山手線一周歩き旅   


【東京都 新宿区など 平成20年3月9日(日)〜4月12日(土)】
 
 今回は番外企画。都心の街並み観察を楽しんでみようと思います。
 フィールドはご存じ「山手線」です。 
 1周34.5q、駅数29。電車で一周するとおよそ1時間を要します。
 
 一般に山手線というと環状運転を行う運転系統としてのそれを指すことがほとんどですが、路線名としての山手線は、品川から渋谷、新宿、池袋を経由して田端に至る東海道本線の支線区間のことをいいます。
 ラッシュ時の乗車率200%超、2分間隔で電車がやってくる首都東京の大動脈です。
 
 今回の歩き旅では、山手線での最寄り駅の新大久保を起点として、内回り方向に一日数駅分ずつ、何日かに分けて歩くことにしました。ルートはできるだけ線路に寄り添う道をたどることに。
 さてさて、どんな景色に出会うことができるでしょうか。

 
 
 

 
 
【3月9日 11:30】
 ここ新大久保駅は大久保通りに面していて、近くに大久保駅(JR中央線)もあり、賑わいをみせています。降り立つと東アジアの混沌を肌で感じることができます。
 この駅は山手線でもっとも新しく開業した駅。といっても大正3年ですが。
 山手線全駅のうち他線との乗換駅でないのは、ここ新大久保を含め3つだけです。
 
(新大久保→新宿)
 新大久保駅から山手線の内側を線路沿いに歩いて、職安通りを越えると歌舞伎町の縁を通る道になります。(ここにはミラノボウルというボウリング場があって、毎年職場のボウリング大会はここで開催されます。)
 
 

 
新大久保駅で下車した奥様方は、皆さん、この道を通って韓流ショップへ。
 

 

 
真昼の歌舞伎町一丁目。まるで別の街のようです。
 
 
【3月9日 11:45】
 新宿駅東口(実際には駅ビル北面)に到着。写真の左手前はスタジオアルタ、右側は「大ガード」で、この交差点はいつも人と車であふれています。
 新宿駅には、JRだけでも山手線、中央線、中央本線、中央総武緩行線、埼京線、湘南新宿ラインなどが、私鉄では京王線、小田急線、丸ノ内線、新宿線、大江戸線が乗り入れている巨大ターミナルです。一日の乗降者数、世界一です。
 
(新宿→代々木)
 新宿駅からは西口側に出て、山手線の外側の道をたどります。
 甲州街道を越えるとサザンテラスへ。ここから既に渋谷区です。(実は南北に細長い新宿駅の南半分は渋谷区にあるのです。)
 
 

 
新宿サザンテラスの某有名ドーナツ店。今日も行列です。
 
 

 
いったい何が本業なのか。昭和の匂いぷんぷんのお店でした。
 
 
【3月9日 12:50】
 サザンテラスをずんずんまっすぐ行くと、やがて階段があって一般道に出ます。するともう代々木駅。なにしろ代々木駅のホームからは新宿駅がすぐそこに見えているほど。
 この辺りはずっと埼京線と湘南新宿ラインが併走していますが、加えて新宿−代々木間だけ中央線も併走します。
 
(代々木→原宿)
 代々木駅から南に下っていくと上を首都高4号線が跨いでいるところがあり、ここで山手線の内側に入ります。ここは明治神宮の北参道入口。ガード下の標識には「裏参道」とありました。表参道は神宮敷地内にある南参道に続く道。裏参道は北参道に続く道なのです。
 その先から原宿駅までは住宅地の中を通ります。
 
 

 
裏参道手前の交差点。表参道があれば裏参道もあるのです。上は首都高。
 
 

 
線路脇のスイセン。誰に注目されることもなく、風に揺られていました。
 
 

 
理容界では有名人? バーバー君。
 
 
【3月9日 13:20】
 原宿駅前に出ると一気に祭のような賑わいです。
 駅舎はなんだかこじゃれた感じですが、竣工は大正13年だそうです。レトロですね。二代目駅舎なのだそうです。
 左手の森は明治神宮。
 
