2024年 1月 小山内裏公園MAP
 
 
2024年1月4日(木)
 

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 尾根道上にある東展望台からの眺望。多摩の南端から相模の国を眺めた図です。
 
 

A
 サルトリイバラの果実です。雌雄異株で、これは雌株ということになりますが、この公園では雌株をあまり見かけないように思います。この実を見つけたときも「おっ、新年早々ラッキー」と思ったくらいです。
 
 

B
 これはヤマツツジの葉。ヤマツツジは半常緑樹とされ、春に展開して秋に枯れ落ちる春葉と、夏から秋にかけて展開し越冬する夏葉があるとのことです。紅葉している葉の中心にあるのは冬芽。春になってこの芽が伸びる頃になると夏葉は落葉するのだと思います。
 
 
C
 サザンカの落ちた花弁が地面をピンク色にしていました。花弁が一枚一枚ばらけて落ちるのでこの木の下は絨毯を敷いたようになりがちです。よく似た花のツバキの場合、花冠ごとボトッと落ちるのでこうはなりません。
 
 

D
 足元の茂みをかき分けるとコバルトブルーの宝石が。これはジャノヒゲの種子です。一見果実に見えてじつは種子、というのはヤブランと同じですね。子供の頃、短く切った篠竹の前後にこの種子を詰めて、水鉄砲の要領で飛ばして遊んでいました。結構威力があって、至近距離から撃たれると洒落にならないくらい痛かったです。昔の子供の遊びって今のご時世ではなかなかヤバいものもありました。釘を平に潰しナイフ状にして、戸板に向かって投げる手裏剣遊びとか。
 
 
E
 内裏池の谷戸の最奥に立つスギ。ダンジョン感、もしくはセーブポイント感満点です。こんなところにポツンとあるということは、何かの境界標だったのかもしれません。今年も大量の花粉を飛ばすでしょうね。お手柔らかに、です。
 
 

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 早実グラウンドとの境に植栽されているトサミズキ。ぶら下がっているのは果序で、既に開裂して種子を概ね落としきっている状態です。よく見ると上の方に黒色の種子が少し残っていました。
 
 

G
 里山広場にやってきました。今月下旬、ここでどんど焼きが行われます。コロナ禍以降、櫓の規模が縮小されましたが、それでも燃え盛る炎は圧巻です。
 
 

 
 
 
2024年1月10日(水)
 

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 公園の正面入口の右手に紅白の梅が数本植栽されています。早くも枝に蕾を膨らませつつありました。ウメは自家不稔性のものが多いと聞きます。紅梅、白梅がともに植えられているのをよく見ますが、景観上そうしているだけでなく、受粉のためということもあるのでしょうか。
 
 

A
 ソシンロウバイの蕾。こっちがウメよりも早く花を開きます。クリアなレモンイエローが冬の青空によく映えていますね。
 
 

B
 ちょっとピントがぼやけていますが、これは大田切池の水面を歩くキセキレイ。この辺りでは冬は普通に池が凍ります。この時間(正午過ぎ)なので氷は少し緩んできているかも。それにしても氷の上にはエサはいないだろうに。遊んでいるのか?
 
 
C
 寒々とぶら下がっているのはヌルデの果序。熟すと果実の表面に白いザラメ状のものを分泌し、これを舐めてみると酸味を含んだ塩辛い味がします。今の時期はもう分泌物は落ちていますが、それでも果実を舐めてみると味は残っています。昔は急場の備えとしてそれなりに利用されていたようです。
 
 
D
 野草見本園にやってきました。これはハバヤマボクチのドライフラワー。高さは1mくらいあり、枯れてもなおしっかりと立っています。
 ハバヤバボクチ、なんだか早口言葉みたいな名前ですが、漢字では「葉場山火口」と書きます。葉場山とは草刈り場のある山のことで、そのような場所に生えるという意味でしょう。火口は火打石の火花を受ける綿状のもので、この仲間の植物の葉裏に生えている綿毛を集めて作られていたものです。
 
 

 
 
 
2024年1月17日(水)
 
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 スイセンです。花茎の先端が膨らみ、中の蕾が膨らんできているのが分かりますね。一つの花茎にだいたい5個から7個の花を付けるようです。スイセンといえば、沿岸部で風雪に耐えている姿を思い浮かべますが、花冠だけみると熱帯植物のようでもあります。
 
 

A
 これはツクバトリカブトの袋果が乾燥して開裂したところ。いなり寿司に棘が生えたみたいな果実が3個寄り集まって付いています。
 
 

B
 ちょっとわかりにくいですが、これはツルニンジンの刮ハ。枯れた萼片が花びらみたいですね。もう乾燥しきって、中にあった種子もあらかた飛ばし終えていると思います。去年、夏から秋にかけてずっとこの辺りでツルニンジンを探していたのですが、ここにあったとは。
 
 
C
 イヌショウマの袋果が花茎に沿って整列していました。さっきのトリカブトの袋果と基本的に同じ構造。いなり寿司感はこっちの方が強いですね。同じキンポウゲ科です。
 
 

D
 東屋の背後の丘に上がる途中。ここは春から秋にかけて木々に覆われるところで、斜面の小道も滑りやすいです。去年、yamanekoも派手にすっ転びました。
 
 
E
 ヤブランの種子が黒々と輝いています。皮をむいたものを硬い地面に打ち付けるとスーパーボールみたいによく弾むそう。子供の頃、野山で相当いろんなことをして遊んでいましたが、これは知らなかったです。今度試してみよう。
 
