2024年 2月 小山内裏公園MAP
 
 
2024年2月7日(水)
 

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 一昨日の午後から降り始めた雪は、昨日の未明をピークに降り止み、今日は久しぶりの晴天となりました。小山内裏公園では尾根道や主要な散策路は除雪されていましたが、原っぱや林床などはまだ白銀の世界。パークセンターのある里山広場も写真のとおりでした。
 
 

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 このもふもふしたものはコブシの冬芽。起毛したキャップ状の芽鱗が被さっている状態です。今回の雪でも中の芽は平気だったでしょうね。
 コブシの名は、果実がゴツゴツしていてその形状が拳に似ているからとのことですが、漢字では「拳」ではなく「辛夷」と書きます。これは中国での別の植物の呼び名の誤用だそうです。
 
 

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 セイヨウキヅタが紅葉していました。雑草避けのグランドカバーとして公園や歩道などによく植えられています。本来は常緑ですが、寒さに晒されると赤く変色し、暖かくなるとまた元に戻るのだそうです。厳密な意味での紅葉ではないのかもしれません。
 
 
C
 木立ちのてっぺんにイカルが停まりました。あいにくの後ろ姿ですがなんとか横顔を撮ることができました。頭が黒いので雄のようです。留鳥ですが、冬によく見かけるような気がするのは、冬に木々の葉が落ちて姿が見えやすくなるからでしょうね。
 イカルはイラガの固い繭を割って中の幼虫を好んで食べるのだとか。イラガの幼虫といえば触ると激痛が走るという「野外の危険な生き物」の代表格ですが、イカルにとってはなんともないようです。それとも繭の中にいるときには幼虫は毒を持たないのか。
 
 

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 内裏池の畔りにやって来ました。ここには野生のタマノホシザクラと、それをマザーツリーとして分けた植栽のタマノホシザクラが数本あります。残念なことにそれぞれ雪の重みで枝が何本も折れていました。枝を横に張るように伸ばすので、余計に折れやすいのだそうです。
 写真はマザーツリー。折れた痕が痛々しいですが、樹幹には影響がないようなので、春には元気に花を付けてほしいです。
 
 

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 白花のヤブツバキです。ヤブツバキの花といえば紅色ですが、白花のものもあり、特に亜種とか変種ではないようです。この公園では陽当たりの悪いここ(早実グラウンドとの境)でしか見たことがありません。
 
 

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 ヒュウガミズキの冬芽です。米粒のように小さなこの芽から、春が来るとレモンイエローの花序が出てきます。名前は日向(宮崎県)に生えるミズキという意味。でもミズキ科のミズキではありません。ミズキとは関係のない〇〇ミズキって植物はたくさんあります。
 
 
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 公園の正面入口横には梅の木が数本植えられています。紅梅と白梅があり、例年紅梅の方がやや早く咲き始めます(ここだけの特性かもしれません。)。今は紅梅が五分咲き、白梅が三分咲きといったところでした。
 
 

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 この日は地面が雪に覆われ天然のレフ板の役割を果たしていて、まるで女優ライトを浴びたように特に容姿端麗でした。梅はその艶やかな姿で古くから多くの人に愛でられてきたとのこと。同様に愛されてきた桜よりも雅さでは一段格上のような気がします。
 
 

 
 
 
2024年2月14日(水)
 

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 鮎道の脇にあるカタクリ自生地。早春の芽吹きを楽しみに落ち葉かきをしました。毎年この時期に行っている作業です。
 
 

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 オオバギボウシ刮ハです。熟して乾燥すると縦に裂け、黒く平べったい種子をこぼすように落とします。
 
 

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 鮮やかなコバルトブルーの輝きを放っているのはジャノヒゲの種子。普段は葉が覆いかぶさるように茂っているので、その輝きもほとんど目立ちません。となるとこの鮮やかな色はなんのため?植物の実や種子に赤い色のものが多いのは鳥などに見つけてもらいやすくするためと聞きますが、そもそも青色は鳥にはどう見えているのでしょうか。
 
