2025年3月7日(金)

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3月に入りカワヅザクラの開花がようやく本格化してきました。今は七分咲きくらいです。

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タンポポのロゼット。この状態ではカントウタンポポかセイヨウタンポポか判然としません。こういうものに目が行くのは春が近くなったということでしょうね。
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ニワトコの冬芽が今まさに開かんとしています。蝶が羽化するときにゆっくり羽を伸ばしていく様子を連想させます。この冬芽は「混芽」というタイプで、球形の一つの冬芽の中に葉と花が一緒に格納されています。よく見るとシワシワの葉の中央に丸っこい若い花序が見えます。

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鮎道のダンコウバイ。ようやくちらほら咲き始めました。間違いなく春が近いです。

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ヤマツツジの若葉。これは春葉と呼ばれるもので、秋には落葉します。これとは別に夏から秋に展開する夏葉があって、そちらは多くが枝に付いたまま越冬します。夏葉の役割は冬芽を守ることのようです。

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カタクリの自生地へ。気の早い株が葉を展開させ、花茎も伸ばしていました。この株のほかはまだ芽吹いているものはありませんでした。明日は雪予報。おそらく傷んでしまうでしょうね。

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大田切池の畔にやって来ました。垣根のロニセラ。五分咲きくらいでした。花の形で分かるようにスイカズラの仲間です。

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パークセンター前のサンシュユ。ここの木は立派で、毎年たくさんの花を付けます。実も大きいので、もしかしたら改良された品種かもしれません。

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春といえばこれ、オオイヌノフグリです。涼やかな青色の花弁は4個。よく見ると、そのうちの手前の1個だけ形が違っています。

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2025年3月13日(木) その1

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野草見本園。何年か前からここでエヒメアヤメを見るようになりました。日本では中国、四国、九州に自生するそうなので、多摩丘陵で自生種に出会うことはありません。yamanekoは広島県三原市にある自生地を見学に行ったことがあります。もう20年以上前のことですが、ネットで検索する限り今でも保護活動が継続されているようでした。

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セリバオウレンが咲きました。去年も数株咲いただけでしたが、今年は更に少なくなっているようです。このまま人知れず花期を終え、実を付けるのではないでしょうか。地中にある根茎は健胃整腸の生薬「黄蓮」として利用され、これが名前の由来。同じ仲間にキクバオウレン、バイカオウレンなどがあります。

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シロバナタンポポ。関東ではあまり見かけることのないタンポポですが、九州ではこればっかりで、逆に黄色のタンポポが珍しい存在だそうです。ところ変われば、ですね。
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大田切池の畔のイヌコリヤナギ。冬芽が一気にほころんで毛虫のようになっています。これが開花状態(すぐ下に開花前の蕾があります。)。マッチ棒(死語?)のような一本一本が雄しべで、先端の赤い葯から黄色の花粉が出ています。雌雄異株なのでこれは雄の株ということになります。
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ヒメカンスゲも開花しています。冬でも葉が枯れない常緑のスゲです。ハタキ(これも死語?)のような部分が雄花序で、この時期ちょっと触れただけでモワッと花粉を出します。雌花序は雄花序の下の方にあって、小さく麦の穂みたいな感じです。

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例年だと2月のうちから咲き始めるウグイスカグラですが、今年は3月も半ばにさしかかってようやくポツポツと咲き始めました。
ウグイスカグラとは何やら曰くありげな名前ですが、その由来にこれだという定説はないとのことです。有力なものとして、「狩り座」(小鳥などを捕獲するための場所)が「カグラ」に転訛したというものがあるようです。小枝が絡まるように茂るこの木がウグイスを捕るのに適していたということでしょうか。

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ヤブランの果序。種子はだいぶ乾燥してきているようですが、未だ黒々とした光沢は失っていません。

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先週蕾を伸ばし始めていたカタクリが咲いていました。数日前に降った雪にもめげずに綺麗な開花です。ただ、周りを見てもこの株に追随するものは未だ現れていませんでした。