(原宿→渋谷)
 原宿駅からは駅前の五輪橋を渡って再び山手線の外側に。五輪橋の名の由来はおそらく目の前にある国立代々木競技場にちなんだのだと思います。ここから線路沿いに坂を下っていき、下りきったところが渋谷の街。急に人が多くなります。そう、渋谷は地形的には谷底にある街なのです。
 
 

 
代々木体育館前の五輪橋。東京オリンピックの際に建てられました。
 
 

 
土手のフキノトウを揺らして走る山手線。
 
 

 
渋谷電力館前のフラワーポット。ここにはもう春が。
 
 
【3月9日 13:55】
 テレビでよく映されている渋谷駅のハチ公口のスクランブル交差点は、信号が青に変わるたびに無秩序な人の流れで埋め尽くされます。
 
(渋谷→恵比寿)
 渋谷駅の南側に用水路のような川があります。これはその源を新宿御苑に求める渋谷川。ここまでは暗渠の中を流れて来ていて、ここで外に出てくるのです。
 渋谷駅からは山手線の内側に入り、そのまま恵比寿へ向かいます。清掃工場やバスの車庫などを横に見ながらしばらく行くと、恵比寿駅の前に出ます。
 
 

 
♪春の小川はサラサラ行くよ…、の渋谷川ここで暗渠から顔を出します。
 
 

 
清掃工場の煙突はまっすぐに空へ。
 
 
【3月9日 14:35】
 殺風景な感じの駅ビルですが、恵比寿駅の賑やかな方は北西側で、ここ東側はオフィスビルが建て込んでいます。
 恵比寿駅が明治時代にビール出荷専用の貨物駅として開業したというのは有名な話です。
 
(恵比寿→目黒)
 恵比寿駅からはスカイウォーク(動く歩道付き)という長い通路を通り、その先のセレブの街恵比寿ガーデンプレイスの中を横切ります。そこから先は住宅地の路地を通って線路沿いを南下します。
 途中のアメリカ橋は電車好きには有名なポイント。山手線と併走している山手貨物線も間近に見ることができます。貨物線とはいえ日中は湘南新宿ラインが主に走っていますが。
 
 

 
恵比寿ガーデンプレイス。ん〜、セレブリティ。
 
 

 
巨大な赤玉は日の丸自動車教習所。有名人も通っているそうです。
 
 

 
アメリカ橋アーチの下は山手貨物線ここを湘南新宿ラインも走ります。
 
 
【3月9日 15:20】
 初日のゴール、目黒駅に到着しました。新大久保駅からの6区間を歩いたことになります。



【3月16日 11:30】
 歩き旅2日目。今日も暖かい日差しが降りそそぐお出かけ日和です。でも花粉の飛散は悲惨です(笑)。
 目黒駅周辺は昔住んでいたところの最寄り駅なので懐かしいですね。生活圏内でした。
 
(目黒→五反田)
 目黒駅からは山手線の内側の花房山通りを下っていきます。ここから五反田駅までの間、線路と反対側は閑静な高級住宅地になっていて、高い塀に囲まれたお屋敷がたくさんあります。
 途中のコンビニでキャラメルを買って食べながら歩きました。(キャラメルなんて久しぶりです。)
 
 

 
駐車場脇のノゲシ。逞しく生きてます。
 
 

 
花房山通りの石垣。隙間に様々な草花が根付いていました。
 
 

 
路傍の折りたたみイスとホットプレート。使ってもいわれても…。
 
 
【3月16日 12:00】
 五反田駅はちょうど工事中。新しい駅ビルを建てるのでしょうか。
 渋谷駅からこの五反田駅までの各駅にはいずれも東急電鉄が乗り入れています。
 
