太田川定点観察の場所はこんなとこ


 今年度の観察地点は、太田川が山間を蛇行しながら流れ、川に沿って集落が点在しているようなところ。河口から35qほどさかのぼった野冠(のかずき)地区から上流に向けて約2q先にある宇賀地区までの右岸です。太田川の中流域にあたります。

 

 広島県西部の地形は、北東−南西方向に平行にいくつもの谷が走っているのが特徴。これらは断層によってできたもので、太田川水系はこの断層の影響を強く受けています。
 源流部を発した太田川は南西から北東に向かって流れ、加計町で90度方向を変え南東方向に向かいます。ここからはいくつもの断層を直角に貫いて流れ下るためカギ型に蛇行しながら進むことになります(観察地点はこの辺りになります。)。広島市可部町まで下ると再び90度進路を変え、今度は北東から南西に向かって河口を目指します。太田川に流れ込む支流もすべて北東−南西の方向に流れています。
 このような断層の発達は、この地域の基盤岩である広範囲に広がる花崗岩の性質によるものです。花崗岩の摂理は立方体状。直線と直角を基本としたひび割れが生じやすいのです。それがマクロに地形として現れると、この太田川流域のような特徴のある形になるのです。