多摩丘陵でフットパス 〜綾部原から白山谷戸〜
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「綾部原から白山谷戸」 |
【東京都 町田市 平成27年2月28日(土)】
あっという間に2月も終わり。日々の流れていく速さにはしばしば唖然とさせられます。 毎年もうこの時期になると「今年の干支ってなんだったけ」という状態になりますよね。
さて今回はフットパス。野山を歩いて出張帰りで重い体をリフレッシュさせたいと思います。
まずは電車で多摩センターまで行き、そこから先は神奈中バスで鶴川方面へ向かいます。休日の多摩センターは人で賑わっていました。
岩小山バス停 |
11時55分、岩子山というバス停で下車。ここがスタート地点になります。
ところで、神奈中バスの乗降システムはなかなか難しく、路線によってか、バスの設備によってかは知りませんが、毎回迷ってしまいます。例えば多摩センター発のバスの場合、前の乗降口から乗るのですが、ICカードのタッチセンサーがあるにもかかわらず運転手さんに口頭で行き先を告げて、運転手さんがなにがしかの操作をしてからセンサーにタッチするというもの。降りるときは中央の乗降口から何もせずに降ります。乗車時に課金するやり方なんでしょうが、乗ってる途中で降りるバス停を変えたいときにはどうするんでしょうか。また、別の路線では、中央に乗降口があるにもかかわらず、前から乗って前から降りるシステム。ICカードのタッチセンサーは、乗るとき用と降りるとき用のが2機並んでいて、それぞれ普通に使用します(行き先の申告はなし。)。一機を中央の乗降口に付ければいいと思うのですが。まあ、どのやり方でもいいんで統一してもらるとありがたいですな。
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今日のコースは「綾部原から白山谷戸」。岩小山バス停から西に向かい綾部原という台地に上がって、そこからスポーツ施設の集まる野津田公園に向かいます。その後一旦芝溝街道(都道57号線)まで下りて、すぐにまた丘に上がり、最後は白山谷戸を巡って、図師で芝溝街道に出たところがゴールになります。
千手院 |
まずはバス停近くにある千手院というお寺に寄ってみました。境内への階段付近からして立派な感じ。上がってみるとおそらくRC構造の大きな本堂がありました。木造だと何かとメンテが大変なんでしょうね。お寺の創建は奈良時代だそうです。
もうお昼なので境内でコンビニおにぎりを食べさせてもらいました。
小野路川 |
あらためてスタート。ここから住宅地を西に向かって歩きます。途中で小野路川を渡りました。小野路の万松寺谷戸に端を発し、ここから1qほど下流で鶴見川に合流する川です。
住宅地と里山との境の道をゆっくり上っていきます。あたりには畑や林もたくさん残っていました。
オオイヌノフグリ |
立ち止まり、かがんで畑の畦を見てみると、たくさんのオオイヌノフグリが春の訪れを告げていました。
鶴川団地 |
途中から右手の坂道を上っていきます。振り返ると小野路川を隔てた向こう側の丘陵地が望めました。南西向きのひな壇に住宅が並んでいます。鶴川団地だと思います。野山と団地、多摩丘陵の典型的な風景ですね。
栗畑 |
民家の隣には栗畑が残っている、そんな長閑な風景の中を歩いていきます。ところで、このくらいの規模で営まれている農地ってこれで生計を立てているようにも見えないのですが、宅地などにしておくと税金が高いからですかね。でもそれって、はからずも税制が長閑な田園風景の維持に一役買っているということかも。
農道脇にあったウメ。七分咲きくらいでした。もう春はすぐそこまで来ていますね。
民家裏の藪を抜けるとまた畑地に。もう作物の植え付け準備が始まっているようです。
綾部原 |
更に進むと綾部原に出ました。なだらかな台地状の斜面になっています。侵食が進み谷戸の多い多摩丘陵では比較的珍しい風景です。
ヒメオドリコソウ |
畑の畦にヒメオドリコソウが。これは春の訪れを教えてくれる花です。これから葉を広げる段階なので、まだ全体的にムックリとした姿をしていますね。日本の里山風景によく似合う花ですが、元々はヨーロッパから来たものなのだそうです。
綾部原トンネル |
綾部原の縁に沿って歩いて行くとトンネルの出入口の上部に出ました。多摩センターと町田市街地とを結ぶ鎌倉街道 (都道18号線)が綾部原の台地を貫いているのです。10年前に開通したのだそうです。
