2015年4月2日(木)
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野草見本園へ。昨日久しぶりに雨が降ったので、空気がしっとりしています。
ここのシュンランは特徴的な細長い葉が少ないような。おそらく自生のものではないと思いますが、そのせいか。
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大田切池の畔へ。これはサルトリイバラの雄花。これでユリの仲間と言うんですからちょっと驚きです。サルトリイバラのことをサンキライと呼ぶ人もいますが、それは近縁の別物だそうです。
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パークセンター前の畑の縁に植えられているアブラナ。春ですな。
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ここ数日でバイモが幾つも開花しました。花冠の内側はこんな模様。別名のアミガサユリはこの模様から。
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ホオノキの冬芽がほぐれ始めました。キャップ状の芽鱗が外れそうになっています。芽がでかい分、芽吹きもダイナミックです。
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白い花が枝中に付いて、遠目に粉を被ったように見えるヒサカキ。周囲に独特の香りが漂っていました。
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2015年4月5日(日)
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小山内裏公園のさくら祭り。谷戸山の会は丸太切り体験や小枝を使った工作、竹の輪切りで輪投げなどで参加。いずれも子ども達に人気でした。 写真は無料配布のコースターに焼印で絵柄を付けているところです。
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イベント終了後に園内の散策。
これはニシキギ。一見無機質な枝の先端に生命感あふれる鮮やかな若芽。なんかおかしな取り合わせです。
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こちらはクスノキの若葉。これと入れ替わるようにこれまでの葉が散っていきます。常緑樹はこうやって一年中葉が繁っているんですね。
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こっちはクヌギの若葉。この時期は長く柔らかい毛に覆われています。防寒対策でしょうか。展開直後の葉が軟毛に覆われているというのは他にもあって、例えば、シロダモは金色に輝く毛が高級毛皮のようで、見かけるとつい触ってしまいます。
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ヤマブキが咲き始めました。開けた林やその縁に生え、薄暗い藪を背景にその名のとおりの山吹色が浮き立つようです。
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これはボケ。ちょっと気の毒な名前ですが、漢字では「木瓜」と書き、読みの「もけ」が「ボケ」に転訛したものとも言われています。このボケもさっきのヤマブキも同じバラ科の植物です。
Fニワトコの花が咲いています。もしゃもしゃっとしているのは、小さな花がたくさん寄り集まった花序です。
昔、茎などを煮詰めたものを湿布薬として利用したそうで、別名「接骨木」とも呼ばれるそうです。
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これはアオキの雄花。地味な色合いの花ですが、よく見ると意匠化された造形をしています。ルイヴィトンにこんな模様がなかったっけ。
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いや、ヴィトンはむしろこっちか。こっちは雌花です。
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ミズキの葉がだいぶん展開してきました。水平な棚状に何段も重なる枝振りが特徴です。
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丈は低いがこれでも立派な樹木。クサイチゴが満開です。
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ムラサキケマン。変わった形の花ですね。有毒と聞くと、なんだか納得の容姿ともいえます。
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尾根緑道に出ました。厳密に言うとここは小山内裏公園の敷地外です。
都心では盛りを過ぎたソメイヨシノがこの辺りではちょうど満開に。
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オオシマザクラは純白の花です。同時に展開する葉の緑色が透けて見えるような、そんな錯覚を覚えるほどの白さ。薄桃色の花が大勢を占める中で見る者を新鮮な気持ちにさせてくれるサクラです。
桜餅の葉はこのオオシマザクラの若葉を塩漬けにしたもの。甘い餡によく合いますよね。
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タマノホシザクラ。10年ほど前に新種として認められたものだそうです。エドヒガンとマメザクラの自然雑種とのことで、同じ両親を持つヤブザクラとの見た目の違いは、花冠が平開するか椀状になるかだそうです。
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萼の形がきれいな星形。ここからホシザクラという名が付いたということです。命名時にはすでに園芸品種名で「ホシザクラ」が登録済みであったため、「タマノ」(多摩の)を付けたという次第。
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カマツカの若葉。薄赤く縁取りがされています。
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小山内裏公園で最も多いのがこのヤマザクラ。展開し始めの葉が若干赤みを帯びるので、さっきのオオシマザクラとはまた違った印象を受けます。サクラの中では最も好きな種類です。
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今年はまだ花見をしていません。毎年デパ地下ででお花見弁当を調達して各地の名所に出かけていたのですが。でも今年はこれまでのどの春よりもたくさんサクラを眺めたと思います。身近に咲く見事なサクラたちを。おかげで十分満ち足りた気分です(コンビニ弁当でも)。
まだ4月上旬。もうちょっと楽しめるかもしれません。
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2015年4月8日(水)
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4月もそろそろ半ばになろうかというのに、雪です。都心はみぞれだったようですが、多摩境ではちゃんとした雪でした。
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大田切池へ。降りしきる雪の中じっと佇むアオサギよ。鳥だって寒いよね。
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ニガイチゴです。普通、花弁はもうちょっと幅が細いです。プロペラみたいに。
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鮎道沿いのカタクリ。今は花も完全に終わり、それぞれ実を成熟させつつあるところでした。
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ヤブツバキは花冠の付け根からボトッと落ちるのが特徴。斬首を連想させるとして武士には嫌われ、武家の庭木には用いられなかったそうです。
