雙津峡 〜サイハイランを探して〜


 

【山口県錦町 平成14年5月25日(土)】
 
 今日は久しぶりに予定がなかったので(予定を空けたので)朝はゆっくり。
 ようやくファンヒーターを片づけて落ち着くと、やっぱりどっかに出かけたくなります。
 
 そこで、サイハイランを探しに雙津峡へ。
 別にそこへ行けばサイハイランに出会えると確信があったわけではありません。
 そもそも一度も行ったことないし。ただなんとなく地図の上で「雙津峡」の文字が目についたんです。

 中国自動車道で1時間。
 雙津峡のある山口県錦町はカヌーで有名な錦川の上流にあります。
 そして、三セクの錦川清流鉄道の終点でもあります。
 かつて山口県岩国市と島根県日原町をむすぶ国鉄岩日線の建設が進められましたが、開通したのは岩国からここ錦町までで、その後国鉄の民営化とともに三セク経営になったのです。
 今でも錦町の中心部にある終点の駅から、使われることのない鉄道の高架が県境に向かって延びていて、ちょうど雙津峡の入り口辺りで途切れています。

 サイハイラン

 雙津峡の入り口からわずか1分。
 ひょいと見上げた山道の先になんとサイハイランがいるではないですか。
 「マジ…?」つい声に出してしまいました。そんなにどこにでもあるような花ではないのですが…。
 
 早くも目的を達してしまいましたが、そのまま渓谷の奥に向かって歩きます。

 サツマイナモリ(果実)

 渓谷沿いの山肌にはサツマイナモリの果実がいっぱい。1ヶ月前は一面に白い花で飾られていたでしょう。
 ユキノシタ、キランソウ、ツルカノコソウなども。ミズヒキの葉はキングコブラを連想させます。

 イワタバコ

 しばらく歩くとイワタバコの葉が続きます。若々しい光沢のある葉です。
 でも、手を伸ばした高さより高いところにしかないのは何故なのか。

 シライトソウの谷やミズタビラコの日だまりもあって、渓流沿いの小道を退屈せずに歩くことができました。

 結局、出会ったサイハイランは最初の一株だけ。
 きっと今日サイハイランを見たいと考えたときからあの花に引き寄せられていたのだと思います。うん、そうに違いない。