工兵橋周辺は、なんの変哲もない町中の風景が広がる場所ですが、yamanekoにとっては親しみのあるマイ・フィールドです。ここで四季の移り変わりを観察しています。
 

 
【04.12.21】
 年末だというのに暖かい朝が続いています。まだ橋に霜も降りていません。
 今年の厳しい天候で工兵橋周辺の木々たちは傷つき、弱っています。この冬を何とか乗り切って、春にまた生命力溢れる姿を見せてほしいものです。いや、きっと見せてくれるでしょう。これまでも何十年にもわたってそうやって乗り越えてきたのですから。
 
 2年間続けてきたた「工兵橋通信」ですが、今回でいったん終了したいと思います。
 通勤の途中で渡る工兵橋。わずか1分たらずの時間ですが、四季折々にさまざまな表情を見せてくれました。
 「見るつもりで見れば見えてくるものがある。」 この橋は定点観察を通じてそんなことを教えてくれました。工兵橋はこれからも自分にとって特別な場所です。
 
 
【04.12.14】
 工兵橋のたもとの水面に一羽のカイツブリが。とぷん、と潜って10秒後、あっちの方でぷかり。出勤途中でなければしばらく眺めているのに。
 
 
【04.12.5】
 工兵橋の南には大きなクスノキやサクラ、センダン、エノキなどの並木があります。今日は何やらここが賑やか。見ると、ヒヨドリとムクドリがあちこちで争っています。エサの取り合いでもしているのでしょうか。今年は街路樹の恵みも少ないのでしょう。やっぱり体が一回り大きいだけあって、ヒヨドリの方が優勢のようです。
 
 
【04.11.19】
 今朝、工兵橋の下にカルガモが2羽来ていました。もう冬鳥の季節です。川底の砂にくちばしの先を入れて忙しくエサを梳きとっていました。
 
 
【04.11.16】
 今朝、工兵橋を渡っていると、京橋川が朝日に輝いていて、ちょうど干潮に近く水深が浅かったので透明な流れをとおして川底まできれいに見ることができました。すると魚影の群れがいくつも見えます。足を止めてよく見てみるとボラの群れでした。
 冬場の「寒ボラ」は美味いとのことですが、どうも泥臭いイメージがあって、なかなか食べたいとは思いません。そういえばカラスミって確かボラの卵巣でしたよね。
 ボラは出世魚。それぞれの成長段階に異なる名前が付いているということは、それぞれの段階で人間との深い関わりがあるということでしょうか。
 
 
【04.11.8】
 工兵橋のエノキの上でモズが鳴いています。あの「チキチキチキッ」という甲高い声で。秋が深まってきた証拠です。
 
 
【04.10.23】
 先日新たに展開したエノキの葉が、先週の台風23号でまた傷んでいました。気の毒です。サクラの木はもはや1枚の葉も残っていません。
 工兵橋の周りの木々にヒヨドリがやって来ていましたが、果たして食べるものはあるのでしょうか。この冬は鳥たちにとっても食糧難になるかもしれません。
 
 
【04.10.12】
 工兵橋周辺がまた冬に向かって色のトーンを落とし始めました。今年はサクラの紅葉もエノキの黄葉もさびしいかぎり。秋が足早に通り過ぎていくようです。
 
 
【04.10.1】
 な、な、なんと!北のエノキに若葉が芽吹いています。台風で葉が引きちぎられまばらになった枝に。もうじき落ち葉の季節だというのに、それでも少しでも多くの葉を付けて光合成をしようとしているのでしょう。
 
 
【04.9.27】
 土手のサクラの葉の多くが台風で落ちて、残った葉もまばらに茶色くなって、そこだけ晩秋といった風情です。
 今年は紅葉の名所はどこもパッとしないでしょうね。
 
 
【04.9.15】
 2ヶ月ぶりに通勤ルートを工兵橋コースにもどしました。
 橋の両岸にあるエノキは先日の台風で葉が引きちぎられ、残ったものも痛んで縁の部分が茶色く枯れています。シロバナヤマフジに至ってはほとんど葉が残っていません。まるで「千歯こぎ」で引いたみたいです。その点クスノキは小枝が折れた程度で、歯の痛みはほとんど見受けられませんでした。やや厚みがあるから強いのでしょうか。
 それはそれとして、土手にはヒガンバナが咲いていました。もう秋本番です。
 
