2022年 6月 小山内裏公園MAP
 
 
2022年6月4日(土)
 

@
 南広場の入口にあるイヌザンショウ。やっぱりサンショウとは少し違う趣です。
 
 

A
 ヤマホタルブクロです。ホタルブクロとの見分けは萼の切れ込み部分の形状で。
 
 

B
 で、こちらがホタルブクロ。さっきのヤマホタルブクロからほんの数mのところにありました。
 
 
C
 タケニグサが伸び始めました。今はまだ華奢な感じですが、成長すると茎が太くなり、がっしりとした姿になります。
 
 
D
 野草見本園へ。キヌタソウが咲き始め。花の大きさは5mmに満たないサイズ。昔一世を風靡した「星の砂」みたいです。
 
 
E
 いつも見過ごしがちなタデ科の植物。これはギシギシです。よく似たスイバとの見分けは、葉の基部の形、葉裏の葉脈模様、茎葉の付き方で。ギシギシは、丸っこい、網目、葉柄あり。スイバは、尖っている、筋状、茎を抱く。という感じです。
 
 
F
 再び野草見本園へ。茂みの中にサイハイランを見つけました。ちょっと距離があったので望遠でもこれが精一杯。花は盛りをやや過ぎたあたりでした。
 
 

G
 尾根緑道に上がって西へ。植栽のアジサイがいきいきと咲いていました。
 
 

H
 硬い髯に覆われた実はヤブジラミのもの。この実を衣類に付くシラミにたとえて付けられた名前だそうです。野山や道端で普通に見かけます。
 
 
I
 オオバコの花序。花は下から咲いていきます。まず雌しべが先に成熟し、右の花序でいうと先端部分の赤紫色の点々がその雌しべです。雄しべは遅れて成熟していき、花序の下半分は既に枯れて褐色になっていて、その上の白い部分が今成熟している雄しべです。この先、左の花序のように先端部まで成熟していきます。
 
 

J
 ニワトコに実が付いていました。開花から結実までがけっこう短いです。
 
 

K
 これはメヤブマオでしょうか。花序が伸びればヤブマオとの見分けも付きやすいですが。葉の基部が直線的なのでここはメヤブマオということで。
 
 

L
 ケキツネノボタン。田んぼの雑草というイメージですが、こうやって丘陵地でも結構見かけます。
 
 

M
 尾根緑道。梅雨入り前の陽射しです。
 
 

N
 カクレミノの幼木。「天狗の隠れ蓑」から付けられた名前でしょうが、葉の形からは「天狗の羽団扇」ですよね。
 
 

 
 
 
2022年6月11日(土)
 

@
 クリの花。房状になっているのは雄花。雌花はその根本にあって、なんとなく栗のイガの形をしています。
 
 

A
 ギンリョウソウ。キノコに間違われがちですが、れっきとした被子植物。葉緑素を持たない純白の姿で、花冠の中にはブルーアイが隠れています。雌しべの柱頭ですが。
 
 

B
 これはナンキンハゼの若い花序。まだ硬く締まっていて、もっと長く伸びていきます。
 
 

C
 まだスイカズラが咲いていました。盛りは5月初旬くらいなんですが。別名を「金銀花」といい、ちょうど金と銀とが仲良く並んでいます。
 
 

D
 直径3mmほどの小さな花が数個寄り集まって咲くヤブジラミ。涼やかな姿をしています。
 
 
E
 アカネ。4個の葉を十字対生に付け、すっくと伸びるので、よく目立ちます。「茜色」という言葉の元となった植物です。これのどこが茜色なのかというと、根。根が赤いから「赤根(あかね)」なんでしょうね。きっと。
 
 
F
 伐採されたコナラの枯れ枝にシロキクラゲが生えていました。なかなかの珍品なのだそうです。
 
 

G
 これはニガイチゴの実ですね。名前は「苦苺」ですが、甘くてジューシー。ちゃんと美味しいです。
 
 

H
 ツリバナに若い実ができていました。秋には朱色に熟してパカッと4つに割れ(既に筋が付いている)、中の種子をぶら下げます。
 
 