 

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 カタクリ自生地の近くにはサイハイランの小群落があります。その葉はくたっとしてはいるものの冬でも緑色を失わず、確かに生きて冬を越しているんだなと感じさせます。春が楽しみです。
 
 
D
 これはヒイロタケだと思います。並んで生えている様子が面白いです。この生え方からすると、木が倒れてから生えたということになりますね。
 この綺麗な赤い発色も、風雨に晒され次第に灰色になっていくそうです。
 
 

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 ウグイスカグラの開花一番乗り。今季初めて目にしました。この花が咲き始めると春もそう遠くないと知らされます。花の最盛期は4月、その頃には株全体に緑色の葉が茂っていると思います。
 
 

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  パークセンターの前の花壇。オタフクナンテンの葉が赤く色づいていました。この赤い葉は陽がよく当たる表側だけで、かき分けて中を見ると緑色の葉ばかりです。その色のコントラストにちょっとびっくりします。
 
 

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 クロモジ冬芽。細長い紡錘形のものが葉芽で丸っこいのが花芽です。名前は漢字で「黒文字」と書き、これは樹皮に出る黒色の模様を文字に例えたものだそう。ただ、どう見ても点にしか見えず文字のようなものではないですが。大木になったりするとそうなるのか?
 
 

 
 
 
2024年2月24日(土)
 

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 ヒノキの球果が落ちていました。果鱗の隙間が開いていて、既に種子を落とした後の状態です。よくスギと混植されているのを見かけますが、スギよりも成長が遅いといいます。
 
 

A
 こちらはスギの球果。まだ枝先に付いた状態で落ちていました。ヒノキに比べてずいぶんとげとげしいです。スギは普段は植林地でしか見かけませんが、本来は沢沿いなど湿った環境を好むのだそうです。一方、ヒノキは尾根筋や斜面などやや乾燥した場所を好むのだそう。
 
 

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 尾根道を西に向かって歩いていきます。そろそろアセビが咲き始めます。花は壺型で、下を向いて咲きますが、なぜか実になると上向きになっています。いったいいつの時点でひっくり返るのか。
 
 

C
 この公園にもカワヅザクラが何か所か植えられていて、今がちょうど満開です。
 
 

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 エノキの高いところに寄生しているヤドリギ。実が熟してオレンジ色になっていました。鳥に好まれる実です。
 
 

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 カジイチゴの若葉。早々と展開し始めていました。イチゴの仲間では葉が大きい方です。先日、この群落を保護するために、笹を刈ったり巻き付いているクズの蔓を剥がしたりしました。今年もきれいに花を咲かせてもらいたいです。
 
 
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 これはマユミの芽吹き。去年の葉が残っています。このマユミ、去年は花がほとんど付きませんでした。はたして今年はどうなるか。
 
 

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 ヤマハンノキの雄花序が伸び始めてきました。これから大量に花粉を飛ばすでしょう。ちなみに、ハンノキの花粉症というのもちゃんとあって、スギ花粉症の人の何割かはハンノキ花粉症でもあるのだそう。
 
 



 
2024年2月28日(水) その1
 

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 大きな木の根元で花を咲かせているクリスマスローズ。花壇でもないところで特に管理されている様子もないですが、毎年ちゃんと咲いています。名前はローズでもキンポウゲ科なのでバラの仲間ではありません。
 
 

A
 キリコロキリコロと鳴きながら枝にやってきたカワラヒワ。冬によく見かける気がしますが、留鳥とのこと。北日本にいるものは冬に南に移動してくるということはあるようで、必然的に冬にこの辺りで密度が高まるということはあるのかも(気のせいの可能性大)。
 
 
B
 大田切池に下りていく階段脇にロニセラの垣根があり、今がちょうど満開の時期。ロニセラにはたくさんの品種があり、花の色や姿も多彩ですが、ラッパ型の花の形がスイカズラ科の特徴を備えています。
 
