多摩川は、山梨県、東京都、神奈川県の3都県を流れる多摩川水系の本流で、全長138q、流域面積1240q2の一級河川です。
 その源流は山梨県と埼玉県の県境にある笠取山(1953m)。山頂直下の南斜面にある「水干」(みずひ)にその端を発しています。
 多摩川は、その上流部では柳沢川と合流するまでは一ノ瀬川、そこから奥多摩湖までの間を丹波川(たばがわ)と呼ばれています。多摩川と呼ばれているのは奥多摩湖の出口である小河内ダムから下流とするのが正しい取扱です。小河内ダムは昭和32年に竣工した重力式コンクリートダムで、これにより出現した奥多摩湖は日本最大の水道専用貯水池となっています。
 多摩川はその後も山中の深い渓谷を流れ、青梅でここを扇頂とする大扇状地に顔を出します。青梅からは右岸に多摩丘陵、左岸に武蔵野台地を見ながら概ね南東に向かって流れ下っていきます。調布付近から川が東京と神奈川との都県境となり、周囲は低地となっています。そして、最後は大田区と川崎市川崎区との境で東京湾に注ぎます。
 多摩川の中流以降の支流のほとんどは南の多摩丘陵側から流れ込んでいます。これは関東平野が周辺部が隆起し中央部が沈み込んでいることの影響で、これを「関東造盆地運動」と呼び、約200万年前から続いていると考えられています。