2023年 5月 小山内裏公園MAP
 
 
2023年5月3日(水) その1
 
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 日向を好むニワゼキショウ。一日でしぼんでしまいますが、辺り一面に広がった花が次々に咲いていくので、ずっと咲いているように見えます。
 
 

A
 イヌガラシ、だと思います。スカシタゴボウやミチバタガラシなどもよく似ているのですが、図鑑を片手に写真をよく見ると、それらとは葉や花の付き方が違うような。
 
 

B
 これはカンアオイか。葉陰でひっそりと咲いていました。
 
 
C
 コウゾリナ。漢字では「髪剃菜」と書きます。髪剃はカミソリのこと。葉や茎に剛毛が生えていて、触ると手が切れそうというネーミングのようです。でも、実際にはカミソリというよりタワシという感触ですが。
 
 


D

 東展望広場へやって来ました。これはキツネヤナギの若い実ではないかと思うのですが。 
← バッコヤナギのよう。
 
 

E
 早くもスイカズラが咲き始めていました。寒い冬を耐え忍び、伸びやかに花開いています。
 
 
F
 行儀良く対になって並ぶ葉。ぱっと見、ヤブニッケイかとも思いましたが、葉脈の様子が違います。調べてみるとトウネズミモチのようでした。
 
 

G
 フタリシズカです。奥の方の花は花序が2本ですが、手前のものは4本も。名前に反し賑やかです。
 
 

H
 ヤマツツジの花期もおおかた終わってしまいました。ミツバツツジの紫色の花も綺麗ですが、野山にはこの朱色の方が似合っている気がします。



I
 園の東端にある草地広場へ。クスノキにはたくさんの蕾ができていました。若葉もまだしなやかです。
 
 
J
 原っぱでよく見かけるヘラオオバコ。葉柄を引っ張り合う遊びをするオオバコの方は葉が丸っこいですが、この花の葉はへら状なのでヘラオオバコです。また、背丈はオオバコより圧倒的に高いですが、逆に花穂は短く、ずんぐりとしています。
 
 
K
 オオニワゼキショウ。ニワゼキショウと一緒に見かけることが多いです。背丈は20cmから30cmあって名前のとおりニワゼキショウより大型ですが、花は一回り小さいです。写真のものには実ができていますね。
 
 

 
 
 
2023年5月3日(水) その2
 

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 草地広場の北側入口付近に花壇(私設?)があり、そこに初めて見る植物がありました。調べてみるとこれはハッカクレンという中国原産の花で、観賞用に入ってきたもののようです。葉はフリスビーくらいの大きさがあり、ハスの葉を八角形にしたような形をしていました。
 
 

A
 これはアカシデの若い果穂です。よく似るイヌシデとの見分け方は、葉の先端が細く伸びるところなど。
 
 

B
 ハリエンジュ。この公園では尾根道の西端、東展望広場脇とここ多目的広場にあります。北米原産。砂防用などで各地に植栽されていて、野生化しているものも多いとか。養蜂家にとってはありがたい木です。
 
 

C
 シソバタツナミが花を付けていました。葉の裏が紫色を帯びるのが特徴ですが、そうでないものもあったりします。
 
 
D
 エビネの群落に出会いました。畳半畳分が2か所ほど。以前からあったのでしょうが全く気がつきませんでした。陽を遮っていた木々を伐採したからかもしれません(単なる注意力不足かも)。
 
 

E
 内裏池。水面に覆い被さる梢の下でアオサギがじっと佇んでいました。この池に魚はいないと思うのですが、カエルとかザリガニとかを狙っているのでしょうか。
 
 

F
 今年に入ってから、サンクチュアリ内も含めて木々が大胆に伐採され、鬱蒼とした森が開かれています。ここ津島谷戸もこのとおり(フェンスの隙間から撮っています。)。開園から20年が経ち、木々も繁ってきたのでしょうね。もともと里山の谷戸は耕作地や柴刈り場として奥まで人の手が入っていたのですから、このくらいで良いのかもしれません。
 
 

G
 ブタナ。ヨーロッパでは普通に食用だそうです。日本での名前は何だか飼料のよう。
 
 

H
 ほとんど注目をされることなく路傍に咲いているトウバナ。花穂を塔に見立てた名前です。花の大きさは5、6mmとごく小さく、それがまばらに付きます。
 
 
I
 ヨーロッパ原産のコバンソウ。明治時代に観賞用として移入されたものだそうです。子どもの頃、小穂が風に揺れる姿を見て何だか気味悪く思ったことを覚えています。見ようによっては三葉虫みたいです。
 
 

J
 独特な形をしているユリノキの葉。その形が上着の半纏(はんてん)に似ているのでハンテンボクとも呼ばれています。yamanekoとしては半纏というより奴さんですね。
 
 

K
 ホオノキの花冠。「冠」と呼ぶにふさわしい立派さです。開花時に雌しべ群を取り囲んでいた雄しべが、既にバラバラと脱落していますね。
 
 

 
 
 
2023年5月8日(月)
 

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 クマシデ。この時期果穂に目が行きがちですが、葉にも注目です。くっきりとした葉脈が異常に多くあって特徴的です。
 