 
【04.9.8】
 台風18号の風。猛烈でした。最大瞬間風速は観測史上最大の60.2m/秒だったそうです。
 バス停の正面のポプラ並木のうち半分が根元から倒れていました。どれも高さ20mはあろうかという立派な木だったのに。残った木も痛々しく傾いて。
 街のあちこちにも引きちぎられた木々の枝が散乱していました。
 
 
【04.8.19】
 お盆の間ガラ空きだったバスが、またいつもどおりに混んできました。でも前とは違って、バス停でバスを待っていても日差しで焼かれるような暑さは感じません。お盆を境に一歩秋に近づいたのでしょうか。
 そういえば立秋も過ぎました。
 
 
【04.8.5】
 バス停の周りにはクスノキとメタセコイアが交互に植えられた並木となっています。高さはそこそこあるのですが、排ガスのせいか樹勢が今ひとつです。
 しかしなぜこの組み合わせなのか。
 
 ところで、角を曲がって遠くにバス停が見えたとき、必ずバスが発車寸前であるのはなぜ。
 そしてその後さんざん待たせたあげくに3、4台が連なってやってくるのは、なぜ。
 しかも空いている後ろのバスに乗ろうとすると、そのバスが素通りするのは、なぜ。
 (遅刻しそうなときにかぎってこうなる確率がより高まるのは、なぜ! なぜなんだ!
 
 
【04.7.20】
 祇園新道沿いにあるバス停でバスを待っていると、正面に背の高いポプラの木が数本並んでいるのが見えます。この葉が風にさざめく様子に涼しさを感じるのですが、いかんせん直射日光とその照り返しとが厳しくて、とてもそれどころではありません。バスが来る前に照り焼きにされそうです。
 
 
【04.7.12】
 今年もまた通勤ルートを変更しました。工兵橋を渡らずに、横に見ながら祇園新道沿いにあるバス停に向かいます。このルートはいつものアストラムラインを利用するルートより時間はかかるのですが、歩きの距離が短いので、酷暑の時期にはバスを使うのです。
 なので、9月上旬までは「祇園新道通信」に切り替えます。よろしく。
 
 
【04.7.6】
 工兵橋のたもとのエノキが今年も3度目の葉を付け始めています。去年と同じように少し色が薄いようです。
 
 
【04.6.27】
 今年もまたエノキの葉を食い尽くすエノキハムシが大量に発生しています。工兵橋から神田橋までの間にある20本のエノキ、すべてで猛威を振るっています。4月末、幼虫に食い尽くされ、6月、また成虫に食い尽くされる。エノキもたまったものではありません。
 でも疑問が一つ。それぞれのエノキはちゃんと実をつけているのです。エノキハムシはどうも実には興味がないようで、しっかりとした緑色の丸い実は無傷で枝についています。4月はじめ、葉の展開と同時に花を咲かせ、エノキハムシが卵から孵る前に受粉をすませるらしく、このへんはエノキの策に一日の長があるようです。
 今日はどのエノキでも交尾をしているエノキハムシがものすごくたくさんいました。午前中まで降っていた雨が上がって、絶好のチャンスだったのかもしれません。交尾を終えた雌はいったいどこに卵を産み付けるのでしょうか。
 
 
【04.6.15】
 このところ毎朝、工兵橋を渡るとき、川の中程でシジミ漁をしている漁師さんを見かけます。朝日の逆光の中の姿も絵になりますが、川霧の中の姿もなかなか趣があります。橋を渡りきるまでの30秒間のシアターです。
 
 
【04.6.4】
 エノキがミッシリと葉を茂らせて、工兵橋の北詰めに緑のトンネルを作っています。
 近くの葭原からはオオヨシキリの声が聞こえてきて、夏がそこまで来ていることを感じさせます。
 
