2023年 8月 小山内裏公園MAP
 
 
2023年8月3日(木)
 

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 猛暑の日中を避け早朝の散策に出かけました。朝5時台で若干眠いです。
 まずは野草見本園へ。コバギボウシが咲いていました。紫色の濃淡で描かれたストライプが涼しげです。
 
 
A
 カリガネソウの株が繁ってきて、その先端に数個の花が付いていました。花の形を雁が鉤形の編隊で飛ぶ姿に見立てたものとのこと。うーむ、着想が独特ですね。これから初秋にかけて咲き続け目を楽しませてくれます。
 
 

B
 アメリカイヌホオズキの花。奥には実ができていますね。熟すと黒くなります。 はるばる北アメリカからやって来て日本に帰化した開拓者です。
 
 

C
 園の西端にやって来ました。ここからは奥多摩の山々を臨むことができます。奥多摩三山(三頭山、御前山、大岳山)の他、鷹ノ巣山、飛龍山などの姿が一望に。目を凝らせば東京都最高峰の雲取山も見えます。
 
 

D
 シラカシの若い実です。ブナ科の植物の実はその年の秋に成熟するものと翌年の秋に成熟するものとがあり、シラカシは「その年派」。あと2、3か月でおなじみのドングリになります。ちなみに両派を表にまとめると…、
その年の秋 翌年の秋
ブナ属 ブナイヌブナ
コナラ属 コナラナラがシワミズナラカシワアラカシシラカシイチイガシ クヌギアベマキウバメガシアカガシツクバネガシハナガガシウラジロガシ
マテバシイ属 マテバシイシリブカガシ
シイ属 スダジイツブラジイ
クリ属 クリ
   茶色は落葉樹 緑色は常緑樹
  常緑樹に翌年派が多いような。葉は栄養製造装置でもあるので、長持ちするしっかりした葉を持っている常緑樹は、 実もじっくりと育てることができるということでしょうか。落葉樹としては冬までに葉を落とすので、それまでに実を実らせきるとか。でも、それぞれ例外があるのでそういうことでもないか。

 
 

E
 植栽のシモツケ。花の盛りをやや過ぎたあたりでしょうか。その中でもまだ綺麗に咲いているものを。そういえばあまり野生のものを目にしませんが、20年くらい前に広島県の山中で出会ったことが記憶に残っています。未だに思い出すということは印象的な出会いだったのだと思います。
 
 

 
 
 
2023年8月10日(木)
 

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 タケニグサの花。ちょっと盛りを過ぎたあたりか。なかなかアップで見ることはありません。
 
 

A
 エノキの実がずいぶん色付いてきました。黒熟したら食べてみようと思います。
 
 

B
 時刻は午後2時。ミンミンゼミが全身で鳴いていました。命を削るかのように。
 
 
C
 園の東端にある小さな池にやって来ました。ヒメガマの果穂が褐色になっています。棒状に見えますが、羽毛のような実が高密度でギュウギュウに寄り集まっている状態です。なので、どこか一か所が崩れると、ぼろぼろと砕けてしまいます。
 
 

D
 ナンキンハゼ。今は葉も実も緑一色ですが、秋には燃えるような紅葉が美しいです。また、実は黒く熟し、冬にはその殻がはずれて、中の白い蝋質の種子が露わになります。
 
 
E
 藪の中、ポッと灯りが点るようにオオキツネノカミソリが咲いていました。雄しべが花冠から飛び出しているものがオオキツネノカミソリ、飛び出していないのがキツネノカミソリです。
 
 

F
 クサギの花。こちらは雄しべが飛び出しすぎです。純白のものが咲いて間もない花。時間が経つとクリーム色になっていきます。
 
 
G
 ヤブミョウガに実が付いていました。若いときは緑色。それが水色になり、黒く熟していきます。
 
 

H
 九反甫谷戸へ。タマアジサイが開花の時期を迎えました。
 
 

I
 ヤマボウシの実が多少色付いてきました。水気の少ないイチジクみたいな味で美味しいのですが、完全に熟す前に落ちてしまうものも多いです。
 
 
J
 園の正面入口へ。コオニユリにムカゴができていました。きれいに葉腋ごとに付いています。
 
 

K
 タカサゴユリはシュッとした姿をしています。和装美人を彷彿とさせますね。
 
 

 
 
 
2023年8月15日(火)
 

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 台風7号が列島に接近中。余波で関東地方も熱風が吹いています。アブラゼミの鳴き声も若干バテ気味か。
 
 

A
 こちらはツクツクホウシ。鳴き声が途中で転調する面白いやつです。鳴いているのはオスで、鳴き声に対して他のオスが合いの手を入れるのだそうです。
 
 
B
 野草見本園のハバヤマボクチ。ハバヤマ(葉場山)とは草刈り場のある山のこと。ホクチ(火口)は火打石の火花を受けるモグサのようなもののことです。火口はハバヤマボクチやその仲間の葉から採れます。茅刈りをするような山によく生えていたんでしょうね。
 