長閑な田園風景ですね。丘の上に民家が並んでいて、その方向に向かって歩いていきます。
突き当たりを右に折れて野津田公園方面へ。満開のウメ。 早春の里といった感じの風景です。
野津田公園東口 |
しばらく行くと野津田公園の東口が見えてきました。野津田公園は、スポーツ、レクリエーション、自然観察などを楽しむことができる市立の公園で、広大な丘陵地に陸上競技場や野球場などが点在しています。J3のFC町田ゼルビアのホームでもあります。
上の原広場 |
公園の外周に沿って歩いて行くと、サッカーの練習コートがあり、少年たちが試合をしていました。写真は近くの丘に上って見渡したところ。ほとんど山の中ですね。ここは上の原広場というところで、陸上競技場などの施設は正面の森のずっと向こうにあるようです。
原っぱの奥に向かって歩いて行くと、数件の民家がありました。どうやら反対側から車道が通じているようです。
農村伝導神学校 |
丘を登っていくと何やら建物が現れました。看板には農村伝道神学校とあります。どうもキリスト教の伝道者を養成する学校のようです。辺りに人の気配は感じませんでしたが、休日だったからでしょうか。
右手に町田の丘学園が見えた辺りで左に逸れて未舗装の坂道を下っていきます。桜の並木になっているので春には見事な通りになるでしょうね。あと一月くらいです。
お地蔵様 |
坂道を下りきると交通量の多い芝溝街道に出ますが、その直前でV字に折り返してまた山側に上っていきます。その折り返しのところにお地蔵さんが。いつくらいからここに立っているのか分かりませんが、ずいぶん浸食が進んでいました。お地蔵さんはしばしば道祖神と習合して村境を守るために置かれることがあるそうなので、この辺りが昔の村の境界にあたるのかもしれません。奥には六地蔵もありますね。
七国山 |
坂を上りながら振り返ると、芝溝街道、鶴見川をはさんでその向こう側に七国山が見えました。去年の9月に歩いたフットパスのコースの一部です。(そのときの様子)
民家の敷地をかすめるように小径を辿り、竹やぶの中に入ってきました。
都道町田日野線 |
やがて住宅地の裏手に出ました。そのまま路地を進むと小野路方面からの道を横切ります。
この辺りは住宅街があったかと思うとすぐそばにこんな風景が広がっていたりして油断できません。楽しいですけど。
おお、これぞ日本の農村風景。どこからかヒバリの声が聞こえてきそうです。向こうに見えるのは半沢集落(たぶん)。
集落の奥にあった満開の紅梅。里に春がやって来ましたね。
さて、ここから白山谷戸に向かいます。
白山谷戸 |
白山谷戸、けっこう奥が深いです。昔は谷戸の奥まで水田だったんでしょうね。やや乾燥する最奥部には茅場や柴刈り場があったでしょう。谷戸全体がその奥の雑木林に棲む生き物と里の人間との緩衝地域になっていたのだと思います。
奥に入っていくと、何枚かは現役の田んぼもありました。
その水田を潤す小さな流れ。気のせいか水もぬるんでいるように見えます。越冬したヤゴでもいないかとしばらく覗き込んでいましたが、見つけられませんでした。
谷戸の奥から左手の丘に上り、尾根筋を通って集落まで戻ってきます。
ハナニラ |
再び集落に戻ってきました。白山谷戸、いい谷戸でした。
民家の庭先に咲いていたハナニラ。今日はポカポカ陽気です。
終点 |
1時50分、芝溝街道が見えてきました。今回のコースの終点です。
圓福寺 |
街道に出るところにあった圓福寺というお寺。最後にちょっと寄ってみることに。しかし、イチョウの木がなんか凄いことになっていますね。まるで巨大な竹箒みたい。秋は落ち葉掻きが大変そうです。
枝垂れ梅 |
圓福寺の境内の枝垂れ梅がお菓子の「きのこの山」みたいでした。
さて、梅でまったりしたところで、そろそろ帰途につくことに。ここからだとすぐ近くの並木バス停から町田街道の根岸までバスで出て、そこから橋本駅北口行きに乗り換えるのが良いようですが、節約を兼ねて根岸まで歩くことにしました(帰宅後、地図で確認したら、今日のコースに近いくらいの距離をトコトコ歩いていました。)。
これからは短い期間で季節がどんどん進んでいきます。yamanekoの好きな季節。花粉を浴びるのを覚悟しながら野山歩きを楽しみたいと思います。
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