 
【04.5.29】
 工兵橋周辺の緑はすっかり濃くなりました。
 雨に濡れてよりくっきりとした色を見せています。
 
 
【04.5.19】
 去年もそうだったように、7割方の葉を食い尽くされた北のエノキの枝から新しい葉が展開し始めました。このエノキは葉を出しては食われ出しては食われしながら虫がいなくなる(たぶん交尾を終えて死んでしまう)まで繰り返して、最後には枝いっぱいに葉を茂らすのでしょう。少なくとも去年はそうでした。「耐えて勝つ」 そんなねばり強いヤツです。
 
 
【04.5.9】
 工兵橋周辺に甘い香りを放っていたシロバナヤマフジの盛りが過ぎました。花は茶色のまだらに汚れてきましたが、まだいくらか香りは残っています。
 工兵橋から上流に50m、京橋川が本流から分かれるところにある葦原にそろそろオオヨシキリがやってくるころです。通勤コースを少し遠回りさせて、あの騒がしい鳴き声を聞いてみたいと思います。
 
 
【04.4.30】
 工兵橋の北のエノキは7割方、南のエノキも3割くらい、その葉が食い荒らされています。去年も葉の展開と同時に食い荒らされ、特に北のエノキは夏までの間に都合3回も新しい葉を出すはめになりました。木全体で考えると光合成もままならないほどやられていて、見ていて気の毒なようでもあります。
 工兵橋の下流600mのところにある神田橋までの範囲のエノキ、計20本を見てみましたが、程度の差こそあれすべてやられていました。
 犯人は?と探してみると、葉の裏になにやら平べったい楕円形の幼虫らしきものが。ダンゴムシを平たくして白くしたような感じで、黒い小さな斑点が並んでいます。よく見るとそこいら中にいます。
 調べてみると「エノキハムシ」という、そのまんまな名前の虫の幼虫でした。去年の6月の下旬に見たクリーム色の甲虫はこれの成虫だったのです。
 それにしてもいったいどこからこんなに大量に湧いて出たのでしょうか?
 
 
【04.4.24】
 毎日、朝日をあびて明るく輝いている木々を見るのが楽しみです。今はエノキとその隣のクスノキの色が同じ黄緑色。特にエノキは自らが発光しているように見えます。
 
 
【04.4.17】
 工兵橋の桜はすっかり「蕊桜(しべざくら)」になりました。クスノキは古い葉を落として若葉にその座を譲り、エノキは明るい黄緑の葉を広げつつあります。
 シロバナヤマフジは花序を伸ばし始めているし、アオサギが長い枝を横一文字にくわえて飛んでいくのを見かけます。いつのまにか京橋川を渡る風もさわやかに感じられるようになりました。
 春本番です。このまま時間を止めてゆっくりと今の季節を楽しみたいのですが、この季節も駆け足で過ぎていってしまうでしょう。
 まさに「惜春」といった感じです。
 
 
【04.4.4】
 今年は2週にわたって花見ができたようです。というかむしろ今ようやく満開といったところ。京橋川の川面には提灯の明かりがボーっと浮かんでいます。
 
 
【04.3.29】
 工兵橋に桜の季節がやってきました。京橋川右岸の土手にはお花見提灯が連なり、昼となく夜となく賑やかな声があがっています。
 この土日、たっぷり仕事をさせてもらいました。あーあ、花見、したいなぁ。
 
 
【04.3.25】
 公私ともにバタバタで工兵橋通信をさぼっていた2週間たらずの間に、工兵橋の周りは大きく変化しました。北岸のエノキの芽はぐんぐん膨らみ、昨日ついにほころびました。南岸のエノキはかなり早く、先週のはじめには木全体が遠目に黄緑色に見えていました。
 桜の枝も日に日に色を濃くしていき、今朝にはチラホラと咲き始めていました。
 土手の草も丈が伸び始めています。たくさんの命が躍動しはじめているのです。
 木々が濃い緑一色になるまでのわずかの期間。この最もいきいきとした時期を落ち着いて過ごせるようになるのはいったいいつのことになるのでしょうか。
 
 
【04.3.13】
 今週は一気に暖かくなり、花粉も飛びまくっているようです。
 工兵橋の周囲の桜の蕾はもうスタンバっているでしょう。今年は桜の開花が早いそうですから。
 