 
F
 スイカズラの葉。葉を内側に湾曲させて、「忍冬」の名のとおり寒さに耐えていました。「すいかずら」は子供が花冠の奥にある蜜を吸って遊んだことから付けられた名だそうで、一方、「忍冬」は中国での表記だそうです。なぜ呼び名にしたがった「吸葛」とか「吸蔓」とかが定着しなかったのだろう。
 
 

G
 陽射しを眩しく反射させているのはナンテンです。和テイストに紅葉していますね。ナンテンはおめでたい木として、また、果実を煎じて薬とするため、昔から民家の庭先などに植えられてきました。樹皮には知覚神経末梢を麻痺させる成分が含まれているそうです。これも一つの薬効か。
 
 

H
 ワルナスビの実です。毒性のあるソラニンという物質(ジャガイモの芽にも含まれている)を含んでいて、食べると重篤な症状に陥ることがあるそうです。ワルナスビの茎や葉には鋭い棘があり、強力な繁殖力と相まって、厄介者として疎まれることが多い植物です。花はそこそこ綺麗なんですけどね。
 
 

 
 
 
2024年1月24日(水)
 
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 畑エリアの縁に植えられている菜花の一種。一般に「菜の花畑」と言われるものはセイヨウアブラナの場合が多いですが、この見た目のアブラナ科の植物は一括りに「菜の花」と呼ばれています。
 
 

A
 日当たりの良い斜面ではスイセンが開花していました。寒い中で春を待つ。この季節を彩ってくれて感謝です。
 
 

B
 これはイヌツゲの実ですね。ツゲに似るものの材が役に立たないということでイヌの名を冠しているという、よくあるパターンです。モチノキ科の木で実が黒熟するのはイヌツゲだけとのこと(他は赤色)。
 
 
C
 鮎道へ。その昔、津久井から江戸へ鮎を運んだ道だそうです。
 
 

D
 コウヤボウキは草のように見えますが樹木。羽毛のように見えるのは果序で、長い冠毛があるのでこんなふうな姿になっています。花はその年に伸びた枝の先端に1個ずつ付きます。
 
 

E
 尾根道にやって来ました。これはヒイラギナンテンの花。花序としてはまだ咲き始めです。名前は「(葉が)ヒイラギに似たナンテン」ということでしょうね。ただ、確かにナンテンと同じメギ科ですが、形態からナンテンに似ている部分は見当たらないような。分類上ナンテンの仲間だということが分かった上でのネーミングだということか。
 
 
F
 アジサイ(園芸品種)の冬芽です。なんかユーモラスですね。
 
 

G
 尾根道沿いに植えられているジンチョウゲ。この公園内ではこの一株しか見たことがありません。ところで、図鑑などでは「ジンチョウゲ」と表記されていますが、もともと「沈丁花」という漢字の音読みであることを考えると「ヂンチョウゲ」なのでは。(と重箱の隅をつつく)
 
 

 
 
 
2024年1月31日(水)
 

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 トキリマメかタンキリマメの種子。葉のないこの時期、どっちか見分けがつきにくいです。両者とも葉は3個の小葉からなっていて、タンキリマメの小葉は先端に近い方が最も幅が広く、トキリマメは小葉の真ん中の辺りが最も幅広です。
 
 
A
 去年オオタカが使っていた巣とのこと。今年も営巣するのか。ちなみに、オオタカと聞くとかなり大きな鳥と想像しがちですが、もともとタカ科の鳥のうち比較的大型のものをワシ、小型のものをタカと呼び分けているとのことで、オオタカも決して大型ではありません(トビより一回り小さい)。ただその呼び分けも厳格なものではなく、クマタカなどはワシと遜色ない大きさのようです。
 
 

B
 野草見本園のフクジュソウ。陽が当たっているときだけ開花します。漢字では「福寿草」と書き、別名「元日草」とも呼ばれるなど何かと縁起の良い花ですが、強い毒性があり、誤食で死に至る例もあるのだとか。
 
 

C
 ヤブコウジ。赤い実が色の少ないこの時期に目を引きますね。次に花を咲かせる夏頃まで枝に残っています。ところで、「藪柑子」の「柑子」はミカンの一種のことですが、何でこの名なのか。少なくとも果実にはミカンっぽさはゼロです。強いて言えば花が白色の5弁であることが似ていますが、そんな花は柑子以外にも山ほどあります。
 
 

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 東展望台にやって来ました。ここにはいい感じの雑木林があって、中にベンチが何組かあるので、気持ちいのいい休憩ポイント担っています。ただ、ここ数年、夏場にはスズメバチが頻繁に現れているので、ちょっと注意が必要です。もちろんスズメバチは何もしなければ攻撃してきません。
 
 

E
 立ち止まって見上げるとヤマハンノキの雄花序が成長してきました。まだしっかり固く締まっているようです。開花は2月下旬頃か。
 
 

F
 ハリギリの果序。線香花火のような形状です。ハリギリは高さ25mにもなる高木ですが、元はこの小さな果実の中にある更に小さな1個の種子なんですよね。成長につれ現れるヤツデのような大きな葉、幹や枝を覆う鋭い棘、桐のような良質の材。みんなその種子の中に遺伝子として準備されていると考えると、あらためて不思議です。