宮島・うぐいす歩道〜大元公園 〜夏鳥たちに合いに行こう〜
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【広島県宮島町 平成15年6月8日(日)】
梅雨入りを控えたこの時期ですが、まるで真夏を思わせるような一日になりました。
今日は宮島パークボランティアの自主研修会で、テーマは野鳥観察です。一年を通して生活している「留鳥」に加え、繁殖のために日本にやってくる「夏鳥」たちを観察しようというものです。
9時集合 |
宮島桟橋2階のPV詰め所前に9時集合。今日のリーダーは会員のうちの一人の近藤さんと、その近藤さんと共に鳥類の調査をしている河野さんのお二人です。
この二人は広島市東区にある牛田山で、環境省から山階鳥類研究所に委託された鳥類標識調査を地道にやっておられる方たちです。登って下りるだけでも大変なのに、一年のうちの多くをこの山の上で調査をしながら過ごしているのです。当然ながら鳥のことはもちろん周囲の環境のことにも詳しく、なにより鳥達を愛しておられるのがよく分かります。ちなみに、この調査事業は開始から20年を経過しているそうです。
開始前のレク |
開始前に近藤さんから注意事項が。
鳥は人間の8倍も視力がよいそうで、こちらがその存在に気付く前に間違いなく我々に気が付いているのだそうです。この時期、子育てで神経質になっているので、なるべく静かに観察することが望まれます。確かに人間に置き換えてみると、ベビーベッドで赤ちゃんを寝かしつけているところにヒグマが集団でやって来るようなものですから(ちょっと例えにムリがあるか?)、なるべくそっとしておかなければ。
山際の遊歩道へ |
民家の軒先をツバメがかすめていきます。夏鳥の代表選手です。まるでF-1カーのように高速でクイッ、クイッと曲がりながら飛んでいきました。
上空にはトビが2羽、ゆったりと回っています。トビは大型のタカですが、体重は意外と軽いのだそうです。留鳥なので市街地を含めてどこでも目にすることができます。
丘の上から |
丘の上の公園に出ると、ふもとの民家の間から突き出る大きな木にカラスが。ハシボソガラスです。
なんだカラスか、と思いがちですが、ここ宮島とカラスとは切っても切れない間柄なのです。
その昔、厳島大神がこの島に社を構えようと島を一周した際、どこからともなく2羽の鴉(からす)が現れ、現在の社殿のある場所まで導いたというのです。今でも毎年5月15日には、島の裏側にある養父崎浦で「お烏喰式」(おとぐいしき)という神事が行われます。養父崎浦にある神社の沖合にお供えの団子を乗せた小舟を浮かべて、近くの別の小舟から楽曲を奏でると、山の向こうから2羽のカラスがやって来て団子をついばんでいくというものです。ヤラセのようですが、これが本当にくわえていくというから不思議です。
もみじ歩道を歩いていくと、シジュウカラやメジロなどおなじみの小鳥が姿をみせます。向こうの林から波形の軌跡を描きながら飛んできたのはヒヨドリです。
ほら、鳥の声が… |
林の奥から、ツッツピー、ツッツピー。ヤマガラです。飛びながらキリコロ、キリコロと鳴いているのはカワラヒワ。いずれも留鳥です。
「特許許可局」と鳴くのはホトトギス。この鳥の声を聞くと、なぜか思い出す風景があります。小学生の頃、木造校舎窓から眺めた初夏の風景です。BGMは音楽室から聞こえる「夏は来ぬ」の合唱。遠い記憶とともに、ああ夏が来たなぁと感じます。
あっ、キビタキです。りりしい眉と鮮やかな胸元。自分の中ではオオルリとともに「King
of 夏鳥」です。
キビタキを初めて見たのは裏磐梯の五色沼。早朝のキャンプ場でのことでした。それ以来のファンなのです。
キビタキ |
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写真:近藤氏提供 |
昨日は西中国山地の山奥でオオルリにお目にかかったので、この2日間はラッキーな週末でした。ちなみにオオルリを初めて見たのは西丹沢の渓谷。コバルトブルーの金属光沢に目を奪われたのを覚えています。
大元公園 |
大元公園に着きました。
ここでの人気者はサンコウチョウでした。ここの林につがいで住んでいるようです。独特のさえずりは聞こえたのですが、残念ながら姿を見ることはできませんでした。見た人はみんなちょっと興奮気味。それだけ魅力のある鳥なのです。
越冬地はスマトラやマレー半島。あの長い尾をなびかせながら、はるばる南シナ海を越えてやって来るのかと考えると何か不思議な感じがします。この宮島で旅の疲れを癒してゆっくりと子育てをしてほしいものです。
「パークマンション大元」 |
枯れた立木に丸い穴がいっぱい。キツツキがくりぬいた穴です。アオゲラなど大きなキツツキは生木でも穴を開けるとができますが、コゲラはパワーがないからか、枯れ木にしか巣穴を開けることができないそうです。枯れ木には虫もたくさん住みついているので、さながらこの木は賄い付きのマンションとでもいったところでしょうか。
大元公園の目の前はもう海。これまで木陰を歩いてきたのであまり感じませんでしたが、浜辺に出るとジリジリと照りつけるような陽射しです。でも、夏本番になるまでには梅雨が待っているんですよね。
先日紹介した「鹿アイス」(¥350)
リアル過ぎです。
「ふ〜ん」 |
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