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2025年3月13日(木) その2
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冬場、色の少ない風景の中で目を楽しませてくれたトキリマメの種子。これから野山に花がたくさん出てくると、目立たない存在になってしまいます。

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一気に満開状態になったダンコウバイ。とはいえこの株は花数が少なく、写真のような花群が一つの枝に数か所ずつある程度なので、全体として寒々とした感じがしています。雌雄異株で、この株の花はみんな雄花です。

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ヒメカンスゲの株はこんな感じ。丈も小さく、目立ちません。

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先週開花したてだったニワトコの混芽。花と葉が明確に区別できるようになってきました。名前は漢字で「庭常」と書きますが、由来はよく分かりません。むしろ別名の「接骨木」(セッコツボク)の方が有名で、これは昔、材を煮出したものを湿布に用いたことから。

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ヤブツバキが生き生きと咲いていました。冬の花のイメージがありますが、やっぱり春の方が花をよく付けるのかもしれません。花の色には濃淡さまざまあるようです。

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オオアラセイトウの群落。柔らかな陽を浴びているこの花を見ると冬が終わったなと感じます。「アラセイトウ」はストックの古い呼び名だとか。別名の「諸葛菜」は漢名、「ハナダイコン」は通称だそうです。

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カワヅザクラにも株によって開花の早い遅いがあり、この株はこの公園で最も早い部類。既に葉が展開し始めていました。ああ、お花見の計画を立てなければ。

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キブシの花序が伸び始めました。個々の蕾はまだ固く締まっています。この花序の様子、居酒屋の縄暖簾みたいですね(そういう居酒屋も少なくなったような)。雌雄異株で、この株は雄の株。この公園では雄の方が多いように感じますが、どうだろう。

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2025年3月17日(月) その1

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暖かい日と寒い日が入れ替わりでやってきます。今日は尾根緑道を東へ。木々の枝先が少しずつ色づいてきた感じがします。

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ヤマハンノキの雄花序はもう伸びきっています。花は葉が展開する前に開花するので、この様子を見て去年の花殻がぶら下がっていると思う人もいるでしょうね。

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年末に整備したフッキソウの群生地。これから花期を迎えますが、今年の開花は望めないかも。ずっとササ藪に覆われていましたからね。
このフッキソウはツゲ科の亜低木。亜低木とは、丈が低木並み以下に小さく、全体として草本の形態をしているものの茎の基部が木質であるものだそう。確かにそういう中間的な植物もあって然るべしだよなと、あらためて納得。
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この時期、園内のあちこちでキブシが花序を伸ばし始めています。今日見たものはいずれも雄花序でした。なので実は出来ませんが、キブシの実にはタンニンが含まれていて、昔これをお歯黒に用いたそうです。製法をざっくり言うと、この実を細かく潰して酸化鉄の溶液に混ぜるというもの。お歯黒の原料といえばヌルデですが、キブシでも作っていたようです。

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園の東端、草地広場脇の丘に延びる散策路です。この先、木々の芽吹き、葉の展開を経て、あと一月ちょっとで木漏れ日の道に変わります。

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アオハダの枝では短枝がよく発達し、これが特徴の一つになっています。短枝のゴツゴツは葉が付いていた痕。ちょっとずつしか成長しないので葉痕がぎゅっと詰まっています。先端にある冬芽はまだ固いまま。この春、この冬芽から3個ほど葉を伸ばし、その中心に小さなウメのような白い花を付けます。

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これはヤブムラサキの冬芽です。ヤブムラサキには全体に細かい軟毛(星状毛)があって、葉や枝を触ればすぐに分かります。冬芽も同様にビロードタッチ。写真の冬芽の手前にあるものは果実の名残の萼です。実は既に落ちてしまっています。