I
 ヒメジョオン。よく似たハルジオンから遅れること1か月くらいで咲き出します。開花時期だけでなく、葉の付き方でも見分けられます。ヒメジョオン=葉柄あり、ハルジオン=茎を抱く。あと、茎を輪切りにしたときに、髄が詰まっているのがヒメジョオン、中空なのがハルジオン。
 
 
J
 高さ50cmくらいの花茎の上に花序を付けるヘラオオバコ。「ヘラ」というのは葉の形がへら状だからです。背が高いのは花粉を遠くまで飛ばすのに有利ですね。
 
 

K
 タカトウダイ。まだ若く、花序が伸びきっていません。タカトウダイの花はいったいどの部分なのか。調べてみると、なかなか面白いです。
 
 

L
 ムラサキシキブの花は薄紫色。花筒から雄しべと雌しべが飛び出していますね。奔放です。
 
 

M
 植栽のキンシバイ。見事な色合いですね。名前のとおり花冠の中央に金糸のような雄しべが多数あります。公園でよく見かける花です。
 
 

 
 
 
2022年6月18日(土)
 

@
 ムラサキシキブの葉が穴だらけです。これはハムシの仲間(ジンガサハムシなど)の仕業でしょう。ムラサキシキブの葉を好んで食べます。
 
 

A
 そのムラサキシキブの花をアップで。
 
 

B
 ナンテンの花序。下の方から咲いていきますが、花冠の白い花被片はすぐに落ちてしまうので、花序全体が咲いている状態はなかなかお目にかかれません。
 
 
C
 イチヤクソウです。一番下の花冠が咲き始めたところですね。
 
 
D
 こちらはオオバジャノヒゲです。種子はパチンコ玉を一回り小さくしたサイズの球形で、濃いコバルトブルーをしています。
 
 

E
 クマノミズキの花序。よく似たミズキの開花から1か月程度遅れて咲きます。
 
 

F
 芝生広場近くの斜面でミシシッピアカミミガメがジタバタしていました。どうやら穴を掘っているようです。調べてみると、これは産卵の準備のよう。もしかしたら産卵後だったかもしれません。けっこう水辺から離れたところで産卵するようです。確かに大田切池からは50mくらい離れていて、しかもずいぶん坂を上った場所です。ちなみに、子ガメは孵化した後も地中で過ごし、翌春になって出てくるのだそうです。
 
 

G
 ホタルガ。赤い頭と黒い羽根がホタルの色合いに似ているという意味の名前でしょうか。白い帯模様がV字なのが特徴。よく似たシロシタホタルガはこの帯が水平に近いです。
 
 

H
 野草見本園へ。これはセリバオウレンの刮ハです。もう種子は落ちきっているでしょうね。花は早春に咲きます。
 
 
I
 コバギボウシ。涼しげな花ですね。葉に斑が入っていたので園芸種なのかもしれません。
 
 
J
 ウツボグサが咲くともう夏も近いです。靫(うつぼ)とは矢を持ち運ぶための収納具の名前です。
 
 

 
 
 
2022年6月26日(日) その1
 

@
 梅雨明けしたかのような炎暑。水分補給しながらの散策です。尾根道を越えて里山広場に下りていく階段脇にオトギリソウが咲いていました。その一角はロープで囲われ保護されていました。
 
 
A
 オトギリソウから数歩下ったところにはチダケサシが。こちらもロープ内でした。
 
 

B
 チダケサシの花序をアップで。5弁の花であることが分かりますね。一つの花としては直径5mmくらいの大きさです

 
 

C
 野草見本園へ。このサキソフォンのようなものはウマノスズクサの花。食虫植物みたいな外観ですね。中はどうなっているかというと、こんな感じ
 
 

D
 そのウマノスズクサの葉をムシャムシャと食べているのはジャコウアゲハの終齢幼虫。ジャコウアゲハはウマノスズクサを食草とする蝶なのです。この他に少なくとももう1頭見つけたので、次は蛹の状態でいるのを見たいです。
 
 