(五反田→大崎)
 五反田駅の横にある立ち食い寿司屋で昼食。テレビや週刊誌でも紹介されているようでした。店内は狭いですが、本格的な職人さんが3人もいました。
 五反田から大崎までは再開発された明るい街並みが続いています。高層マンションやオフィスビルが建ち並んでいて、ちょっと生活感は薄い空間です。
 
 

 
駅横の立ち食い寿司「都々井」。1個60円から。ランチは650円なり。
 
 

 
…何、コレ。
 
 

 
フッキソウ。白いのは雄花で、下の方の緑のが雌花花弁はありません。
 
 
【3月16日 12:45】
 しばらく行くと大崎駅。ここには宇宙基地を思い起こさせるようなチューブ型の歩道橋があります。
 山手線には「大崎止まり」の電車があり、特に飲んだ帰りの電車がそれだったりすると、がっかりしたものです。あと2駅で目黒なのに。
 
(大崎→品川)
 大崎駅を出てしばらく行くと山手線の最南端になり、ここからUターンして北に向かいます。そこから新幹線をはじめ、東海道本線、横須賀線、京浜東北線が併走するようになります。
 この辺りは北品川の閑静な住宅街です。(北品川といいつつも品川駅の南に位置します。)
 御殿山ガーデンの脇を通り、第1京浜の広い道を北上。すると品川駅が見えてきます。
 
 

 
御殿山ガーデン。いったいどんな人が住んでんの? 
 
 

 
アセビが咲いています。輝くような白い色。こうやって見ると豪奢な花です。
 
 
【3月16日 13:35】
 品川駅のメイン出口は品川プリンスホテルや新高輪プリンスホテルなどがあるこちら側(西口)でしたが、いつの間にか反対側に立派なオフィスビルが建ち並びました。これから巨大なビジネス街として発展するでしょうね。
 
(品川→田町)
 品川駅からはひたすら第1京浜沿いに歩きます。田町駅までの距離2.2qは全線で最も広い間隔です(平均が約1.1qなので、2倍です。)。
 道の西側は高輪から三田にかけての高台。有名な泉岳寺などお寺が多い地域です。
 
 

 
最近見かけなくなりました。これも個人情報保護法施行の影響か?
 
 

 
配ぜん人って?
 
 

 
三田の街並みの向こうに東京タワーが。夜もまたきれいです。
 
 
【3月16日 14:15】
 やがて田町駅に到着。駅はオフィスビルの奥まったところにあります。
 
(田町→浜松町)
 田町駅から浜松町駅までは線路沿いの路地や小道を歩いていきます。この区間は山手線で唯一海岸べりを走っています。今でこそ埋め立てで地上になっていますが、明治時代には海岸線に沿った海上防波堤の上を通っていたそうです。海の上を走るなんてお洒落ですね。
 
 

 
独特のオーラを放つガード下のインド料理店。京浜東北線が走り抜けます。
 
 

 
東京モノレール。最近は京急に押され気味か。
 
 

 
古川で待機する屋形船たち。上を走るのは首都高の都心環状線です。
 
 
【3月16日 15:05】
 浜松町といえば一昔前までは貿易センタービルで有名でしたが、バブル期以降東京には異常なほど高層ビルが林立したため、もはや若い人でこのビルのことを知る人は少ないでしょう。東京モノレールの始発駅という点ではかろうじて知名度を保っているでしょうか。
 
(浜松町→新橋)
 浜松町駅を出て文化放送の横を線路沿いに北上。しばらくしてガードをくぐり浜離宮庭園の前に出ます。渋谷で山手線の内側に入って以来久しぶりの外側です。ここからは再開発で一変した汐留地区。日テレタワー(写真右奥)や新交通ゆりかもめの始発駅があることで有名です。
 
 

 
汐留もずいぶん変わりました。聳えるメディアタワー高架はゆりかもめ。
 
 

 
日テレのマイスタ前。ズームインスーパーはここから放映。
 
 
【3月16日 15:35】
 新橋駅に到着。烏森口は酔っぱらいサラリーマンのインタビュースポットになっています。汐留とは線路を挟んで反対側になります。
 歩き旅の2日目はここで終了。次はまた来週です。
 