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ヤマザクラもあらかた散ってしまったようです。それにしても、雪と桜が一緒に舞うのを目にするとは。これぞまさしく花吹雪。
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イロハモミジもこの時期に葉を展開します。目覚めたらいきなりの雪でビックリしているのでは。
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2015年4月11日(土)
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今日は小山内裏公園の月イチのガイドウォーク。昼前まで降っていた雨も上がって、ときおり陽射しも。これはオオイヌノフグリ。4つの花弁のうち下の1つだけが小さくて模様も他とは違うとのとこ。確かに。
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こっちはタチイヌノフグリ。茎が直立します。花はこっちの方がやや小ぶりか。
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春ですなあ。路傍にキランソウを見つけると春の訪れを感じます。
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シロダモの若葉です。芽吹きの直後だけ金色の軟毛に覆われていて、さわるとスベスベ。気持ちいいです。成長するにつれ軟毛は脱落していき、やがて濃緑の硬い葉になっていきます。
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カラスノエンドウ。「烏の…」ではなく「烏野…」。子どもの頃、果実の鞘で笛を作って鳴らしていました。ガキんちょどもの野遊びの定番だったですよね。そんなことも自分の子どもたちには伝えてこなかったな、と少々反省。
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ガイドウォークが終わった後は自主観察会。
ヒメオドリコソウ。「ヒメ」は小さいという意の接頭語。でも小型のオドリコソウかというと、それほどオドリコソウには似ていません。
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開花しているスズメノヤリ。雄しべの葯が見えています。この花は雌しべ先熟で、まず雌しべが成熟して受粉した後に、雄しべが成熟して花粉を付けるそうです。今は雄性期です。
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カキドオシ。垣根があっても突き抜けて繁殖するという意味の名で、繁殖力が旺盛であることを現しています。葉の形が可愛いです。
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野草見本園のニリンソウ。別に必ず二輪で咲くというわけではないようです。
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こっちはイチリンソウです。花冠の大きさはこちらの方が一回り大きいです。葉もニリンソウは切れ込みが丸く穏やかな感じですが、イチリンソウの方は切れ込みが鋭くシャープな印象です。
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すっくと立つジュウニヒトエ。見返り美人的な姿で、雅です。
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花冠を上に向けて咲くニガイチゴ。
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一方、花冠を下に向けて咲くモミジイチゴ。同じ場所に生えていました。
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伸び始めたばかりのイタドリはこんな感じ。葉の感触がしっとりしています。子どもの頃、若い柔らかい茎を折ってしゃぶって遊びました。この遊びも全国共通ですよね。酸味があってなかなかいける味わいでした。
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オヘビイチゴ。頭に「オ(雄)」が付くのはヘビイチゴより大型ということ。小葉が5個なのもヘビイチゴとの相違点です。ヘビイチゴによく似るものにミツバツチグリとキジムシロというのがあり、それぞれの相違点についてガイドウォークで解説がありました。
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ハコベです。直径1pに満たない小さな花ですが、端正な容姿をしています。
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トウグミの花。たくさんの蕾を付けていて、これから満開を迎えるところでした。
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鮎道に入ってきました。チゴユリは咲きはじめ。これから辺り一面で開花を迎えるでしょう。
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ツチグリ。これでもキノコの仲間です。丸いところをつつくと、先端の穴から胞子をポッ、ポッと放出します。
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「山笑う」 この時期の山の様子をこう表現することがあります。木々の芽吹きが始まり、山全体が淡い濃淡の緑に覆われる様子を例えたものです。写真は鑓水の丘陵地。あの向こう側に八王子の市街地が広がっているのですが、ここからだとそうは見えませんね。
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2015年4月16日(木)
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ウワミズザクラの花穂がずいぶん伸びてきました。サクラには葉の展開前に花が咲くもの、同時に咲くもの、展開してから咲くものそれぞれありますが、ウワミズザクラは葉が展開してから咲くグループ。
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アカメガシワの芽吹き。名前のとおり若葉のときには赤い毛に覆われ、表面が赤い絨毯のようになります。でも爪でかるくこそぐときれいに取れて下から鮮やかな緑色の葉が現れます。思ったより簡単に取れるので面白いです。
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コナラの若葉。新緑の里山を遠望したとき、淡く薄緑色に見える部分はコナラかクヌギとのこと。そのうちでもクヌギは若干褐色がかるそうで、そこが見分けるポイントの一つだそうです。先日のガイドウォークで仕入れた知識です。
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こっちはコバノガマズミの若葉。さすがはガマズミ、若葉のときからしっかり感があります。ナミテントウも冬ごもりを終えて出てきました。
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ハリギリはもともとが大型の葉なので、若葉の時点で既にかなりの存在感です。写真のもので大人の手の平よりも大きいくらい。
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満開のヤマブキが朝日を受けて眩しいです。おそらく植栽だと思いますが、普段あまり人が立ち入らないところなので、野生感が出てきています。
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ウツギの若葉。葉も花芽も軟毛に包まれています。GW頃には花が咲くでしょう。♪卯の花の匂う垣根に、ってウツギは匂いがしませんよね。