 
【04.3.3】
 また寒い冬がもどってきました。先週までの暖かさで京橋川のカモたちもいなくなってしまったようです。
 工兵橋は橋板が木材なので朽ちた部分をしょっちゅう補修しています。今回は年度末ということもあって大々的にやっていました。
 
 
【04.2.23】
 ちょっとボーっとしているうちに春が近づいてきていました。エノキの芽も胡麻つぶ程度の大きさになっていました。土手にはカラスノエンドウやミミナグサが。
 ついでに花粉症も…
 
 
【04.2.12】
 2月も半ばとなり、わずかですが春の気配を感じるようになりました。土手の桜の蕾も少し膨らんでいるのではないでしょうか。
 でも変です。今年はまだ花粉症の症状が出ていないんです。このままずっと…、なんてことはないんでしょうね。
 
 
【04.2.5】
 工兵橋周辺はここのところの厳しい寒さにじっと息をひそめているようです。エノキの枝にはまだ芽は見あたらず、ただ冷たい風に揺れているだけです。
 
 
【04.1.30】
 寒い。工兵橋も凍てついています。エノキの枝にはイカルが数羽、実をかじりにやってきていました。春が待ち遠しい。
 
 
【04.1.23】
 大寒の1月21日、夜半からぐんぐん気温が下がり、夜が明けると積雪こそないものの辺りは真っ白になっていました。工兵橋の橋板も凍結してツルツルの状態。いつもの3分の1の歩幅でテコテコと渡っていきました。
 そういえばここのところカモを見かけないけど、いずこへ?
 
 
【04.1.9】
 北のエノキもようやく葉を落としました。正月が明けてから、残っていた葉も急にしおれ始め、乾燥して散っていきました。
 橋のまわりにはカルガモが憩っています。水の中に浸けている足は冷たくはないのだろうか。
 
 
【04.1.1】
 平成16年の幕開けは穏やかな一日となりました。
 どうやら工兵橋の北のエノキに残っている葉は7月下旬に三たび展開した葉のようです。まだ青々としています。
 橋の下の川はちょうど潮が止まって波もなく、鏡のような水面にカルガモが1、2、3…、25羽もいます。今年は多いです。
 
 
【03.12.27】
 先週降った雪のせいか、エノキの葉がほとんど落ちました。南のエノキは丸裸。北のエノキは下の方を中心に残っている程度です。
 工兵橋通信を書き始めて1年が過ぎました。今まで何気なく通りすぎていた場所ですが、1年間をつうじて注目してみると初めて気がつくこともいろいろありました。もうしばらく続けてみたいと思います。
 
【03.12.18】
 工兵橋のエノキの葉がまだたくさん枝に残っています。特に北の岸のエノキはほとんど秋のままといった感じです。この春何回か虫に喰いつくされてその都度葉を展開し、最終的には7月初旬に若葉を広げたのが影響しているのでしょうか。
 
【03.12.8】
 今シーズンはじめて工兵橋の橋板に霜が降りました。朝陽の当たらない鉄骨の陰になった部分だけに残っていて、あとは融けていましたが、ツルッと滑りそうです。
 
【03.12.6】
 12月だというのに暖かい一日。夜、工兵橋を渡ると雨上がりの晴れ上がった夜空に十三夜の月が煌々と光を放っていました。くっきりと影が映るほどの明るさです。
 
【03.12.1】
 いつもよりちょっと早めに家を出たら、ちょうど工兵橋を渡るときに朝日が顔を出し、川面を金色に染めていました。天気予報では今日は晴れ。ふり返ると、火山から丸山にかけての稜線がくっきりと見え、空の青をより際立たせているようでした。
 
【03.11.22】
 天気はいいのですが風が冷たい。工兵橋の下でカイツブリが潜っては浮き上がり、また潜っては浮き上がり。欄干にもたれかかって、カイツブリがどこに浮かび上がってくるか予測しているとけっこう暇をつぶせます。
 土手のサクラもほとんど丸裸。寒々としています。
 