 
【3月22日 11:50】
 歩き旅3日目、今日も素晴らしい晴天です。ちなみに、新橋のローマ字表記では「ん」は「n」ではなく「m」。
 
(新橋→有楽町)
 新橋駅からは延々と上野駅まで昔のレンガ造りのガードが続いていて、この線路が開通した当初はかなりモダンな建造物だったことでしょう。今ではそのガード下は一杯飲み屋とかラーメン屋などになっています。
 
 

 
ガード下に高級ハイヤーがズラリ格納。落ち葉に潜む甲虫みたい。
 
 

 
シンメトリーな構図。ところで自販機の上の収納スペースには何が?
 
 

 
オフィス街の憩い空間でアロロロ…。
 
 
【3月22日 12:35】
 有楽町は銀座の隣にありつつ極めて庶民的なサラリーマン御用達の街。安く飲める店もたくさんあります。
 
(有楽町→東京)
 有楽町駅を出るとほどなく東京駅の駅舎が見えてくるので、駅間距離はかなり近いように感じますが、これは東京駅のホームが長く、でかいから。山手線の平均駅間距離は約1.1q。データ上は有楽町駅−東京駅間は800mとなっています。(駅間距離は駅長室同士の距離で計測しているそうです。)
 
 

 
街路樹のマロニエ。若葉が展開しはじめています。
 
 

 
歩道も春満開に。こんなところで食事すると余計に美味いだろうなぁ。
 
 

 
はとバス専用乗り場です。最近はキティーラッピングのものも。
 
 
【3月22日 13:00】
 ご存じ東京駅。この丸の内北口から横断歩道に向けて人々がはき出されてくる映像は、ニュースの背景映像によく使われていますね。現在、東京駅は周辺地域と合わせて再開発事業が進められています。
 
(東京→神田)
 東京駅からは、途中日本橋川を渡るところでいったん山手線の外側に出て、すぐにまた内側に戻ります。
 
 

 
ビルの中の中央線…、でなくて、ガラスの写り込みです。
 
 

 
フサアカシアの花もちょうど見頃。バックは東北新幹線。
 
 
【3月22日 13:40】
 神田の駅前は写真のような雰囲気。パチンコ屋の自動ドアからあふれ出てくる喧噪。頻繁に頭上を往来する電車。居並ぶ看板や幟、提灯もカオスです。Jリーグ発足当初、駅前の雑居ビルのようなとろにリーグの事務所があって、何回か仕事で訪れたことがありました。Jリーグは巨大になりましたが、街並みは変わっていません。
 写真にはオレンジ色の中央線の車両が写っています。山手線では、ここ東京−神田間と代々木−新宿間でのみ見られる光景です。
 
(神田→秋葉原)
 神田駅から秋葉原駅までは、休日ということもあって静かなビジネス街(というか事務所街)でした。こういった雰囲気が味わえるのも街歩きの良いところです。
 
 

 
居酒屋の前の水槽にフグが折り重なっていました。
 
 

 
「なんか見かけないやつが来たな…」
 
 

 
何の店だったか忘れましたが、言ってどうにかしてもらえるんでしょうか。
 
 
【3月22日 14:05】
 秋葉原駅。街の様子がはっきり言って異様です。頭の中の「常識」の基準を大幅に下方修正しなければ、見るものいちいちに反応してしまうことになります。(いいオッサンが頭にネコ耳付けて歩くのはどうなのか…。)
 10数年前までは普通の家電量販店街だったのに。当時出始めだったカーナビをここの石○電気で買って、売り場の人に配線の資料を見せてもらって、二日がかりで自分で取り付けたことがあります。(これで5万円くらい安くあがりました。)
 
(秋葉原→御徒町)
 秋葉原駅からは、突っ込みどころ満載の商店街をぶらぶら歩いているうちに、いつのまにか御徒町駅に到着しました。
 
 

 
違う方向にどんどん進化している街。行くのに勇気が必要です。
 
 

 
石のグラム売り、始めて見ました。高いのか安いのか?
 
