口田河原 〜定点観察・盛夏〜


 

  観察地点はこんなとこ

【広島市安佐北区 平成15年7月26日(土)】
 
 太田川の定点観察の2回目です。
 前回の観察は5月下旬で、そろそろ初夏といった時候でしたが、今回はちょうど今日この日に梅雨が明け、夏真っ盛りといった様子です。

 今回の参加者は17人。午前中とはいえジリジリと照りつける日差しの下で観察開始です。

 河川敷から一段下がった河原の様子(濁流の痕跡が…)

 河原を眺めて驚いたのは、数日前の大雨で川幅一杯に、しかもかなりの勢いで水が流れていった痕跡があったことです。今日はすっかり水が引き概ね普段どおりの川幅にもどっていますが、それでも以前は礫の河原だった部分にも水が流れていました。

 河川敷

 前回は河川敷の上をたくさんのツバメが飛び交って餌を捕っていました。でも、もう子育てが終わったためか今日はツバメの姿はまったく見かけませんでした。
 見かけたのは、トビとコサギ、あと声だけですがモズがいたようです。

 キシュウスズメノヒエ

 河川敷の植物(主にイネ科)は前回のときよりその丈を伸ばし、腰上あたりまでに達していました。
 そこで、その中のキシュウスズメノヒエに注目してみました。ちょうど雄しべと雌しべが花頴から出ていて観察にはもってこいです。これが開花の状態です。
 米のモミのようなものが花頴で花を守る役目をしています。花頴の両側に突きだしているブラシのようなものが雌しべの柱頭。花粉を受けとめやすいような形状をしています。そして白い花糸の先に染色体のような形の葯をぶら下げているのが雄しべ。風に揺れて花粉を飛散しやすくなっています。(写真の縦幅が約1.5pのスケール)

 場所柄、外来種が多いのですが、今回もたくさんの植物を確認しました。

 クコ  メリケンムグラ

 他にも、エゾギシギシ、アレチハナガサ、ヒルガオ、ヒナギキョウ、ヤブガラシ、カヤツリグサ、ヒメクグなどなど。

 


 午後からはお楽しみの河原バーベキューです。

 先日雨で中止になった「鮎喰おう会」の食材を分けてもらって、炭火で塩焼きにします。
 トウモロコシやトマト、スイカなど新鮮な野菜もたくさん。あと、普段はなかなか口にすることのできない珍しい焼き肉もありました。

 あらかた食い尽くしたところで事務局会です。

 野外事務局会

 広島自然観察会10周年記念誌の発行、泊りがけで行う会員研修会の実施、今年で3回目になる口田中学校の野外活動支援などについて話し合いました。
 でも腹一杯になっていて眠りの淵に落ちそうな人もいたようです。