扇山 〜威風堂々、花の山(後編)〜
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(後編) |
【山梨県 大月市・上野原市 平成27年9月20日(日)】
どっしりとした花の山、扇山の後編です。(前編はこちら)
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梨ノ木平から谷筋を直登し、大久保のコルまでやって来ました。ここまでの所要時間、2時間です。
尾根道 |
大久保のコルからは緩やかな傾斜の尾根道でした。
山頂の手前にはこんな開けた場所も。
さあ、いよいよ山頂です。
扇山山頂 |
11時55分、山頂に到着しました。樹木はなくほぼ平に開けた場所です。広さはテニスコート2面分くらいでしょうか。
とりあえず |
まずは記念撮影。無事にここまで登ってくることができました。
南西方向 |
山頂広場から眺望が開けているのは2方向のみ。一つは富士山が望める南西方向ですが、やはり雲に隠れています。残念。
東方向 |
もう一つは東方向。眼下には中央道が蛇行し、その先には上野原の市街地が見えます。奥の山が高尾山、陣馬山でその先には関東平野が広がっています。新宿に住んでいたとき、ベランダからこの山が見えていましたので、ここからも新宿が見えるということですよね。
昼食 |
山頂は木陰がなく暑かったので、登山道をちょっと戻って休憩することにしました。ここで昼食です。おにぎり弁当をいただきました。
デザート |
デザートはコンビニのフルーツゼリーです。山への携行率の高いアイテムです。
マルバダケブキ |
食後は山頂周辺を散策。これはマルバダケブキですね。藪の中に咲いていました。
シロヨメナ |
シロヨメナが群落を作っていました。ちょっとした花畑ですね。
シラヤマギク |
シラヤマギク。風情のある野菊です。
下山開始 |
山頂では1時間15分ほど休憩しました。これから東側の犬目方面に下山していきます。
クサボケの実 |
なんかナシの実みたいなものが。地面すれすれの短い枝に直接付いているように見えます。これはクサボケの実ですね。食べたことはないですが、かなり酸味が強いそうです。
ママコナ |
ママコナの花。久しぶりに見ました。シソの仲間です。花弁にある白い膨らみが米粒に見えることからその名が付いたと言われています。
クサボタン |
クサボタンも咲き始め。まだまだ蕾も多いです。クサの名が付いていますが、茎の基部は木のようになっていて、冬も残っています。
ヤマハッカ |
秋の花が続きますね。これはヤマハッカ。これもシソの仲間です。
タマゴタケ |
どら焼きみたいな質感のキノコ。これはタマゴタケでしょうね。傘の直径は15pくらいありました。タマゴタケなら食べられます。
三境 |
下山を開始して30分、分岐が現れました。表示は見当たりませんでしたが、地図によると三境という分岐のようです。ここは左に折れます。
スギ林の中を時計回りに大きく弧を描いて下っていきます。
古い切り株の断面をきれいに苔が覆っていました。枯れ色の風景の中、木漏れ日のスポットライトを浴びて輝いていました。
シロツチガキ? |
ツチグリかと思ってしゃがんで見たらどうも違うようです。図鑑を見るとシロツチガキかフクロツチガキのよう。どっちにしても初めて耳にする名前でした。
犬目分岐 |
2時5分、また分かれ道です。ここが犬目分岐でしょう。ここは右手に下っていきます。
マルバハギ |
マルバハギの花。マメ科に特有の蝶形花をしています。そういえば今日は彼岸の入り。おはぎを食べなければ。
オニシロタケ |
これはひょっとして猛毒のオニシロタケでは。
キノコの地上部は子実体といい、この部分をいただいても地中に菌糸が残っていれば、気温や湿度の条件が揃えばまた大きくなるのですが、そうはいってもやはり野にあるキノコは怖くて手が出せません。スーパーのパック入りのが安心です。(道に駅のは怖かったりする。)
雲が多くなってきたせいかスギ林の中はずいぶん薄暗い感じです。 ここまで基本的に尾根道だったので、上りとは異なり乾燥した山道でした。
分岐 |
少しずつ下界の音が聞こえるようになってきました。ここは君恋温泉への分岐。犬目の集落へは直進します。
下山完了 |
3時ちょうど、登山道の終点が見えてきました。下山開始から1時間45分でした。
犬目集落 |
舗装路に出るとすぐに犬目集落に到着しました。バス停で時刻を確認。四方津との間に午前一便、午後一便。一日2往復のみの路線です。その午後のバスは4時20分発で、あと1時間以上あります。かといってどこかをうろうろする気にもなれず、結局バス停のところに腰を下ろして時間をつぶすことに。
犬目は旧甲州街道の宿場街。まっすぐな街道の両側に民家が並び、往時の賑わいの雰囲気を辛うじて残しているような静かな山里でした。今では甲州街道(国道20号線)も中央本線も中央道までも桂川の川筋を通っていて、ここを往来する人は近在の人か近くのゴルフ場に訪れる人くらいのようです。ところで、昔の甲州街道はなんでこの付近だけ川筋を避け山の中腹を通ったのでしょうか。桂川が削り出した渓谷がよっぽど険しかったのでしょうか。
やがて時刻通りにバスが来て、これに乗って四方津駅まで下り、あとは電車で帰途につきました。 今日は思ったよりたくさんに花に出会えて、大満足の山歩きとなりました。
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