 

 
若干インドっぽい響き。実は正式な名前はこうだったりして。
 
 
【3月22日 14:30】
 「御徒町」とはなかなか難読の地名です。その由来は、江戸時代、この辺りに騎乗を許されない「徒士」という下級武士が多く住んでいたことからだそうです。
 この時間、写真の京浜東北線は快速運行をしていて、ここ御徒町駅は素通りしていきます。それにしても、こうしてみると電車って大きいですね。普段、ホームの下に隠れている部分は見えませんから。
 
(御徒町→上野)
 御徒町駅から上野駅までは、ほぼ全区間が「アメ横」と呼ばれる商店街です。普通の休日でさえこの混み具合。年末なんかに来た日にゃ、生きて帰れないかもしれません。
 
 

 
今日は祭か?! いえ、普通の休日でいつもこんな感じです。
 
 

 
有名なチョコレート屋さん。いったい仕入れ値はいくらなの?
 
 

 
えーっと、どちらさん? (「賑わいの像」だそうです。)
 
 

 
人混みに疲れたら「みはし」であんみつを。美味です。
 
 
【3月22日 15:00】
 上野駅に到着しました。「どこかに故郷の香りを乗せて…」 そう、上野駅は多くの人の「心の駅」です。
 歩き旅3日目はここまで。次回、上野は花見で大変なことになっているでしょうね。



【3月29日 12:20】
 歩き旅も4日目となりました。上野の森は花見の真っ盛りです。
 
(上野→鶯谷)
 ところで「森」と呼ばれるように上野公園のあるところは高台の緑地になっています。ここは武蔵野台地の先端部に当たり、この東側は低地が広がっています。山手線はここから田端駅の先まで台地の先端部に沿って走るので、常に片側(内回りでは左側)は高さ20mほどの崖になっています。
 
 

 
King of 博物館。何度行っても飽きない、国立科学博物館です。
 
 

 
上野公園はすごいことになっていました。
 
 

 
レアな協会がこんなところにも。 
 
 
【3月29日 13:35】
 あっという間に鶯谷駅です。上野駅からわずか15分で到着しました。前述のとおり、上野駅から田端駅の先までは崖にそって線路が走っているので、その間の(西日暮里を除く)各駅とも崖上と崖下にそれぞれ入口を持っています。写真は鶯谷駅の崖上の入口(南口)です。ここだけ見ると赤字ローカル線の駅のようですね。一日の乗客数は約2万4千人で、山手線の駅で最少だそうです。
 
(鶯谷→日暮里)
 鶯谷駅から日暮里駅までの線路沿い一帯は、突っ込みどころ満載。写真を撮ることも憚られるような地域とか、変な商店街とか。
 
 

 
鶯谷駅の前は宿泊休憩施設の集積率が特に高い地域。
 
 

 
有名な羽二重団子の芋坂本店近くにあった道標。団子、買いました。
 
 

 
おそらく美容師のための練習台だと。触ったらリアル五分刈りでした。
 
 
【3月29日 14:15】
 そして日暮里駅に着いてびっくり、駅舎がすごいことになっていました。もう何年も来たことがなかったのですが、近代的なビルになっていて、なおかつそのビルに新交通システムの高架が直角に突き刺さっている(ように見える)のです。
 これは翌日に開通を控えた「日暮里舎人ライナー」の始発駅ホーム。ちょうど開通記念式典をやっていました。
 
(日暮里→西日暮里)
 日暮里駅−西日暮里駅間は山手線内で最も距離の短い区間で、その距離約500m。普通に歩けば7、8分で着きます。
 
 

 
インパクトはある、よね…。
 
 

