古賀志山 〜関東平野北辺の展望台(後編)〜


 

 (後編)

【栃木県 宇都宮市 平成27年11月21日(土)】
 
 宇都宮市の北西に位置する眺望の峰、古賀志山。後編です。(前編はこちら


Kashmir 3D

 古賀志山の東麓にある宇都宮市森林公園をスタートして、林道を歩いて南面に移動し、そこから直登する形で古賀志山の山頂に立ちました。そして一旦東側に少し下り、東稜展望台というところまでやってきました。

 北東方向

 展望台からの眺めは南東方向に大きく広がっていましたが、潅木を隔てて北東側の視界も開けていました。眼下には麓に北登山道を巡らせている尾根筋が横たわっていて、その奥に鞍掛山(492m)の姿が見えていました。その右肩奥には半蔵山(502m)、遠く屏風のように並んでいるのは本山(562m)、飯盛山(501m)、高舘山(477m)など鬼怒川右岸の山々。そして写真右端、空との境界辺りに薄く見える山並みは八溝山(1022m)です。八溝山は茨城県の北端にあり県の最高峰です。

 古賀志山から西へ

 東稜展望台で眺望を楽しんだ後は再び古賀志山の山頂に戻り、今度は逆方向にある御嶽山に向かいます。

 初めは細い尾根を下っていきます。

 分岐

 しばらく行くと鞍部に至りました。ここを左に下ると途中で登って来た道に合流します。ここは直進です。

 鞍部に見事な紅葉のモミジが。薄暗い森の中でスポットライトを浴びていました。

 鞍部から登り返すとやがて鳥居が見えてきました。社殿はなく周囲の柵が残っているのみ。昭和の終わり頃までここに新興宗教の施設があったとのことです。

 岩場

 鳥居から再び下り岩場をパスして行きます。ここにも分岐があって、左に下ると麓の唐沢地区に至るとのことでした。

 岩場を過ぎると梯子が現れました。これを登ると御嶽山山頂もすぐそこのはずです。

 空が大きく開けてきました。いよいよ山頂です。

 御嶽山山頂

 11時ちょうど、御嶽山の山頂に到着しました。標高は560m。江戸時代に木曽の御嶽山から神仏を勧請したとのことで、それまでは「中ノ鳥屋」と呼ばれていたのだそうです。そして古賀志山を「東ノ鳥屋」、赤岩山を「西ノ鳥屋」と呼んでいたとも。そういえばこの山塊の南東に「雲雀鳥屋」、「天狗鳥屋」という山があります。「鳥屋」とは、本来は山上などに網を張って小鳥を捕る際に現地に作られた小屋のことですが、この地方では「鳥屋」=「山」とか「小ピーク」とかといった使われ方がされていたのでしょうか。

 北西−北東

 御嶽山からは、北−西−南の眺望が素晴らしかったです。まずはその北半分。北東(写真右)から西(写真左)にかけてです。右端にはさっき見た鞍掛山が見えていますね。正面の岩峰は調べても名前は分かりませんでした(無名なのかも。)。その遙か後方にあるのは高原山(1795m)。写真左の雲がかかった山塊は右から女峰山(2483m)、大真名子山(2375m)、男体山(2486m)です。

 北西−南西

 そこから南にパンするとこんな感じです。左手前のゴツゴツした山は赤岩山。西ノ鳥屋です。遠くの山並みは足尾山地ですね。

 パラグライダー

 赤岩山にはパラグライダーの発射台(?)があるようで、この日もたくさん舞っていました。

 日光例幣使街道

 赤岩山の右奥、山の際に直線的に延びているのは杉並木で有名な日光例幣使街道です。

 ヤマツツジ

 ひとしきり眺望を楽しんだ後は昼食です。今日は一人なので黙々と食べ、あっという間に終わってしまいました。目の前の季節外れのヤマツツジを眺めながら食後の休憩です。

 下山開始

 山頂での滞在時間は30分ほど。来た道を戻ります。

 梯子を下り、鳥居を通過。

 分岐

 古賀志山との鞍部にある分岐まで戻ってきました。ここは右に下って南登山道を行きます。

 下りはじめから延々と階段。膝に応えます。

 たまにはちょっとした上りも。この先で往路に岩場ルートに分岐したポイントに合流します。

 林道に合流

 南登山道はやがて林道に突き当たります。ここは左へ。

 アカメガシワ

 アカメガシワは葉が展開し始めたときは赤色、その後成長すると緑色になり、最後は黄色に黄葉します。

 別の林道に突き当たる地点でそのまま直進し、山道に入ります

 いい感じ。やっぱり舗装された林道よりはこんな道がいいですね。

 コシアブラ

 間伐された杉林。適度に光が入るので、林床に低木が育っています。これはコシアブラですね。

 ツルリンドウ

 こっちはツルリンドウの実。こんなふうに立ち上がっているのはあまり見かけません。

 ちょっとした広場にある分岐。ここは左手へ。

 すると、ここにも孤高のモミジがありました。ひっそりと色づきひっそりと散っていく。日本の美ですな。

 展望台

 どんどん歩いて行くと、突然小さな展望台が現れました。



 眼下にダム湖が。もうここまで戻っていました。写真左のピークが天狗鳥屋、写真右のが雲雀鳥屋です。

 展望台から一気に下ると管理センターの園地に出ました。紅葉で真っ赤です。

 この辺りのモミジは植栽なのかもしれませんね。

 赤川ダム

 さあダムを渡って行きましょう。

 ダムの途中から下流側を見るとこんな感じ。田園風景ですね。左が雲雀鳥屋、右が多気山です。

 で、振り返えるとこの風景。奥に西日を受ける古賀志山が。右のピークが天狗鳥屋。両者の間の山麓に北登山道が延びているはずです。

 駐車場

 ダムを渡りきって右手に下っていくとすぐに駐車場です。ここでゴール。時刻は12時45分でした。
 初冬の古賀志山。今日は小春日和の中で眺めの良い山に登ることができ、すっかりリフレッシュできました。気持ちのいい一日を過ごさせてもらって感謝です。