコウジ。

 アキノタムラソウ

 こちらはアキノタムラソウ。ややドライになりかけていましたが、色は鮮やかなままでした。



 10時45分、ここからが山道になります。とっかかりから急坂。

 コアジサイ

 コアイジサイの葉がきれいに黄葉していました。日陰でも自ら発光しているように明るく見えます。
 コアジサイには、いわゆるアジサイに特有の花弁のような萼片はありません。でもそれが全体に花を清楚な感じにしてくれています。



 ヒノキの植林地。その中の急な坂を上っていきます。早くも体温UP。

 クロモジ

 クロモジも黄色に色付く樹木。よく目立っています。紅葉と書いてモミジとも読みますが、紅葉(黄葉)する樹木はたくさんあるんですよね。

 分岐

 分岐が現れました。稜線の道はここを直進ですが、左折してすぐの所に眺望の開けたところがあるというので、寄り道を。

 見晴らしの丘

 おお、ここか。「見晴らしの丘」というようです。眺望は東に向かって開けていました。

 東方向

 ここの標高は約300m。ここより東に山はないので、見晴らしは申し分なし。霞んでいますが、30kmほど先には大洗海岸があるはずです。そしてその先は太平洋。



 再び稜線の道に戻りました。 おお、まだ紅葉が。



 イロハモミジ。まさに錦の装いですね。



 こちらは黄葉バージョン。



 輝いてます。



 道は着実に上っています。写真では分かりにくいですが、これでも結構な斜度。



 息が荒くなってくると足を止めて紅葉鑑賞。うむ、見事ですな。



 斜度が増してきました。すでにふくらはぎが張ってきています。

 クロモジ

 クロモジの冬芽。特徴的な形をしていますね。

 ウリカエデ

 ウリカエデ。木肌がマクワウリの実の模様に似ているから「瓜楓」です。別にウリハダカエデ(瓜肌楓)というのもあり、こちらは葉が大きく葉身の幅が広いので、違いは一目。



 延々と上り坂です。道幅が広いのは防火帯の役割を兼ねているからだそうです。



 また足を止めて、今度は頭上を見上げます。それぞれ重なることなく、上手に光を分け合っているようです。

 アオキ

 お洒落なサラダとかに入っていそうなアオキの実。もっぱらヒヨドリのご馳走です。



 なんと! 一段ギアが上がったような急傾斜です。闘志が湧いてくるぞ。

 キバナアキギリ

 まだ青々とした葉もありました。これはキバナアキギリですね。夏から咲き始めるシソ科の植物です。とはいえ、この株はこれからは花は付けないでしょう。

 カシワバハグマ

 こちらは既にドライフラワーに。カシワバハグマっぽいですね。



 なんだこの坂は。さっきのギアチェンジからもう一段、今度はギアどころかターボがかかったような急傾斜が現れました。急坂の連続攻撃です。

 南山

 11時30分、南山に到着しました。息がゼーゼー言っています。ここには立派な展望台がありましたが、閉鎖されていました。施設の安全上の問題だとか。

 北東方向

 ここからは北東方向に眺望が開けていました。眼下に愛宕山。その手前の駐車場から歩いてきました。愛宕山の背景には笠間の街や水戸市街、さらに遠景に八溝山地や南部阿武隈山地など北茨城の山々が望めました。



 ベンチに腰を下ろしてしばし休憩。息を整えてからあんパンでエネルギー補給です。



 休憩後、再スタート。ここでも見事な紅葉、黄葉が出迎えてくれました。

 マテバシイ?

 こっちは常緑樹の巨木。マテバシイだったような気がしますが、今ひとつ自信なし。

 ヤブラン

 ヤブランの「実」、ではなく種子です。いかにも果実のような見た目ですね。



 今度は急な下り。大腿四頭筋にビンビンきます。目指す難台山は正面の山影の奥。まだまだありますね。



 日向はポカポカですが、日陰は空気がひんやりします。もう冬ですからね。



 延々と続くアップダウン。この先また急降下が待っていました。

 団子石峠

 大きく下った先が団子石峠です。今回のルート上でここがもっとも大きな鞍部になります。
 時刻は12時10分。スタートしてから1時間40分が経過し、筋肉も張ってきていますが、これからが本番です。(続きは後編で