 
茨城を目指して疾走する常磐線。この辺りには普通に踏切があります。
 
 
【3月29日 14:45】
 「西日暮里」という語感から、夕暮れの下町といったイメージを抱きますが、事実そんな街並みも多いところです。
 また、この辺りは鉄道密集地帯で、山手線、京浜東北線、高崎・宇都宮線、常磐線、東北・上越新幹線、京成線、日暮里舎人ライナーと縦横無尽に入り乱れています。地上からは分かりませんが、地下鉄の千代田線も通っています。(もともとこの駅は千代田線との乗換えのために作られたのだとか。)
 
(西日暮里→田端)
 鶯谷駅から山手線の外側の低地を歩いてきましたが、西日暮里駅で内側に入って台地の上を行きます。
 
 

 
武蔵野台地の先端から見下ろす山手線。桜がいい感じ。
 
 

 
ガードレールにぶつからないように(?)設置されているポールの先端の飾り。
 
 

 
いろんな事があったのでしょう、こうなるまでに。
 
 
【3月29日 15:05】
 そして近代的なビルの田端駅に到着。どっかの市民ホールみたいですが、対照的に南口はびっくりするほどシンプルで、大げさでなしに公園の東屋のような感じです。
 
(田端→駒込)
 田端駅を発って、その名も田端高台通りを歩きましたが、これがまた風情のある商店街。商品と代金との他に暖かい人情までやりとりし合うような、そんな昔ながらの姿を今にとどめていました。
 富士見橋の手前で武蔵野台地の崖線とはおさらば。ここから進路を西にとって、豊島台と呼ばれる台地の奥に入っていきます。
 
 

 
「お豆腐と油揚げいただくわ」、「はいよ」 昔ながらのやりとりが残る商店街。
 
 

 
第二中里踏切。山手線で唯一残っている踏切です。
 
 

 
会社の目標としては、まあうなずける。問題はなぜ通りに面して貼ってあるかだ。
 
 
【3月29日 15:35】
 駒込駅に着くと辺りは人でごった返していました。どうもこの近くにある六義園から帰ってきた花見客のようです。
 さてさて山手線歩き旅も4日目が終了。次は一気にスタートの新大久保駅まで到達することができるか。
 

 
【4月12日 12:40】
 さあ、山手線一周歩き旅も最終日です。ホームから階段を上って改札へ。この辺りはずっと切り通しになっていて、線路は低いところを走っています。
 
(駒込→巣鴨)
 とある神社の境内に入ってみると、日向ぼっこ中のネコが。こちらを恐れるでもなく、まったりとしていました。(神田で見かけたネコは、かなり人間を警戒していました。)
 
 

 
神社の藪の中で日向ぼっこ。下町のネコです。
 
 

 
アカメガシワの名の由来となったその新芽。若い葉には赤い星状毛が。
 
 
【4月12日 13:00】
 巣鴨は「おばあちゃんの原宿」として有名で、確かに地蔵通り商店街はその品揃えといい客層といい、かなり特殊な雰囲気を醸しています。
 
(巣鴨→大塚)
 駒込駅から巣鴨駅までは山手線の外側を歩きましたが、巣鴨駅からは内側へ。住宅街の細い路地が続きます。その路地の一つ一つにおもしろいものがあって、飽きません。
 飲み屋の店先に咲いていた「金のなる木」。願いがこもっていますね。
 
 

 
巣鴨から大塚へ行くには坂を下って谷の底へ。
 
 

 
誰のためのイス?
 
 

 
小料理屋の前の鉢植え。その名も「金のなる木」です。満開です。
 
 
【4月12日 13:30】
 大塚駅は都電と乗換ができる駅です。以前住んでいた広島では今でも現役でたくさん走っていますが、東京では荒川線に残るのみ。懐かしい感じがします。
 
(大塚→池袋)
 大塚−池袋間はちょっと距離がありました。前半は下町的な住宅街、後半は池袋周辺の大型商業ビル街で、はっきりと街の様子が異なっていました。
 池袋駅の手前にある四面塔稲荷。若者がたむろする公園の一角にあって、ちょっと異彩を放っていました。江戸の昔、この場所にあった通りで、暗くなると辻斬りや追いはぎが頻繁に起きたとのことで、鬼子母神から分詞する形で社を建立したのだとか。大都会池袋も当時は灯りの少ない寂しい所だったのでしょう。
 