【03.11.11】
 今シーズンはじめての冬鳥がやってきました。橋の上からでは少し遠すぎて種類までは分かりませんでしたが、例年工兵橋周辺にやってくるのはカルガモかマガモなので、そのいずれかでしょう。
 昨日から急に寒くなりました。いや、これがこの時期の本当の気候なのかもしれませんが。これからが本格的な冬鳥の季節です。
 
【03.11.8】
 工兵橋の南のエノキが金髪アフロのようになっています。こんもりとした樹冠の表面を中心として黄葉してきました。
 先月の冷え込みが嘘のように、11月なのに暖かい風が川面を撫でていく日もあります。どうなってるんでしょうか。
 
【03.10.30】
 だんだん秋色が深まっていくようです。
 朝、工兵橋を渡るときシジミ漁をする漁師さんの姿を見かけます。ウエーダーを履いているとはいえ、腰まで水に浸かってさぞ冷えることでしょう。その漁師さんの先にはアオサギがじっと獲物をねらっていました。
 
【03.10.22】
 「この秋一番の冷え込みになりそうです。」 天気予報でこの言葉を聞くことが多くなってきました。土手の桜も半分近く葉を落としています。
 川岸でアオサギが餌を採っていました。我慢強いハンターです。
 
【03.10.16】
 10月も半ばになって、今朝は特に涼しい、いや寒いと言った方がいいような感じでした。
 工兵橋の北のたもとにあるシロバナヤマフジの葉が黄色く色づいています。もうじきこの木も、サクラもエノキも葉を落とし、クスノキだけが緑の葉を残している、あの冬の風景になるのでしょう。
 
【03.10.10】
 工兵橋の両岸の土手に広がっている草たちの色に今ひとつ元気がなくなってきました。春から夏にかけてのつやつやした勢いがなくなってきたようです。
 朝夕がめっきり涼しくなってきて、生き物も景色も秋の装いを色濃くしていくようです。
 
【03.9.26】
 土手の桜の木の葉はずいぶん黄色くなってきました。川の水も少し冷たそう。
 潮の加減で水深が浅いときには透きとおった水の底がよく見えます。砂地の川底をノコノコ歩く亀を見ることもできます。
 
【03.9.19】
 工兵橋の上にも涼しい風が吹き始めました。エノキの葉も少しずつ黄色い部分が現れはじめてきています。緑色色素のクロロフィルが壊れていって、元からあったカロチノイドの黄色の色が表に出てきているのです。土手の桜の下にもたくさんの落ち葉がありました。一歩一歩秋が深まりつつあるようです。
 
【03.9.12】
 夏の間、アストラムライン(新交通システム)の駅まで歩くと汗びっしょりになるので、通勤ルートを変更して工兵橋を渡らずに近くのバス停からバスに乗って会社に行っていました。したがって工兵橋通信の更新も滞りがちだったのですが、そろそろルートをもとに戻そうと思っています。
 虫の音はますます賑やかになってきています。さあ、秋には工兵橋周辺ではどんな様子を観ることができるでしょうか。
 
【03.8.27】
 宵の口、久しぶりに工兵橋にさしかかると、盛んに秋の虫たちが鳴き交わしています。もうそんな時季に。いつのまにか季節が移り変わろうとしています。少なくとも4種類の鳴き声が聞こえてくるようです。もうすぐ9月、ほどもなく涼しい風が吹いてくるようになるのでしょうか。
 
【03.8.20】
 夜、工兵橋の上に赤く輝く火星を見物しました。5万7千年ぶりの大接近なのだそうです。
 悩んだり気に病むことがあったりするときは、大宇宙に想いを馳せると人間界のゴタゴタのあまりのちっぽけさに気づき少し気が楽になります。
 
【03.8.11】
 工兵橋の土手に並ぶ木々では沢山の蝉が鳴き競っています。
 南の土手には大きなクスノキが4本、そしてその周囲にはサクラの並木があるのですが、どうも蝉たちはクスノキにはあまりおらず、もっぱらサクラの方で鳴いているようです。
 やっぱり樹液が樟脳臭いのでしょうか?まさかね。
 