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アオキが花芽を展開中。窮屈な芽の中から解放されて、さあこれから伸び伸びいくぞ、と言っているようです。アオキは園内のみならず各地の照葉樹林で普通に見られ、それゆえ特に有り難がられることもなく雑木的な扱いを受けているように思います。ちょうど鳥でいえばヒヨドリみたいな存在なのですが、アオキの実はヒヨドリの好物なんですよね。類は友を呼ぶ?
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園の北縁の道沿いに植栽されているトサミズキが花序を伸ばしていました。青空をバックにレモンイエローが清々しいです。公園樹や庭木として植栽されているものをよく見かけますが、名前からも分かるように自生地は高知県で、それも限られた地域にのみ自生するものだそうです。

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2025年3月17日(月) その2

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九反甫谷戸のカタクリ。10m四方くらいのエリアに30株くらい葉を伸ばしていました。そのうち花茎を伸ばしているものは1つだけでした。見頃は今月下旬くらいでしょうか。

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内裏池までやって来ました。カルガモが1羽、首をすくめてじっとしていました。今日はそんなに寒くはないと思うのですが。寝不足か?

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園内ではカワヅザクラなど早咲きの桜が咲き始めていますが、タマノホシザクラの花芽はまだ固いまま。この公園のシンボルみたいな桜なので今年も枝いっぱいに花を付けてもらいたいです。

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ヤブカンゾウの若い葉。この時点ではヤブカンゾウかノカンゾウか分かりにくいですが、去年この場所に咲いている姿を見ているので、ノカンゾウということで。昔から広く食用として利用されていて、山菜の世界では「カンゾウ」として両者を区別しないようです。ちなみに生薬の甘草はマメ科の別物。

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白花のヤブツバキがたくさんの花を付けました。元々は自生のものではないと思いますが、とても庭木レベルとは言えない高木に育っていて、ここで確固とした地位を築いているようです。

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パークセンターの前までやって来ました。花壇の一角にポリ製の四角い桶が据えられていて、中でヤマアカガエルのオタマジャクシが育っていました。おそらくビオトープか調整池に産み付けられた卵塊をここに移してきたものだと思います。池が干上がっても大丈夫なように、池の中にこういった桶を置くことはよくあります。親カエルは卵を産むと再び土に潜り冬眠(二度寝)しますが、目覚めたら子供たちがいないのでびっくりするかも。その頃には元の場所に戻すのかもしれませんが。
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野草自然園のセリバオウレン。前回咲いていた場所から少し離れたところで咲いていました。今年はこれ以上の開花は望めないかも。勢いを取り戻してもらいたいですが。

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南広場にはイチョウが植栽されています。園内にイチョウはここのものしか知りません。冬芽はまだ固いです。さっきのアオハダと同じようにイチョウも短枝が発達します。ただ、この木は植栽されてまだ10年に満たないので、短枝としては目立っていません。

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太陽の日差しを待ってベンチに腰掛けていたら、運良く彩雲を見ました(お分かりだろうか)。瑞雲とも呼ばれ吉兆とされています。ただ、気象現象としてはそう珍しいものではないようです。普通は高いところにある雲で見られるものですが、風に千切られた積雲でも見られ、今回はそのパターンでした。何かいいことあるかも。

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2025年3月20日(木)

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マユミの若葉です。果実や紅葉が美しいので公園に植栽されることが多いですが、藪の中に生えるこの株は自生ののもかも。

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尾根道沿いに植栽されているジンチョウゲ。ここ数日で咲き始めたところで、周りにスタンバイしている蕾がたくさんあります。園内にこの一株だけなので、おそらくここが公園になる前にでも誰かが勝手に植えたのなのでは。

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コブシも咲き始めました。冬の間もふもふの芽鱗を被っていた冬芽が、その芽鱗を脱いでぷっくりと膨らみ、今純白の花弁を伸ばしています。
コブシは果実の形がゴツゴツしていて拳に似ているから名前が付けられたそう。ただ漢字では「辛夷」の字が充てられ、これは中国の別の植物の名前で、誤用だそうです。

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ノイバラの若葉。案外早い時期に展開し始めるようです。枝に互生し、10cmほどの奇数羽状複葉になります。
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ダンコウバイの花が盛りになっています。雌雄異株で、この木の花はみな雄花。一つの花で花被片は6個、雄しべは普通9個あります。先端の葉芽も膨らんできていますね。