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花見シーズンは終わりましたが、種類によっては今まさに見頃のサクラも。花の柄に細かい毛がありましたが、カスミザクラか。
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豪奢な感じのするサクラ。サトザクラ(サクラの園芸品種の総称)のうちの一つでしょう。「華麗」という形容詞がぴったりです。
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2015年4月18日(土)
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冬姿で見通しの良かった南東側の入口もだんだん緑の葉に覆われてきました。
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アカシデの若葉。葉を広げ終えて光合成の本格稼働スタートです。
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展開し始めたホオノキの葉。冬芽を覆っていた芽鱗が外れて(葉の付け根に残っています。)、中に格納されていた葉が放射状に開きつつあります。なんか宇宙ロケットみたい。
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内裏池に向かう谷戸もずいぶん景色が変わりました。
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クヌギの花序です。雄花がでろーんとぶら下がり、風に揺られて花粉を飛ばすという仕組みです。
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ヤマグワの雄花。これから雄しべを伸ばしていくところ。
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東側の丘に向かう道もすっかり緑色に。
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これはミツバツチグリ。先日のガイドウォークで学んだことでキジムシロやヘビイチゴとの見分けができるようになりました。
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アラカシの若葉と雄花序。マットな感じのクヌギと異なりメタリックな光沢がありますね。
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野草見本園へ。これはマムシグサ。うむ、マムシの模様には似ていないですね、やっぱり。
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長い花茎をバランス良く直立させているオニタビラコ。可愛い花です。
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里山に春を告げる花、フデリンドウ。涼やかな花弁の色に惹かれます。
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2015年4月19日(日)
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フキの葉が開きました。小人になってこの葉の下に入ると、鬱蒼とした森のように暗いでしょうね。
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鮎道入口(駐車場出口付近)にあるウワミズザクラが満開になっていました。園の南東側の入口のところにあるやつはまだまだの状態ですが。しかし、これもサクラだなんて。
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ヤマツツジが咲き始めました。これから鮎道が華やかになっていきます。
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2015年4月22日(水)
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カラスザンショウも芽吹いてきました。この時期はまだ初々しいです。
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まだ明るい林床にホウチャクソウが咲き始めました。
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白いイモムシが宙空に。よく見ると細い糸でぶら下がっています。シャクガの仲間か。
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ヤマザクラの葉陰に若い実ができていました。
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ミズキの葉が展開し終わると、次に花序が上向きに伸びてきます。
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これはヤマハゼの若葉。 ←後日キハダであることが判明。
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スイバの花が咲いています。赤いふさふさの花です。スイバといえば翼をもつ胡麻粒のような実が思い浮かびますが、この時期に花が咲いていたんですね。
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モミジの葉を透かす朝の陽射し。いい季節になってきました。
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アセビは株によってはまだ花を咲かせています。花が終わると若葉が展開。この時期はまだ柔らかそうです。
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2015年4月23日(木)
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ウワミズザクラの花穂をアップで。長い雄しべと雌しべが花冠から飛び出しています。
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野草見本園のエビネ。
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足元でニホントカゲがチョロチョロ。尻尾が不自然に短いのは一回切って再生したもののよう。背中の筋が3本あるということはまだ幼体か。
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カツラの葉が展開しました。半月前まで丸裸だったんですが。丸っこいハート型が一列に並んで可愛いです。
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2015年4月26日(日) その1
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ヒメコウゾの花。新しく伸びた枝の下の方に雄花が、上の方に雌花が付いてます。
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まずは東の尾根道へ。緑のトンネルができつつありました。気持ちの良い散策です。
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道ばたに鳥の羽が散乱していて、その脇に巣が落ちていました。大きさはソフトボールくらい。巣ごと何かに襲われたようです。巣の中は柔らかな羽で満たされていて、雛はいませんでした。巣材にこれほどの量の羽を用いることができる鳥とは何でしょうか。
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ヤブタビラコ。漢字では「藪田平子」と書きます。タビラコ(=コオニタビラコ)が水田に多いのに対して、ヤブタビラコは人家の周りや林の縁などで見かけます。
