鈴ヶ峰 〜近場で一番の絶景ポイント〜


 

【広島市西区 平成16年2月8日(日)】
 
 午前9時5分、携帯に着信。見ると観察会のRさんからです。
 何だろう、今日こそは何もなかったよな? 頭の中でグルグルと考えながら通話ボタンを押すと「今どこにおるん? 今日はパークボランティアの会員研修会だぞ。」 集合場所の宮島桟橋からの電話です。 あららのら…。昨日に続いてまたやらかしてしまいました。
 でも今回は日にちを勘違いしていたわけではありません。なにしろこの行事自体を完全に忘れていたのですから。(反省) 
 
 ようやく起き出してきて外を見てみると、昨日とはうってかわって輝くような青空です。
 ここでくじけているわけにはいきません。宮島へは行けませんでしたが、宮島を間近に望むことができるところへ行くことにしました。

 鈴ヶ峰

 鈴ヶ峰は広島市西区にあり、標高は312m。散歩気分で登ることができる眺めのいい山です。
 平安の昔、平清盛はこの鈴ヶ峰の樹木を伐採して厳島神社を建立したといいます。宮島から直線距離で約12km。もともとは海辺にそびえていたのでしょうが、目の前の海岸が埋め立てられ大型商工エリアとして開発されたことから、水辺は遠くなってしまいました。
 ふもとからじわじわと住宅地が迫り、山の南側も北側も中腹までは民家に侵蝕されています。

 住宅地を登りきるあたりに井口台中学校があります。ここからの眺めでも十分すぎるくらい素晴らしいのですから、山頂のそれはいかばかりか、といった期待にワクワクしてきます。それにしてもここの生徒は毎日こんな景色を眺めているのか。うらやましい。
 その中学校の前が登山口です。

 憩いの森

 登山口から山頂までは「鈴ヶ峰憩いの森」として整備されていますが、都市公園のような無粋さはまったくありません。
 しばらく行くと、おばあちゃんと孫とそのお母さんといった3人に出会いました。穏やかな冬晴れの陽射しを楽しむように歩いています。挨拶をして追い抜いていくことにしました。
 すると今度は見覚えのある方に出会いました。宮島パークボランティアのMさんです。Mさんも今日は所用があって宮島には行けず、散歩がてらに鈴ヶ峰に登ってきたとのことでした。yamanekoとは違って忘れていた訳ではないようです。

 輝く空

 今日は気温も高いのですぐに汗が出てきます。
 一息ついて見上げると、青すぎるくらいの空にこのまま吸い込まれていきそうです。

 散策路

 登山道というより散策路といった方が当たっているかもしれません。眼下には眩しい瀬戸内海が広がり、楽しい山歩きです。

 登山口からわずか30分。あっという間に山頂に到着です。すでに7、8人の先客がいました。
 やっぱりすごい。期待どおりの展望です。

 いつまで眺めていても飽きない風景です。
 地図とコンパスと双眼鏡を交互に見ながら山や島を確認していくのも楽しくて好きです。これをやり始めるとなかなか終わりません。
 南の方角には多島美を見せる瀬戸内海。東には広島市街が広がっています。

 北の方角には遠く西中国山地の連なりが見えます。
 真っ白に雪化粧した十方山が彼方に見え、また、双耳峰の窓ヶ山のキレット間から東郷山の頂が顔を覗かせています。手前の団地は美鈴が丘です。

 西には、大野瀬戸を挟んで宮島と経小屋山が向き合っています。眼下の街並みは佐伯区です。
 きっと今ごろパークボランティアの面々は宮島の弥山山頂を目指しているころ。今日はここから応援することにしましょう。

 しかしどうですか、この眺め。これが30分そこそこの山登りで楽しむことができるのです。やっぱり広島近郊では一番といってもよいのではないでしょうか。
 今度はみんなを誘って来たいと思います。(そのときは他に予定が入っていないか、よーく確かめよう。)