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3月に入ってから何度も見に来たこのフサザクラ。ちらほら咲き始めていました。これで開花状態です。花には萼も花弁もなく、多数の雄しべが露出しいています。花粉を飛ばすには機能的なのかも。

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ヒサカキが咲き始めるとガス臭い独特の匂いが辺りに漂います。春を告げる花としてyamanekoは気に入っています。
ヒサカキは関東地方ではサカキの代用として神事に使うのだそうです。yamanekoの故郷ではこのヒサカキを「シキビ」と呼んで、仏壇や墓に供えていました。ただ、シキビはシキミから転訛した呼び名で、本来はシキミを仏事に用いるのだそうです。ちょっとややこしいですが、神事での正規品はサカキ、仏事での正規品はシキミで、それらの代用品としてヒサカキを用いるところがあるということだと思います。全国的にそうかは分かりませんが。
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キブシの花序。この公園では少数派の雌花序です。雄花序よりもやや青味がかっていて、花序の長さも短めという違いがあります。

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クマシデの花序。今は上を向いていますが、伸びるにつれて垂れ下がります。ひげみたいなものは去年の花序の軸です。

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保護中のヤブサンザシ。今のところ順調に生育しているように見えます。名前は藪に生えるサンザシ(山櫨子)ということのようですが、このサンザシとはバラ科の植物で、スグリ科のヤブサンザシとは無縁のもの。ちなみに、トキワサンザシ(バラ科)というものもあり、これはピラカンサという通称の方が浸透しているようです

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2025年3月25日(火) その1

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先週の寒波が過ぎた後、急に様々な花が咲き始めました。これは植栽のシナレンギョウ。仲間にはチョウセンレンギョウやただのレンギョウというものもあります。名前のとおりシナレンギョウは中国原産、チョウセンレンギョウは朝鮮半島原産。じゃあただのレンギョウは日本原産かというとこちらも中国原産だそうです。

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ヒノキの葉。先端の赤っぽくなっている部分は雄花です。写真に写っているものは正確には葉の集まりで、つぶつぶが連なっているように見えるその1つぶが3個の葉の集合体です。一般にイメージする葉の構造とはかなり異なり特殊な形状です。

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尾根道沿いのタマノホシザクラ。園内のタマノホシザクラの中では開花一番乗りです。数年前の積雪で倒れその後養生が施された株なので、生命の危機を感じ取って生き急いでいるのかもしれませんね。他の植物でも、樹勢が衰え始めるとたくさんの花を咲かせ遺伝子を残そうとするという話を聞きますが、そんな感じか。それとも単に日当たりがいいとか?。

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タマノホシザクラの名の由来となった星型の萼。5個ある萼片の基部が矢じり型にくびれず、二等辺三角形になるのが特徴です。

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ヤマハンノキは垂れ下がっていた雄花序が落ち、若葉が展開し始めていました。枝先のイガイガっぽいものは雌花序。これが成長して楕円形の果実になっていきます。

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ヤブツバキは冬の花というイメージがありますが、この時期の方が花付きがいいです。子供の頃、ヤブツバキの花冠から萼を取って、その基部に開いた穴から甘い蜜を吸って遊んでいました。yamanekoの先輩世代の方でもそういう遊びをした経験がない人も結構いて、ちょっと驚きです。田舎と都会の差か。

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ウツギも葉を展開し始めました。若い葉では縁が赤褐色を帯びますが、写真のものはまだその段階に至っていないようです。ウツギは乾燥地でも良く茂るので、武蔵野の辺りではしばしば土地の境界の印として植えられたのだそうです。この場所も公園の境界部分。そういう意図で過去に植えられたものが残って今もここにあるのかもしれません。

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コブシの花冠は純白です。株によってはまだ全く開花していないものもありますが、この株では満開でした。花弁は6個あるように見えますが、これは内側の花被片で、この後ろ側にも3個あります。ただ、小さくて目立ちません。ちなみに、花弁と萼が形態的に似ていて区別しにくいものは、両方まとめて花被片と呼ばれています。

