唐沢山神社 〜腹ごなしの散策〜


 

【栃木県 佐野市 平成19年7月22日(日)】
 
 ラーメンを食べに行くことにしました。有名なご当地ラーメンのうちの一つ、佐野ラーメンをです。前日の夜、ガイドブックを見ていてあまりにも美味そうだったので、昼食の時間に合わせて到着するように出かけました。(ヒマ人です)
 
                       
 
 佐野は栃木県南部、関東平野の縁に当たる位置にありますが、鉄道ではJR両毛線と東武佐野線とが交差し、道路では国道50号線と東北自動車道が交差する、比較的交通の便の良いところにあります。
 さて、目的の佐野ラーメンですが、混んだ店内でだいぶん待たされたあげくに出てきたものは…残念ながら。一応街道沿いの有名店に行ったのですが。何しろ麺がのびていては話になりません。で、とりあえず目的は果たしたので、その辺りをぶらついてから帰ろうということに。ナビを見てみると「唐沢山自然公園」というのが目に入ったので、さっそく行ってみることにしました。

 唐沢山自然公園

 唐沢山自然公園は標高240mほどの唐沢山一帯を指すもので、ここは平安中期の武将、藤原秀郷(ふじわらのひでさと)が城を構えたところ。秀郷といえば朝敵とされた平将門を討ち、その功により鎮守府将軍に任じられた武将です。この城址に秀郷を祀った唐沢山神社が創建されたのは明治初期のことだそうです。
 さて、ラーメンの腹ごなしに神社までぶらぶら歩いてみましょう。

 天狗岩から

 城址に入ってすぐ右手に「天狗岩」という物見の高台があったので登ってみました。上の写真は南東方向の眺め。関東平野は霞んでいます。左手にうっすらと三毳山(みかもやま)が見えました。三毳山といえばカタクリの群落で有名な山です。

 参道

 蝉時雨の中をゆっくりと歩いていきます。

 ヤブコウジ

 下草に隠れてしまいそうなほど小さなヤブコウジ。高さはせいぜい10p程度。でも、これでも立派な樹木です。

 ホタルブクロ

 風に揺れるホタルブクロはまるで涼しげな風鈴です。音こそしませんが、見た目で体感気温を下げてくれるようです。

 もうじき祭礼でもあるのでしょうか。参道には幟が並んでいました。もともと城郭だっただけあって、空堀などもありました。参道の片側は石垣になっていて、また、鈎型に折れ曲がっている場所もありました。

 唐沢

 手水の軒から垂れていた四手にセミの脱け殻が。??? いったいどうやってここにたどり着いたのでしょうか。

 社叢

 本殿までやってきました。おそらくここが本丸跡でしょう。周りには緑濃い社叢。夏の強い日差しを浴びてガンガン光合成をしていることでしょう。炭水化物、造り放題です。

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 境内の片隅に繁っていた葉。樹木の全体の姿は細い枝が折り重なるようにしだれた枝を伸ばしていました。中心に太い幹は見あたらず、株立ちしているようでもありました。葉腋に2個ずつ丸い果実が(まさか虫コブではないと思います。)。パチンコ玉より一回り大きいサイズで、イヌビワの果実に似ています。葉柄は茶色で葉は細い舟形。先端は長く尖っています。葉の裏面は表面に比べてやや白っぽく、葉脈がくっきりと浮き上がっていました。何でしょうか。あれこれ調べてみましたが、ちょっと分かりませんでした。

 境内から一段下がった二の丸跡に下りてみました。ここもセミの声しか聞こえてきません。今日は日曜日だというのにすれ違う人もほとんどいませんでした。そんな中、他愛もないことを話しながらただ目的もなくぶらぶらと歩く。こういうのでも結構リフレッシュできます。

 土手状になっているところの斜面にカラフルなキノコが2種。これも図鑑で調べては見ましたが、やっぱり分かりませんでした。まあ、今日は腹ごなしがメインですから、これでよしとしましょう。
 
 城址をぐるっと巡って、スタート地点に近づいてきました。おもいっきりゆっくり歩いて1時間半。もうずいぶん腹はこなれてきています。帰りにラーメンもう一杯? いや、やめておきましょう。(佐野の名誉のために言っておきますが、本来は美味しいラーメンです。)