 

 
千代田湯の煙突。
 
 

 
ちょっと、誰か何とかしませんか。(怖すぎです)
 
 

 
辻斬りや追いはぎが多かったのだとか。
 
 
【4月12日 14:40】
 渋谷、新宿と並ぶ副都心、池袋。駅の東口に西武百貨店が、西口に東武百貨店があるという小ネタは有名ですね。
 
(池袋→目白7)
 池袋駅からは山手線の外側を歩きます。線路沿いに延びる細い路地を往くのですが、途中、西武池袋線と交差する辺りから、ちらほらと小さな洒落た店が現れはじめました。犬を連れた奥様方がお茶を楽しんでいる店であったり、高そうな輸入雑貨の店であったり。やっぱり目白が近づいてくると、同じ住宅街でもどことなく雰囲気が違うのです。
 
 

 
小鳥専門の病院があったとは。玄関前に行列ができていました。
 
 

 
激しい声が聞こえてきていたヨネクラジム。
 
 

 
新手のイリュージョン? 木が金網をすり抜けているように見えます。
 
 
【4月12日 15:05】
 目白駅の隣は学習院大学(写真の茶色いビルは違います。)。こんもりとした樹木に囲まれていて、中を伺い知ることはできませんが、なんとなく上品な感じ。
 
(目白→高田馬場)
 さあ、最後の駅に向かって出発です。目白駅−高田馬場駅間の距離は1qを切っていて比較的短め。しかも直線です。神田川に向かって坂を下っていって、橋を渡ると高田馬場駅です。
 
 

 
いったいこれまでに何回すれ違ったことか。(バックは切手博物館)
 
 

 
都心のソメイヨシノは終わって、次は八重桜です。
 
 

 
ニッチビジネスの神髄のようなお店。
 
 
【4月12日 15:35】
 高田馬場は賑やかな学生の街です。近くに早稲田大学の巨大キャンパスがあって、学生達が新宿や渋谷、池袋などの繁華街に出るのにこの駅を使うこともあって、いつも人でごった返しています。でも、この夏からちょっと変化があるかもしれません。それというのも、この6月に新しい地下鉄路線「副都心線」が開通し、これが山手線と並行して新宿、渋谷、池袋にアクセスするとのことなのです。しかも高田馬場駅より500m以上も近いところに駅ができるのですから、みんなそっちを利用しますよね。
 
(高田馬場→新大久保)
 29番目の駅、高田馬場駅を出て新大久保駅へ。この区間はJR線と西武新宿線が併走しています。ゴールが近づくにつれ異国情緒が漂って来はじめます。
 
 
 

 
道路拡幅のための立退き跡に咲いていたポピー。かえって荒涼感が。
 
 

 
東アジアの香りが漂う新大久保界隈。
 
 
 
そして…、新大久保駅到着
 
山手線一周歩き旅 達成!
です。(祝)
 
 この企画を始めたのが3月9日。まだ春とは名ばかりの頃でしたが、それから1ヶ月が過ぎ、今ではソメイヨシノも散ってしまって、街路樹のケヤキの若葉が青々と輝く季節となりました。まさに春本番といったところです。その間、週末が訪れるたび(4回目の後1週飛ばしましたが)、妻と二人でゆっくりと歩き、街角のおもしろいものを探し、ときには美味しいものを食べ、楽しい時間を過ごすことができました。本当は紹介できなかった興味深いものがまだまだたくさんあります。
 実は結婚○周年記念に何かしようということで始めたことだったのですが、おもいのほか楽しかったので皆さんにもお勧めしたいと思います。
 よーし、次は中央線かぁ?(それはちょっとムリですね。)
 
 

Kashmir 3D

マウスオーバーで路線図表示