 

A
 ミツバウツギに実ができていました。まだ未熟で薄っぺらいです。
 
 
B
 サイハイランの花茎がスーッと伸びてきました。もうじき開花です(最も下に付いている花は開花しています。)
 
 

C
 この公園にはエゴノキが多くあります。それが一気に咲き始めました。一つの木に付く花数が多いので、遠くから見ると雪が積もっているようでもあります。
 
 

D
 パークセンター前の展示スペースにネモフィラが植えてありました。涼しげです。子どもが幼稚園で付けていた名札がこんなデザインでした。
 
 

E
 これはムラサキサギゴケ。変わった形ですが、これでも5弁の花。上の2個は小さく前に突き出ていて、下の3個は唇状に垂れ下がっています。黄色の斑紋は昆虫から見つけてもらいやすいようにアピールしているものとか。ちょうどそこに短い毛が密生していて、昆虫が止まりやすいようになっています。
 
 

F
 クスノキが花を付けていました。葉もすっかり生え替わり、木全体が若々しく感じられます。
 
 
G
 大田切池にやって来ました。もうカキツバタが咲いています。なんとなく梅雨時の花といったイメージなのですが。
 
 

H
 ハコネウツギ。花筒が急に角張って太くなっているのが特徴。尾根道にあるニシキウツギなどはその部分がシュッとラッパのように滑らかに広がります。
 
 

I
 スイカズラは今が盛り。花には芳香がありますが、夜になるとその匂いが強くなるのだとか。夜行性の蛾を呼ぶためだそうです。
 
 
J
 サイハイラン。見ようによっては枯れた植物のようでもあります。
 
 

K
 ナワシロイチゴの花。開花後の萎んだ姿ではなく、これでも開花状態です。
 
 
L
 3か所目のサイハイラン。これは散策路沿いではありますがなかなか人目につきにくいところにあります。いい姿をしていますね。
 
 

M
 ノイバラの花。良い香りがします。香水の原料にもなるのだそうです。
 
 

 
 
 
2023年5月10日(水)
 
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 2日前に見たサイハイラン(5月8日B)。開花が進んでいます。こういう花が毎年咲くということは、ここの自然がある程度健全だということなんでしょうね。
 
 
 
2023年5月16日(火)
 

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 花はトウグミにそっくりでしたが、実ができてみると長さ約2cmとかなり大ぶり。トウグミを元に改良されたダイオウグミだと思います。
 
 

A
 ハコネウツギ。長く箱根には自生していないと言われていたそうですが、その後自生が確認されたのだとか。元の名付けはどうやって?
 
 

B
 早くもイロハモミジに実ができていました。竹とんぼの羽根のような形に翼果が2個つながっています。結合部にぷっくりと膨らんだ部分があり、そこに種子が入っています。秋に熟して落ちるときには、2個が分離し、種子の部分を錘として、翼を回転させながら風に吹かれて遠くに着地するという寸法です。
 
 
C
 ガマズミが咲き始めました。園東側の尾根道沿いに多く植栽されています。
 
 

D
 サイハイランが満開状態に。花冠をアップで見ると、破れた傘を閉じたときのような姿をしています。
 
 

E
 内裏池へ。ミシシッピアカミミガメの子ガメが水面にプカプカ浮いていました。体長は10cmほど。昔縁日で売っていたミドリガメの成長した姿がこれです。
 
 

F
 ハンショウヅルの果実。細長い紐状のものがそれで、根元の部分で種子が成長します。写真奥に写っている三つ葉がハンショウヅルの葉です。
 
 

G
 クサギの若芽。ちょうど陽が当たって、葉の表面のうぶ毛が光っています。
 
 
H
 ニガイチゴの若い実。成熟すると木イチゴのような姿になり、食べるとなかなか美味です。
 
 

I
 アカツメクサ。小さな花が寄り集まって球形になっています。大きさはピンポン球を一回り小さくしたくらい。
 
 

J
 こちらはシロツメクサ。アカツメクサと比べて小振りで、花の付きもやや疎らです。クローバーの花ですね。
 
 

 
 
 
2023年5月17日(水)
 

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 南広場脇にヤマホタルブクロの小群落があります。例年、数メートル先にはホタルブクロも咲きますが、こちらの方はまだのようでした。交雑とかしないのだろうか。
 
 
A
 大田切池の畔にイボタノキがあり、今まさに花期の盛りを迎えていました。白磁のような質感の花です。
 
 

 
 
 
2023年5月24日(水)
 

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 キンシバイ。小山内裏公園に向かう階段脇に毎年咲きます。
 
 

A
 ドクダミの花冠をアップで。穂状になっているのが花が集まっているところです。薄黄色のものが雄しべの葯、白い三つ叉になっているものが雌しべの柱頭です。花弁はありません。
 
 

B
 シラカシの若葉。まだ色も淡く、しなやかです。シイ・カシ類の常緑樹の葉は成長すると濃緑で硬くなりますが、展開当初はこんな感じなんですね。
 
 

