代々木公園 〜都会にも紅葉の訪れ〜


 

【東京都 渋谷区 平成19年11月16日(金)】
 
 ようやく休暇がとれました。ずいぶん久しぶりです。せっかくなので遠出も考えましたが、たまには近場の公園にでも足を運んでみるのも良いかなと思い、代々木公園をぶらつくことにしました。

 原宿駅

 JR山手線原宿駅で下車。駅舎に覆い被さるように迫っている木々は明治神宮の森です。背後の尖塔はNTTドコモタワー。

 明治神宮

 原宿駅の隣には明治神宮の入り口があります。写真では分かりにくいですが、大きな鳥居、そして大きな樹木です。

 公園入り口

 明治神宮の入り口を横目に、井の頭通りを西に向かうと代々木公園へのプロムナードがあり、その先に公園入り口が見えてきます。平日のお昼前、紅葉のケヤキが迎えてくれました。

 ケヤキ

 ケヤキの樹冠の下に入って見上げると、夏の間みっしりと繁って涼しい木陰を作ってくれたであろうその大きな枝々が、今では隙間から青空が覗けるほどに葉を落としていました。
 ケヤキは葉を落とすとき一枚一枚バラバラに落とすのではなく、右の写真のように枝先ごと数枚の葉がまとまって散ることが多いです。これにはちゃんと意味があって、このような形で散ることによって空気の抵抗を大きくし、より遠くに着地しようというもの。なぜなら葉の付け根に小さな果実が付いているので、種子を少しでも遠くに散布しようとする作戦なのです。

 イチョウ

 イチョウもだいぶん色づいてきました。イチョウは東京都の樹木に指定されていて、これが定まったのは昭和41年。当初、選定委員会が候補として選んだのがケヤキ、イチョウ、ソメイヨシノの3つで、委員の間ではケヤキがトップ人気だったそうですが、都民のハガキ投票で約50%の得票率を得たイチョウが当選。ケヤキは約30%、ソメイヨシノは約20%だったそうです。ちなみに現在の東京都のシンボルマークはイチョウの葉にそっくりですが、これは東京都の頭文字の「T」を図案化したもので、イチョウとは何の関係もないのだそうです。ふーん。

 ゴンズイ

 まるで作り物のような果実を付けるゴンズイ。この鮮やかな色は鳥たちへのアピールでしょうか。ところで魚にもゴンズイという名のものがいます。その関係ははっきりしませんが、樹木のゴンズイが材がもろく役に立たないことから、同じように役に立たない魚のゴンズイの名を用いたという説もあります。ちなみに樹木のゴンズイは漢字で書くと「権萃」、魚の方は「権端」です。

 シロダモ

 西日本に多いシロダモ。花も果実もこの時期に見られます。すなわち今年赤く色づいている果実は1年前に咲いた花のものなのです。

 ソメイヨシノ

 期せずして東京都の樹木の候補となった3種の樹木がそろいました。ここのソメイヨシノは半分くらい葉を落としています。地面に落ちている葉があまりにも鮮やかなので、ちょっとグラデーションを楽しんでみました。

 シダレエンジュ

 枝が湾曲に垂れ下がっているエンジュ。竜爪槐(りゅうのつめえんじゅ)と呼ばれ、この木は友好都市である北京市から贈られたものです。エンジュは中国では尊貴の樹とされ、今から約2千年前の周代の宮廷にも植えられていたのだとか。位の高い人によって尊ばれたのだそうです。

 ぶらっと歩いてお昼過ぎになりました。どっかで昼食をとって映画でも観に行こうと思います。