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ニワトコの葉の展開が岡本太郎のアートみたいになっています。芸術は爆発だ!
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内裏池の畔に立つコブシ。これだけの大木が全体に花を咲かせると、そこに何らかの生命体を感じるのはyamanekoだけか。まあ、実際植物なので生命体ではあるのですが。人間と意思を通じあわせられる何か。

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そのコブシの根元にはサイハイランが毎年花を咲かせます。冬の間地面に張り付くようにペタッとしていましたが、春が近づき少しずつ立ち上がってきました。

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2025年3月25日(火) その2

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イロハモミジの若葉。陽を透かして輝いています。この時期葉が赤っぽいのは、紫外線から葉を守るためにアントシアニンが生成されるからだそう。成長が進みクロロフィルが本格生産されるようになると全体に緑色になります。

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アカシデの雄花序。よく見ると、陣笠みたいな形の苞の下に、守られるようにして雄しべが付いています。シデ(四手、紙垂)とは、しめ縄や玉串など紙を細長く切って下げたもの。この花序の様子からの命名でしょうね。
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九反甫谷戸のフサザクラは、花期が終わり、葉を展開し始めていました。荒廃地などにいち早く進出するパイオニア植物の一つで、成長が早いそうです。そういえば斜面地などに生えているのをよく見かけます。

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九反甫谷戸にもカタクリが花を咲かせます。ここのものは10年くらい前に種子を植えて育てたもの。花をつけ始めたのはここ数年です。

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ミズキの若葉は瑞々しさナンバーワンです(yamaneko選)。成長するとごく普通の葉になるので、「昔神童、今凡人」は植物にも当てはまるなと思ったりします。

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ガマズミの若葉。展開途中で、対生する様子が可愛いです。葉脈の窪みがしっかりしていて、成長後の葉の特徴を既に備えていることが分かります。

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いよいよスミレが咲き始める時期になりました。これはタチツボスミレ。スミレには、地上茎のあるタイプとないタイプに大きく二分され、このタチツボスミレは地上茎のあるタイプの代表選手です。

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ニガイチゴの葉も展開途中。果実の付く枝の葉は小さく、果実が付かない枝の葉は大きいという特徴があります。この枝は前者か。

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モミジイチゴも咲き始め。この花はだいたい下向きに付くことが多いです。西日本には葉が長いナガバモミジイチゴが分布していて、広島在住のときはこのモミジイチゴは見たことがありませんでした。

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アワブキの冬芽。順調に育っているようですが、株自体の勢いが弱々しいので、今年開花に至るかはわかりません。

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2025年3月25日(火) その3

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植栽のヒュウガミズキ。花が鈴なりです。葉が展開する前に開花するので、生け垣などに使われている場合はレモンイエロー一色になります。
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野草見本園へ。いち早く成長したのはバイモです。別名をアミガサユリといい、花冠の内側が網目模様になっているのが名の由来とのことです。倹約が奨励された江戸時代、庶民のおしゃれで着物の内側に柄布を用いて楽しんだと教わった記憶がありますが、なんかそれみたいです。

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里山広場から尾根道に上がるとヤブザクラが。こちらは萼片の基部がくびれて矢じり型をしています。

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ユキヤナギがほぼ満開を迎えています。ちらほら咲き始めてからあっという間にこの状態になりました。
ユキヤナギは本来は渓流沿いの水際に生えるもの。枝はしなやかで、増水した流れに洗われても株自体がダメージを受けにくいのだそうです。

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フサザクラはこの公園内の何か所かに生えています。そのうちの一本、園西側の尾根道近くにあります。一見枯れそぼっている感じですが、これで満開状態です。フサザクラ科フサザクラ属の1科1属の植物だそうです。
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キブシの花序をアップで。これは雌花。花冠の中にめしべが見えています。雄しべは退化しているとのこと。
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こちらは雄花序。花冠の中には8個のおしべと、中心にめしべが見えています。めしべは本来の機能を失っています。