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ツボスミレのご一行様。別名ニョイスミレ。
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コゴメウツギは葉の展開が終わり、花を咲かせる準備をしています。
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ハナイカダは葉の上に花を付ける変わり者。花茎が葉脈と合着している形です。
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スイバの花をアップで。大きさは1.5ミリくらい。なかなか注目されない花です。
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草地広場までやって来ました。広々としていて気持ちいい。
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満開のヤマツツジ。華やかですね。
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林床にジュウニヒトエが。立ち姿がキリッとしています。
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ツリバナの花。写真を撮ろうと構えても、まあ揺れる揺れる。モビールみたいな造りなので揺れて当たり前ですがね。
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カマツカも咲き始めました。ウメの花にちょっと似ていますが、同じバラ科ということで納得。
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葉の下に隠れるように咲くチゴユリ。恥ずかしがりか?
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2015年4月26日(日) その2
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ヤブレガサ。破れすぎだろ。
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イロハモミジの花。花冠の大きさは7mmど。小さいです。雄花と両性花が混在するそうですが、これは両性花の方です。
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アカマツの花。マツの花といわれてもなかなかピンと来ませんよね。丸っこいのが雄花。やがて花粉を出します。雌花は先端に付くのですが、まだ判然としません。
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花が終わり実を成熟させつつあるキブシ。実の先端にまだ雌しべの柱頭が残っていますね。
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純白の花を咲かせているのはガマズミ。眩しい白です。
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テリハタチツボスミレ? でも日本海側に生えるとのことなので違うよね…。葉の葉脈の感じなんかよく似ているんだけど。
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ニホントカゲの幼体。ウソみたいにきれいな尻尾をしています。こいつはなかなかとぼけたヤツで、花の写真を撮ろうとしてじっとしているyamanekoの足を這い上がり、ズボンの裾の中に入り込んできました。
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ハルジオン。よく似たヒメジョオンとの相違点はいくつもありますが、茎が中空なのはハルジオン。髄が詰まっているのがヒメジョオンです。
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極小の花冠を持つキュウリグサ。大きさは3oほどです。名前の由来はキュウリの匂いがするから。
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見上げるとケヤキが若葉を展開させていました。大きな木ですが、毎年こうやって葉を付けてきたんでしょうね。
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なんだなんだ。って葉を見ればシュロだと分かるんですが、その茎からにゅうっと伸びているもの。これは雄花だそうです。枕くらいの大きさがあります。先端から密生した小さな雄花が顔を出していますね。
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トウカエデの花。花冠の中央から放射状に雄しべが伸びているのは雄花。花冠を大幅に飛び出しています。目立ちませんが両性花もあります。
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キンランも咲き始めました。林床でスポットライトを浴びていました。
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落ち葉の間から顔を出したフデリンドウ。高さ6pくらいの可愛い花です。
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2015年4月29日(水)
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久しぶりに夕方に散策。
これはツリガネズイセン。ツリガネニンジンの花 + スイセンの葉、というネーミングでしょうか。
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ミズキが花を付けました。水平に広げた枝を何段にも重ねて。その上を白い花が覆っています。
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早くもチョウジソウが咲いていました。野草見本園です。
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もうすぐ端午の節句。里山広場には鯉のぼりが…、泳いでいませんね。
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再び野草見本園へ。これはオダマキ。「小田真希」とか「織田麻紀」ではなく「苧環」と書きます。
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ホタルカズラ。涼しげな色をしています。
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ん? コナラに実が付いている? いや、これは虫コブ。通称「ナラリンゴ」です。正式にはナラメリンゴブシといい、ナラ(コナラやミズナラ)の芽の部分にできるリンゴのような虫コブ(フシ)だから、ナラメリンゴブシ。
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ヘラオオバコ。花穂の下から上に向かって順に咲いていきます。
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尾根道沿いのホオノキが咲き始めました。立派ですね。洗面器ほどの大きさがあります。
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シャガです。半日陰を好む控えめな花ですが、花冠はなかなか派手。関西のオバチャンの服に通ずるものがあります。
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ミズキの花をアップで。
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