2023年 10月 小山内裏公園MAP
 
 
2023年10月5日(木)
 

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 早くもガマズミの実が色づいていました。図鑑によると野鳥が好んでついばむとのことですが、この公園では晩冬になって実が干からびても枝に残っていることが多いように思います。他の餌が豊富なのか?
 
 

A
 ハキダメギク。頭花の大きさは約5mmとごく小さいです。よく見ると舌状花がカメノテみたいで可愛いです。
 
 

B
 クサギの実は鮮やかな青色。ずいぶん目立つ色です。鳥は赤、緑、青に加えて紫外線も見えていると聞いたことがありますが、この青い色は鳥の目にはどのように認識されるのでしょうか。
 
 

C
 猛暑、酷暑と言っていたのが、いつの間にか秋の空に。
 
 
D
 今日はいたるところでこのヤブマメに出会いました。まさに開花のピークだったのでしょう。
 以前、ヤブマメは地中にも花を付けると聞き???となりました。花が開かない閉鎖花だそうです。確かに地中では虫は飛んで来ないので開花する必要はないでしょうが、それでもちゃんと結実するというから不思議です。
 
 

E
 今年はこのサワフタギが沢山花を付けましたが、実は疎ら。というか探すのに苦労するくらいです。しかも生育も悪そうです。本来ならコバルトブルーなのですが。猛暑が原因でしょうか(何でも猛暑のせいにする)。
 
 

F
 この草にも名前があるのかという感じですが、ちゃんとコブナグサという名前があります。葉の形が鮒に似ているからということのようですが、他にも似たような葉はたくさんあるし、そもそも鮒に似ているとは言い難いです。
 
 
G
 トキリマメの果実。よく似たものにタンキリマメがありますが、葉が落ちて種子だけの状態になると両者の区別が難しいです。トキリマメの方が若干大きいのですが、横に並べて比較しないと何とも…。
 
 

H
 内裏池近くの東屋までやってきました。これはイヌショウマ。おそらくもともとは植栽されたものだと思います。花弁は早くに落ちてしまって、多数の雄しべが目立っています。
 
 

I
 独特の甘い香りが漂ってきました。見るとキンモクセイが満開でした。以前は垣根などで見かけましたが、最近あまり見ないのはご近所への配慮か?
 
 

J
 今年はコバノカモメヅルが咲かないなと思っていたら、今頃になって花を見ました。本来は夏に咲きます。花は8mm程度で、色も暗褐色なのでつい見逃しがちですが、草刈りで誤って刈られないようロープで囲われた枠内にあったので目につきました。
 
 

K
 尾根道から里山広場への下り口にあるヤブザクラが数個の花を付けていました。これも猛暑による撹乱か。いや、過去にも何回か秋に花を付けているのを見たことがあります。
 
 

L
 体長1mほどのヘビに出会いました。体は明るい褐色で規則的に黒い斑点があり、縞模様はありませんでした。首の部分にくびれはなく頭は小さめ。顔の模様や唇の形なども合わせて図鑑で調べたところ、これはジムグリではないかという結論に。この公園では、ヤマカガシ、アオダイショウ、シマヘビを見たことがありますが、ジムグリは初めてでした。
 
 

 
 
 
2023年10月6日(金)
 

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 ガガイモの花。花冠の内側には毛が密生しています。
 ガガイモは以前はガガイモ科で、いわばその科のフラッグシップならぬ”フラッグプランツ”だったのですが、新分類体系ではキョウチクトウ科(ガガイモ属)になりました。
 
 
A
 これはカナムグラの花序です。カナムグラは雌雄異株で、写真を撮ろうと隣にあった雄株に触れたらブワッと花粉が放たれ、辺りに漂いました。秋の花粉症の原因の一つだそうです。
 
 

 
 
 
2023年10月12日(木)
 

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 イヌザンショウの実が開裂し、黒く輝く種子が顔を出しています。この公園では他にサンショウとカラスザンショウもありますが、カラスザンショウは樹形も葉も大型なので区別は簡単です。サンショウとの見分けは棘を見れば一目瞭然。サンショウの棘は枝の両側に向かい合って付いていますが(対生)、イヌザンショウは交互に付いています(互生)。
 
 

A
 平日で静かな里山広場。数羽のシジュウカラが枝を行き来していました。 正面から見ると首から腹にかけて黒い帯模様があります。緑が多ければ住宅街でも普通に出会うことができます。
 
 

B
 何かドングリがいっぱい付いてるな、何の木だろう。どの葉も小さいので初めピンときませんでしたが、よく見るとコナラでした。この公園で最もポピュラーな樹木なのに。
 何でこの時期にこんなに葉が小さいんだろう。里山広場の芝生に植えられている木なので、剪定とかが頻繁に行われ、本来の成長が攪乱されているのでしょうか。
 
 

C
 畑エリアの脇にコスモスが。秋ですね。でも原産地は熱帯アメリカだそうです。
 コスモスの名は、舌状花が整然と並んでいる様子から「秩序」(=宇宙)を意味するコスモスの言葉が当てられたとのことです。ちなみにコスモスの対義語はカオス(混沌)だとか。へぇ〜。
 
 
D
 巷ではあまり歓迎されていないセイタカアワダチソウ。これは一時期花粉が秋の花粉症の原因と言われたからですが、虫が花粉を媒介することからそれは濡れ衣であることが判明したそうです。むしろ花の少ない秋の蜜源として養蜂家には有難い花なのだとか。
 
 