C
 いきいきとしたサンショウの葉。鼻に近づけるとあの独特の香りがしました。
 
 
D
 アメリカフウロに実ができていました。上に突き出た部分に種子が入っていて、熟すと鞘が縦に裂けて上にめくれ、種子を飛ばします。近縁のゲンノショウコも同様で、めくれた後の様子が神輿の飾りのようだとして、別名を「神輿草」ともいいます。
 
 

E
 ニワトコです。実ができていますね。ニワトコといえば「接骨木」の別名を持つとおり、骨折の際の湿布薬(葉や茎を煎じ詰めて水飴状にしたもの)として利用されてきたことが有名ですが、実も果実酒の材料になるそうです。
 
 

F
 ミズキの若い果実。棚状に広がった枝の先にびっしりと付いていました。
 
 

G
 これはメヤブマオの葉。一応雌雄同株ですが雄花序を付けない株が多く、ほとんどが雌花序のみで無性生殖によって増えるのだそうです。その花は夏から秋にかけて咲きます。
 
 
H
 タケニグサが伸び始めました。成長すると人の背丈を超えるくらいになり、茎も竹のようにしっかりとしたものになります。
 
 

I
 オオバギボウシの葉ですね。この時点で葉身の長さは30cm弱でしたが、まだもう二回りは大きくなると思います。
 
 
J
 鮎道で思いがけずテイカカズラの花に出会うことができました。そうめずらしい植物ではありませんが、この公園では少なく、園の東側で花を付けていた株が数年前に枯れてしまい、しばらく見かけないでいました。少し嬉しいです。
 
 

K
 サルトリイバラの葉も生き生きとしていました。yamanekoの田舎では端午の節句にこの葉で餡餅を包んで蒸したものを食べていました。「マキ」とか「チマキ」と呼んでいましたが、形状的には柏餅に相当するものだったと思います。
 
 

L
 シュロの雌花序。雌花序には両生花と雌花が付くそうです。写真はもう花の時期は終わり、若い果実ができているところです。
 
 

 
 
 
2023年5月30日(火)
 

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 野草見本園。これはツルマンネングサでしょうか。古い時代に中国から渡来したものといわれています。ここでは、植えたものというより雑草的に生えているのでは。
 
 

A
 ホタルブクロ。花の色には変化があり、白いものもあります。
 
 

B
 頭上を覆うトチノキの葉。初夏の陽を透かしています。
 枝先に付く葉は羽団扇のような形で、ホオノキの葉の付き方によく似ています。ホオノキの方が一回り大きいですが、トチノキの場合羽団扇のような部分全体で1個の葉なので、一つずつが1個の葉であるホオノキより圧倒的に大きいということになります。
 
 

C
 クワの実が黒く熟し始めましたが、なぜだか実が通常の3分の1くらいの大きさです。園内の他のところにあるクワも熟す前に枯れてしまっていたり、今年は生育が良くないようです。
 
 

D
 森の中へ。ホウチャクソウに実が付いていました。この形から密教法具の三鈷杵(さんこしょ)を連想しました。
 
 

E
 この時期森の中で頭上を見上げると清々しい気持ちになれます。これはヒメコウゾ。他の植物もそうですが、葉が重ならないように付いているのが分かりますね。
 
 

F
 ニガイチゴの実が熟していました。名前に反して美味いです。
 
 

G
 なんてことはないクズの葉。見かけても気にもとめませんね。3つの小葉がセットで1個の葉です。全体の輪郭が先端の小葉の形に似ているのが面白いですね。
 今は陽射しに対して垂直に葉を広げていますが、夏の炎天下ではそれぞれの小葉の角度を陽射しに対して平行になるように調節するというから不思議というか賢いというか。
 
 

H
 これはチゴユリ。先端に実を1個付けます。これからもっと丸くなり、秋になると黒く熟します。
 
 

I
 林のちょっと薄暗いところでお目にかかるギンリョウソウ。葉緑素を持たないので純白です。光合成で栄養を作れないので、腐葉土から栄養を得ているとのことです(腐生植物)。この姿からキノコと勘違いしている人もいるでしょうね。
 
 
J
 ネズミモチが花を付けていました。「ネズミ」は実がネズミの糞に似ているから、「モチ」は葉がモチノキに似ているからだそうです。もっと他のネーミングはなかったのでしょうか。綺麗な花なのに。
 
 

K
 うっかりしている間にウツギの盛りの時期が終わってしまっていました。最盛期にはもっと花序が長いです。これがいわゆる「卯の花」ですね。 ♪卯の花の匂う垣根に杜鵑(ホトトギス)早も来鳴きて…、ちょうどこの時期ホトトギスも盛んに鳴いています。
 ウツギと名の付く植物は数多くありますが、これが本家本元。、多摩丘陵で見かけるコゴメウツギやハコネウツギ、ツクバネウツギなどは他人です。ウツギの仲間としてはマルバウツギがあります。
 
 
L
 ウツギの近くで、花を付けるほど成長したテイカカズラの株を見つけました。ツル性なので樹木に巻き付いていると目の敵にされがちですが、この花を見るとむやみにぶった切ったりはできませんね。