【03.7.26】
 いつの間にか工兵橋周辺の木々からはジージーといった蝉の声が降ってくるようになりました。
 エノキの3度目の若葉はこんな感じです。青々とした樹冠の中にムクドリがたくさんやってきていました。例の大量発生した甲虫を餌にしているのかもしれません。
 
【03.7.15】
 4月初旬に展開した葉が食い荒らされて、5月下旬に再び葉が出て、また喰い荒されて、7月初旬に三たび葉が出た力強いエノキ。今日、ふと気がついたのですが、最初に展開したときと比べて葉の色が薄いような気がします。単に「若葉」だからでしょうか。
 今度は食い荒らされないようにしないと、梅雨明け後の陽射しを浴びて存分に光合成することができなくなります。幸運を祈る!
 
【03.7.1】
 茶色の甲虫に食い荒らされたエノキは、少なくとも全体のうちの3分の1は被害に遭っていて、特に下の枝の方がひどいようです。まるで枯れ枝のようになっていて、何とも痛々しい。
 ところが、驚いたことにその枯れ枝の所々に新しい葉芽が出てきているではないですか。
 う〜ん。逞しい。これからまた新しい葉を開くのだろうか。また、毎朝ここを通るのが楽しみになりました。
 
【03.6.25】
 工兵橋の北のたもとにあるエノキが、その葉の大部分を何やら得体の知れない(?)大量の茶色の甲虫に食い荒らされています。
 いままでにもこんなことにも耐えながら生きてきたのでしょうが、この虫はいったい何なんだ。
 
【03.6.19】
 このところエノキモクスノキもすっかり緑を濃くしてしまって、これといった変化を見つけにくい状況です。
 朝、通勤のとき上流のねぐらからやって来たと思われるアオサギが、橋の下をツーィと滑空し、そしてゆったりと羽ばたきながら飛んでいきました。両足を揃えて体の後ろに伸ばし、風の抵抗を極限まで抑えたようなフォルムです。
 
【03.6.10】
 今年もアオバズクに逢えました。夕暮れ時、工兵橋の横揺れを防ぐために張ってあるワイヤーに留まっていました。近づくとフッと飛び立って、橋をくぐって木立の中に消えてしまいました。
 
【03.6.8】
 工兵橋の下でシジミ漁をしている人がいました。ここのシジミには漁業権が設定されているのです。夕日を浴びて朱色にそまった川の中に膝まで浸かって、大型のクマデのような道具で川底を掻いていきます。
 一人で黙々と、ただ黙々と作業をしていました。
 
【03.6.2】
 工兵橋のたもとでは大きなクスノキの花が落ちて、辺り一面に赤銅色の絨毯を敷き詰めたようになっています。まだ声は聴いていないけど、今年もアオバズクがこのクスノキにやって来ているだろうか。
 そうやって見上げた目の前をセグロセキレイが2羽、じゃれ合いながら川上の葭原の方に飛んでいきました。
 
【03.5.24】
 若葉の色もすっかり濃くなった北のエノキですが、若葉が展開してまもなく一部分(半径2mほどの範囲)の葉が虫に喰われたように葉脈だけの丸裸になっていました。なぜだろうと思っていたら、その後その範囲の枝にまた新しい葉が生えてきました。今ではその部分だけが新緑です。
 これはいったいどういうこと?
 
【03.5.15】
 開花が遅かった南側の土手のシロバナヤマフジもほぼ花期が終わってしまいました。フジは花序が長く基部から先端に向けて順に咲いていきますが、ヤマフジは花序も短くいっぺんに咲いてしまうので、必然的に花期は短いのです。そのぶん香りはかなり強いような気がします。
 
【03.5.9】
 昨日、工兵橋の周りに鳥が少ないと書いたところですが、橋の上でしばらくじっとしているとやっぱりそれなりにいるようです。
 朝、橋の下の水面ギリギリのところを、アオサギが木の枝を横一文字にくわえて滑るように飛んでいくのを見ました。営巣の季節なんでしょうか。それとも壊れた巣の補修のためなんでしょうか。工兵橋の上流側に「新こうへい橋」という大きな橋があり、その向こうにある中州のクスノキ、ナンキンハゼの木は、アオサギやコサギ、カワウなどの巣でクリスマスツリー状態になっています。きっとそこの住人だったのでしょう。
 夕方には「新こうへい橋」のたもとの葭の茂る場所に行ってみました。あんのじょう、もうオオヨシキリがやってきていました。ギョシ、ギョシ、ギョシ…。茂みの中なのでよくは見えませんでしたが、上を向いて嘴を大きく開いて鳴いていることでしょう。もう初夏が近いんですね。
 