E
 クマシデの果穂です。今年は秋の訪れが遅かったせいかまだ青いです。鱗のようなものが果苞と呼ばれるもので、1個の果苞に1個ずつ固い種子が付いています。秋が深まると果穂がばらけて果苞が風に飛ばされるわけですが、案外しっかりと付いていて、年が明けても枝に残っているものも多いです。
 
 

F
 鮎道のダンコウバイ。本来なら綺麗に黄葉するのですが、この木は樹勢が弱めで既に葉が痛々しく、気になっています。
 ダンコウバイはこの公園ではここにあるものしか知りませんが、サンクチュアリ内にはあるのかも。
 
 
G
 これはカナムグラの雄の花序。こちらは正真正銘花粉症の原因となる植物です。
 
 

 
 
 
2023年10月18日(水)
 
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 公園の正面入口にシンボルツリーのように立つケヤキ。ただ、園内にケヤキはあまり多くはなく、尾根道の西展望広場近くで見かけるくらいです。
 ケヤキは街路樹として多用されていて、度重なる剪定により本来の樹形を失っている場合が多いです。ここのものはケヤキ本来の樹形をしています。
 
 

A
 セイタカアワダチソウの頭花です。花弁のように見えるものは一つ一つが舌状花。みんな雌花だそうです。中心部にあるのは筒状花で、こちらは両性花。
 
 

B
 植栽のシャクナゲ。刮ハの先に花柱が残っているものもありますね。葉はホンシャクナゲに似ていますが、おそらく園芸種ではないかと思います。
 
 

C
 トサミズキの刮ハ。花が房状に付いていたので実も同様です。ゴツゴツした見た目ですね。花柱の名残がツノにようになっています。
 
 
D
 今年もツクバトリカブトが咲きました。茎の強度が弱いので何かに寄りかかるようにしなだれていることが多いです。この株は誰かが少し引き起こしたようで、ちょうど写真を撮るのに好都合でした。
 
 
E
 九反甫谷戸のウバユリ。若い実ができていました。見るからに堅そうです。秋が深まると果皮がカサカサになって3つに割れ、中の翼果が風に飛ばされる仕組みになっています。
 
 
F
 ヤマノイモのむかごです。むかごとはわき芽が養分を蓄え肥大化したもの。地面に落ちると新しい個体として成長します。昔から炊き込みご飯など食用にされていますね。
 ちなみに、ヤマノイモといえば地中にできるイモが有名ですが、これは同じイモが年々成長するのではなく、春に古いイモの先端に新しいイモができ、古いイモの養分を吸収してより大きいイモを作る、これを毎年繰り返しているのだそうです。
 
 
G
 ツリバナの実がポツンと残っていました。球形の実が5つに割れて、果皮にぶら下がるように種子が付いています。
 
 

H
 ヨウシュヤマゴボウの熟した果実。美味しそうですが有毒です。北アメリカ原産で、明治初期に移入されたものだそうです。この実を潰すと紅紫色の汁が出るので、アメリカでの呼び名はインクベリーだとか。
 
 
I
 青空を背景にカラスウリの赤が映えていますね。秋が深まりつつあります。
 
 

 
 
 
2023年10月25日(水)
 

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 ゴンズイの実は「袋果」と言われる形状。袋果の細かい定義はありますが、読んで字のごとく袋状をしていて、裂ける際は一か所線状に開くのが特徴です。植物の果実には他に刮ハ(ツツジ)、翼果(カエデ)、豆果(フジ)、堅果(カシ)、液果(ブドウ)など多くの種類があり、まぎらわしいものも多いので難しいです。
 
 

A
 秋の七草のうちの一つ、フジバカマです。野生のものに出会うのはなかなか難しいと聞いたことがあります。写真のものは植栽です。よく似たヒヨドリバナはこの公園内でもあちこちにあるのに。
 
 

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 マツカゼソウの花。4弁の花で大きさは8mmほどとごく小さいです。松風とは松林に吹く風のことで、枝を鳴らすような風のことだそうですが、これがマツカゼソウの名前に関係しているのでしょうか。イメージ的にこの花を揺らすのはそよそよとした風のような気がします。
 
 

C
 ホソバシュロソウ。黒褐色の花というのは珍しいですね。アオヤギソウの変種だそうです。花冠の中央に若い実ができつつあります。
 
 

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 これはカラスノゴマの果実。よく見ると表面が細かい毛で覆われています。
 
 
E
 ヤマハッカの花は唇形花という形状で、ルーペなどで拡大してみると、上唇は4つに裂けていて、下唇は裂けずに舟形になっていることが分かります。この形にも何らかの意味があるんでしょうね。
 
 

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 ノコンギク。舌状花の色から付けられた名前ですが、ごく薄い青紫色をしていて紺色とは程遠いです。群落を作りやすいのは、地下茎を横に伸ばしあちこちから新芽を出すからだそう。キクにも地下茎を持つものがあるんですね。
 
 

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 正月用などおめでたい植物として用いられるセンリョウ。マンリョウやヤブコウジなどのおめでたい仲間内で唯一果実を上に向けて付ける植物です。ちなみに、この果実は核果というものだそう。核果は、種子を覆う内果皮という部分が木化して核になっているのが特徴で、代表的なものとしてはモモなどがあるそうです。
 
 
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 尾根道に上がってきました。そこでいい香りを放っていたのはヒイラギモクセイ。ギンモクセイとヒイラギの雑種だそうです。確かに葉がヒイラギの葉にそっくりです。花はギンモクセイに似ていますが、付き方が密です。香りはキンモクセイの香りにミルクテイストを加えたような感じがしました。