 
C
 イヌコリヤナギの冬芽がほぐれ始めていました。春の息吹を感じます。イヌコリヤナギは雌雄異株で、これは雌花のようです。脱いだコート(冬芽の芽鱗)をまだ乗っけたままのものもありますね。
 
 

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 パークセンターの裏手にある通称「トンボ池」。この時間、まだ凍結しています。普段は開放していないエリアにあり、たまに観察会などが行われる場所です。去年の秋、ここでアシを除去する手伝いをしました。
 
 

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 トンボ池のすぐ近くにカメの甲羅が落ちていました。中身の部分はなく土が詰まっているように見えます。1mくらい離れたところに掘り出したような穴があり、甲羅の表面の土がまだ湿っていたことからすると、昨夜から今朝にかけて掘り出されたものと思われます。パークセンターの人に聞くと、死んだカメを埋めたことはあるが掘り出してはいないとのことで、おそらく動物が掘り出したのではないかとのこと。周囲に荒れたような跡はなく、ピンポイントで穴が掘られているのが不可解で、いったい誰が掘ったのか興味が湧きます。この辺りにいる獣で考えられるのはタヌキとかアナグマの類でしょうか。ホンドイタチがいるとも聞いたことがあるので、容疑者の一人かもしれません。
 
 

F
 シュンランに花芽が伸び始めました。フェンス脇で健気に生きています。開花は3月中旬以降でしょうか。花は黄緑色でちょっと見つけにくく、むしろ茂る葉で探した方が見つけやすいです。
 
 

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 アラカシの冬芽。側面に稜があり、三角錐や四角錐の形をしています。関東平野の森の主役は現在落葉広葉樹のコナラやクヌギなどのようですが、人間が定住する前はシラカシやこのアラカシなどの常緑広葉樹だったのだそうです。人間が生活していく上で落葉広葉樹林の方が役に立ったということでしょうね。人間がいなくなるとまた常緑広葉樹林に戻るのだそうです。
 
 

 
 
 
2024年2月28日(水) その2
 
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 トチノキの冬芽です。枝先に1個ずつ付き、高木なのでみんな見上げるような位置にあります。芽鱗がテカっているのは粘着性のある樹脂に覆われているから。防寒対策でしょうか。それとも虫に喰われないため?
 
 

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 ぷっくりとしたシャクナゲの冬芽。今にもほころびそうな感じですが、開花は5月です。ここのシャクナゲの存在はずっと前から知っていましたが、なぜかyamanekoは開花に遭遇したことはありません。その時期には園内は花にあふれ、つい忘れてしまっているのです。今年こそは花を見たいと思います。
 
 

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 こちらはそのシャクナゲの果実の殻。開裂して種子をこぼす仕組みであることがよく分かります。なかなかのアート感がありますね。リースの素材にもいいかも。
 
 
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 公園の北縁の通路沿い(内裏池から九反甫谷戸の入口辺りまで)にトサミズキが植えられていて、その中でも最も気の早い株で花序が伸び始めていました。もう少し伸びてぶら下がる形になると満開状態です。青空を背景にレモンイエローが映えますね。
 
 

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 陽光降り注ぐ九反甫谷戸。夏場は薄暗く、対照的に冬場は明るいのですが、昨年西側斜面(写真右手)のササ薮が刈り払われたこともあって、例年以上に明るく感じます。
 
 

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 ニガイチゴの冬芽もほころび始めていました。さっきのシャクナゲのような大きな冬芽も、このニガイチゴのような小さな冬芽も、遠くない春の訪れをそれぞれ感じているんですね。
 
 

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 東展望台までやって来ました。遠くに丹沢の山並みが望めます。ベンチでは日向ぼっこやストレッチをする人が。長閑ですな。
 
 

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 ヒサカキの細枝には丸い冬芽がびっしり。可愛いようなゾワッとするような。冬芽は一見枝に直に付いているように見えますが、よく見るとごく短い花柄があります。開花するとそれなりに可愛いです。