【03.5.8】
 北のエノキの枝先には正露丸くらいの大きさの緑の果実が鈴なりに付いています。つい2週間ほど前には花が咲いていたのに。
 工兵橋の周りには冬鳥が去ってからはあまり鳥の影を見ません。南の土手の大きなクスノキにアオバズクがやって来るのが待ち遠しく思えます。
 
【03.5.3】
 工兵橋の北の土手にあるシロバナヤマフジがほぼ満開に。南の土手のはまだこれからです。陽当たりの差なのか単なる個性の違いなのか、開花の時期が少しずれています。今、橋の周りは甘い香りでいっぱいです。
 
【03.4.28】
 日一日と木々の緑が濃くなっていきます。工兵橋のたもとのシロバナヤマフジの花序から白い花弁がのぞき始めました。エノキの枝の葉たちもどんどん大きくなって、枝の向こうがようやく透けて見えるくらいです。
 
【03.4.19】
 雨上がりの工兵橋を歩きました。エノキの木の下は花柄ごと落ちた花がビッシリと。葉の展開と同時に花をつけ、あっという間に散ってしまいました。枝先をみると小さく膨らんだ子房がたくさん残されています。葉はまだ小振りですがあの左右非対称の特徴ある形になっています。
 傍らにあるシロバナヤマフジの葉も開いてきました。奇数羽状複葉です。
 ツバメが2羽、橋の下をくぐってまた高く登っていきました。
 
【03.4.15】
 さすがに桜の花は樹冠の頭頂部にわずかに残るのみとなりました。今年は花の期間が長かったように思います。工兵橋の南に並ぶクスノキの葉は落葉が始まり少し赤っぽくなってきました。橋を渡る風にももはや冬の厳しさはありません。エノキの若葉も猫の手のひらほどになりました。
 
【03.4.8】
 工兵橋のエノキの葉が開き始めました。今、1pから2pほどになっています。冷たい雨に桜の花びらも半分近く散ってしまいましたが、これからはみずみずしい若葉の季節がやってきます。これはこれで楽しみです。
 
【03.4.3】
 やって来ました、桜の季節。工兵橋が一年で最もあでやかに彩られる季節です。ここから牛田大橋までの川土手はたくさんの桜で埋め尽くされています。屋台が出て、夜桜見物もバッチリです。
 エノキの芽も大きく膨らみ、先端からは緑色の葉がもうのぞいています。ひと月前、あんなに小さく固かった冬芽が。
 クスノキも衣替えをはじめたようです。これまでの葉を落とし新しい葉との世代交代を行うのです。硬く光沢のある大量の落ち葉の上を歩くのもちょっと面白い。
 ああ、何もかもが急に生気に満ちてきました。大げさでなく命の躍動を感じる気がします。
 
【03.3.25】
 工兵橋の南のエノキの枝に並ぶ芽が、ちょっと見ない間にずいぶんとふっくらしてきました。
 このところ送別会が続いていて、しかもその後会社に戻って残業というパターンが多くて、朝の通勤も寝ぼけまなこです。工兵橋の上で辺りの風景を眺めることもなく過ごした数日でしたが、ちゃんと季節は巡っているようです。
 
【03.3.18】
 今朝、工兵橋の中程までさしかかると、少し暖かい風が水面を渡ってきました。出がけにコートを脱いでいこうかと考えたのも頷けます。また、土手に立つ大きなクスノキの中には、葉が少し黄緑色になって落葉への準備を進めているものもありました。
 さあ、春がすぐそこまで来ています。
 
【03.3.5】
 春本番のような日があるかと思えば、雪の降る朝もある。この時期はそんなことを繰り返しながら、それでも少しずつ春に近づいていきます。その証拠に、京橋川の土手にはヤエムグラやカラスノエンドウの若葉が伸び始めていました。何となくウキウキしてきます。(あとは、花粉さえ飛んでなければ…。)
 