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鮎道沿いにあるカタクリの自生地では、保護エリア内に約110株、道を挟んで反対側に約30株、それぞれ花を咲かせていました。まだ今年は花茎を伸ばさない若い株は数えきれないくらいありました。

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ヒメオドリコソウ。ヨーロッパ原産で明治中期にやって来たものだそうです。東京周辺に特に多いそうで、人間の活動と上手くつきあって勢力を拡大してきたのだと思います。

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春の野原の定番、カラスノエンドウ。yamanekoはこの実で草笛を作る名人です(自称)。ちなみに「烏の豌豆」ではなく「烏野豌豆」だそうです。

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2025年3月27日(木)

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トウグミは葉の展開をほぼ終えた状況。葉や枝に星状毛が生えていて、それゆえ全体に白っぽく見えます。

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アマナが開花し始めました。早春に咲いて、周囲が緑で覆われるころには姿を消してしまいます。多年草なので、環境破壊がなければ翌年また姿を見せてくれます。

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ヤマツツジの春葉。展開したてで、しっとり柔らかです。冬芽を守っていた越冬葉(夏葉)の姿はもうないようです。

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周囲の緑に隠れるように花を付けていたシュンラン。これも早春を代表する花です。関東地方では「ジジババ」とも呼ばれていますが、それはこういった対になって咲いた様子から名づけられたのではないでしょうか。
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クサボケ。漢字では「草木瓜」と書きますが、草ではなく樹木に分類されています。成長しても丈はせいぜい30cmくらいまでなので、草と呼んだのでは。

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ヒサカキの雌花。雌雄異株で、この公園では雄株の方が多いように思います。雌花は雄花よりも二回りくらい小さく、5、6mmくらいです。花冠の中に3つに分かれためしべの柱頭が見えていますね。

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野草見本園にやって来ました。いつの間にかヒトリシズカが咲いているではないですか。しょっちゅう来ているのに気が付きませんでした。野生では山奥で出会うことが多く、出会うと嬉しくなる花です。

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ムサシアブミ。今まさに花茎と葉を伸ばし始めているところです。なんかアートですね。

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クロモジも開花し始めていました。枝先に付いていた丸い花芽がほぐれて数個ずつ花を出した状態。先端の葉芽も若葉を伸ばしつつあります。

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クサイチゴ。地面を覆うように咲いていました。こちらもクサボケ同様に「草」の名を冠しつつも樹木です。

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レンギョウも満開。一面の黄色でカメラの色調がちょっと変になるほどです。シナレンギョウよりも黄色みが強く、葉の展開前に満開になるのも特徴です。

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おお、ベニシジミです。幼虫で越冬するそうなので、最近羽化して活動を始めたのでしょう。春はもうすぐそこ、というよりもう春なのかもしれません。

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2025年3月30日(日)

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野草見本園の端にあるミヤマシキミ。ボールのような花序が満開状態になりました。雌雄異株で、これはみな雄花です。シキミの名を持ちますが、猛毒で知られるマツブサ科のシキミ(樒)とは無縁で、ミヤマシキミはミカン科です。ただ、こちらにも毒はあるようです。

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スミレ。葉が長細いのが特徴。ノジスミレとよく似ています。タチツボスミレとは異なり、地上茎のないタイプです。

B
ニリンソウが咲き始めました。茎葉は3個が輪生し、そこから花茎を2本伸ばしてその先に花を付けます。写真のように2個同時に花を咲かせているのはあまり見かけず、見かけても発育に差がついていることが多いです。
C
寒々としていたエノキの枝に冬芽がほころびました。冬芽はつまようじの先くらいの大きさですが、そこから葉も花も展開します。この状態から開花までは2、3日くらいだと思います。

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こちらはミズキ。水平に伸ばした枝から上向きに短枝を付け、その先に葉と花序を展開します。名前に似て瑞々しい。
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調整池にやって来ました。これはタチヤナギ。長い枝に花序をたくさん付けていますが、まだ開花前です。水辺を好み、この株のように水の中から立ち上がるものも普通にあります。

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