E
 ノカンゾウ。林の縁に咲いているイメージが強いです。蒸し暑い夏の夕方とか、蝉時雨が一瞬止まったときにこの花に出会うと、ちょっと冥界への入口に立ったような雰囲気を感じたりします。
 
 
F
 アキノタムラソウです。「秋の」といいつつ夏前から咲いていたりします。ちなみに「夏の」も「春の」もあるとのこと。ということは、少なくとも咲く時期での分類ではないということですね。
 
 

G
 草見本園の先の藪に豪勢な花が。ヘメロカリスという園芸種です。さっきのヤブカンゾウに雰囲気似ていますが、両者ともワスレナグサ属(別名をヘメロカリス属)のようです。
 
 

H
 このイカ飯というかイカ徳利みたいなものはロウバイの偽果。本物の果実はこの中に数個入っています。中はこんな感じ
 
 

I
 ナツツバキはその名のとおり夏の花。同じツバキ科のヤブツバキが常緑なのに対し、ナツツバキは秋に紅葉しその後落葉します。花の色も紅白で対照的ですね。
 
 
J
 再び野草見本園へ。トモエソウがまだ開花していました。今年は時期を逃してしまったかと思っていたのですが。花冠を上から見るとスクリューのような五つ巴の形になっています。
 
 

K
 尾根緑道に戻ってきました。ミズキにはもう若い実が。この時期クマノミズキはまだ花が咲いているので、こちらの方が約1か月早く進んでいることになりますね。
 
 

L
 ネムノキはようやく蕾が膨らみ始めたところ。開花すると木全体が薄ピンクになり、梅雨どきを彩る花になります。
 
 

 
 
 
2022年6月26日(日) その2
 

@
 西展望広場から望む丹沢山地。手前に広がる相模野台地は河岸段丘となっていて、ここからは橋本や相模原の街が広がる段丘最上位面しか見えていません。
 
 

A
 これはナルコビエでしょうか。同じようなものが多くてなかなか見分けがつきません。花序に小穂と呼ばれる器官(コメでいうと籾に当たるもの)が2列に並んで付いています。写真で黒くゴミのように見えているのは、小穂から伸び出している雌しべの柱頭です。
 
 

B
 カモジグサですね。髢(かもじ)とは、日本髪を結うときにボリュームを持たせるための使った添え髪のことです。今で言うエクステですね。ただ、この草のどこが髢なんだろうという疑問がわきますが、この草の若葉を人形の髢にして子どもが遊んでいたことによるのだそうです。相当昔の、まだ世間に日本髪の人が多くいた時代のことでしょうね。
 
 

C
 こんなに可憐なのにほぼ雑草扱いされているムラサキカタバミ。そっくりなイモカタバミとの違いは、地を掘ってみて地下茎が塊茎であればイモカタバミ、鱗茎であればムラサキカタバミだそう。そこまでしなくても花をよく見ると分かるそうで、その違いは花粉の色。花粉が黄色だとイモカタバミ。白色だとムラサキカタバミです。
 
 
D
 公園の西端までやって来ました。これは植栽のビヨウヤナギ。垣根として使われることが多いです。
 
 

E
 ヒヨドリバナの花序。まだ6月ですが開花の準備が整いつつあるようです。
 
 

F
 コナラの切り株からひこばえが。誰かが洞にドングリを入れたのだと思います。このまま成長しても土台の切り株が朽ちてしまったらアウトでしょうね。
 
 

G
 ナンテンの花序。なんか手持ち花火のような印象です。
 
 
H
 ニガナ。漢字では「苦菜」で、「菜」の字が付いているということは一応昔は食用にされていたということでしょうか。でも苦かったということですかね。
 
 
I
 豆の鞘っぽいものがぶら下がっていますね。これはハリエンジュの果実です。これを見ると、食用に品種改良されたエンドウマメとかがいかに食べ応えのあるものかということがよく分かります。
 
 

J
 シモツケの花。花冠から雄しべが派手に飛び出していますね。こういうタイプの花は結構あります。
 
 

K
 これはザクロの花。左の写真はまだ花弁が付いている状態。右は花弁が落ちた状態ですが、これはこれで花みたいですね。