【03.2.24】
 少しずつ春の気配を感じてきています。
 今朝、工兵橋のワイヤーの上で鳴くセグロセキレイの声が「地泣き」ではなく「さえずり」でした。しばらく足を止めて聞き入ってしまいました。(遅刻するぞ。)
 
【03.2.15】
 京橋川は干潮で、蛇行の内側には川底の砂地が露出していました。その上をセグロセキレイがトコトト歩いています。鳥にはピョンピョン派とトコトコ派がいますが、セグロセキレイは後者です。
 北のエノキの枝は工兵橋の欄干近くに張りだしていて、観察には都合がいいんです。よーく見てみると小さな小さな冬芽が春の訪れを待っていました。
 
【03.2.8】
 今日はしっかりとした雨。ちょうど満潮を迎えた京橋川は水の流れが止まっているように見えます。その水面に工兵橋からしたたり落ちた水滴がもう一本の橋を描いていました。
 見上げると、南のエノキの梢にはキジバトとツグミが雨に打たれてじっとしていました。寒そうです。
 
【03.2.1】
 風もなく穏やかな午後。工兵橋の下の京橋川は干潮間近。今日はたくさんの鳥をみました。ヒドリガモ(つがい1組)、マガモ(♂7羽、♀1羽)、カルガモ(4羽)が浅くなった川面で餌を探していました。あと、ツグミ、ジョウビタキ。大きなところではアオサギとカワウが頭上を飛んでいきました。
 
【03.1.24】
 雨の工兵橋。橋板が木製なので滑りやすいです。水位が高く両岸の石積みまで水に浸かっていて、砂地は出ていませんでした。工兵橋周辺ではシジミ漁が行われていて、潮が引くと砂地に残ったシジミ漁の跡がストライプ状の模様を作っています。
今日は雨の中、カルガモが6羽ほど水面を滑っていました。あと、上空にカワウが1羽。
 
【03.1.18】
 今日はグリーンアリーナで開催されていた「ふるさと島根フェア」への行き帰りに工兵橋を通りました。行きには鳥の姿はツグミが数羽程度でほとんど見られませんでしたが、帰りにはカワウやアオサギ、ハクセキレイなどの姿がありました。潮が引いて川底の砂地が見えてくると鳥達の活動も活発になるのでしょうか。
ところで「ふるだと島根フェア」は今年も大盛況。打ちたて、ゆがきたての三瓶蕎麦には行列ができていましたが、並んで食べました。味はGood!
 
【03.1.11】
 工兵橋の「北のエノキ」の梢は欄干のすぐ横にまで伸びていています。だから観察にはもってこい。枝先にはわずかに残った実が北風に揺れていました。
今日、橋を渡ったときは満潮から少し引き潮が始まった頃。たっぷりの水が海の方向に流れていました。土手沿いの水際にはカルガモが3羽。あとはドバトが吊り橋のワイヤーに並んでいました。
 
【03.1.5】
 昨夜来の降雪で朝起きてみると一面の銀世界。温暖な広島市街ではめずらしいことです。工兵橋の南のエノキでは今日もツグミたちが喧しく鳴き交わしていました。でも、サギを含め水面には水鳥の姿はありませんでした。どっかに食事に行っていたのかな。
 
【02.12.30】
 このまえイカルが食事をしていた工兵橋南詰めのエノキ(南のエノキ)には、今日はツグミが10羽ほど。土手沿いの道を挟んで反対側にある大きなクスノキとは梢が触れあうほどになっていて(ということは道路は両者の梢が張り出してトンネル状になっている。)クスノキとエノキの間を行ったり来たりしていました。
水面にはカルガモが5羽。あと、ハクセキレイが1羽飛んでいきました。
 
【02.12.25】
 工兵橋のたもとのエノキにイカルが数羽群れて朝食をとっていました。この鳥は西日本では留鳥ですが、それでも夏場は山間部で過ごして冬には平地に下りてきます。
 特徴のある黄色の太い嘴で実を砕き、一心不乱に食べていました。