 
C
 エゴノキの実です。今年は園全体的に実の付きが良くなかったような。
 
 

D
 鮎道へ。イガイガして触ったらいかにも面倒くさそうなヤブマオ。イラクサ科です。(イラクサという名前も、触ったらチクチクした繊維が肌に残りイラっとするからという、なんともストレートなネーミング)。
 嫌われ者かと思いきや、かつては茎の植物繊維から糸を紡いだのだそうで、人間に利用されてきた植物のようです。
 
 
E
 そのヤブマオの雌花序。ごく小さな花が球状に寄り集まっています。
 
 

F
 これはヤマノイモの雄花序。まだ蕾のようにも見えますが、開花してもこの程度です。葉は対生。仲間のオニドコロなどは互生で、見分けるポイントです。
 
 

G
 これはガンクビソウです。頭花が煙管(キセル)の雁首に似ていることから雁首草。鮎道に多く、この仲間のヤブタバコと勢力を競い合っています。
 
 

 
 
 
2023年8月25日(金)
 
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 イヌザンショウの果実が実ってきました。よく見ると実の表面に小さな凹凸があります。
 
 

A
 ヤブタバコ。茎の先端で枝を水平に伸ばします。四方に伸びた枝の様子はまるでヘリコプターの羽根のよう。
 
 

B
 その枝にびっしりと花を付けます。花柄がほとんどないので密生している感があります。頭花の先に黄色の筒状花がちょっと見えていますが、開花してもほとんどこの状態で、大きく開くことはありません。
 
 

C
 尾根道に上がってきました。ホオノキの大きな葉が半分に折りたたまれるようになっていました。木の上の方の葉に多く見られます。あまりの光の強さに、葉をたたんで身を守っているのではないでしょうか。
 
 
D
 園の正面入口にやって来ました。これはオオアレチノギク。空き地に生える草の代表選手です。道端にも普通に生えているので、多くの人は目にしていると思いますが、印象に残らない植物です。
 
 

E
 オオアレチノギクの花と実。一見咲いている花のように見えるのが実(タンポポの綿毛と同様)。蕾のように見えるのが開花状態の花です。
 
 
F
 野草見本園へ。ヤブミョウガの実です。行儀良く並んで付いています。これから咲く花もちょっとありますね。
 
 
G
 お盆は過ぎましたが「盆花」。ミソハギです。今年は株の勢いが弱かったのか、花数が少なかったです。
 
 

 
 
 
2023年8月30日(水)
 

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 樹上の珊瑚。クマノミズキの果序です。まだ実は青く、これから黒く熟していきます。晩秋にはこの赤い枝ごと落ちるので、山で下を向いて歩いていてもこの木があるのがすぐにわかります。
 
 

A
 ヤマハギ。山野で最もよく見かけるハギだそうで、秋の七草のうちの一つです。こも残暑で秋の…といわれてもピンときませんが。ちなみに七草のうちこの公園内で見たことのあるのは、ヤマハギ、ススキ、クズ、オミナエシ、キキョウの5つ。カワラナデシコとフジバカマは記憶にありません。
 
 

B
 これはオトコエシ。七草の一員オミナエシの仲間です。オミナエシの漢字表記が「女郎花」であることに対して「男郎花」の字が当てられています。オミナエシに比べて全体的にがっしりした印象です。
 
 
C
  ごく小さいキツネノマゴの花。大きさは8mmほどです。唇形花で、紫色の下唇が目立ちますが、よく見ると白く小さい上唇があり、雄しべや雌しべはそこにあります。目立つ下唇に虫を呼び、奥に入ろうとする虫の背中に花粉を付ける仕組みですね。
 
 

D
 ホソバシュロソウ。本来は花被片は暗紫褐色をしていて、この株も例年その色の花を付けるのですが、なぜか今年は緑色。アリがたくさん花に来ていたので蜜を出す成熟した花になっていると思うのですが、不思議です。
 もともとシュロソウはアオヤギソウ(緑色の花を付ける)の変種とされていますが、これではアオヤギソウそのものみたいです。
 
 

E
 クサギの花序。濃いピンク色のものは萼片がホオズキの袋状になっているもの。花はこの萼片から突き出るように咲いていましたが、既に落ちてしまっていて、今はこの袋の中で実ができつつある段階です。秋になると萼片が星型に開き、中からコバルトブルーの実が姿を現します。
 
 
F
 センニンソウが咲き始めました。白い萼片(花弁のように見えるもの)が日差しをはね返していて、残暑に負けない花という印象です。
 よく似ているものにボタンヅルがありますが、葉の形を見れば一目瞭然。センニンソウの葉はギザギザのない全縁。ボタンヅルは(牡丹の名が付くように)葉に大きな鋸歯があります。