自然教育園 〜野遊びの原点〜


 

【東京都港区 平成14年10月9日(水)】
 
 先週末、JPR(ジュニアバークレンジャー)のサポートで行った深入山から戻ってきたのは日曜日の夕方。それからスーツに着替えて最終の飛行機で東京へ。月、火と東京で仕事をして、広島に戻る水曜日に時間を作ってミニミニ自然観察をしてきました。

 自然教育園のパンフレットより

 場所は「国立科学博物館附属自然教育園」 近所の人は親しみを込めて「白金の森」とか、単に「自然教育園」と呼んだりします。
 周囲を目黒通り、外苑西通り、首都高2号線に囲まれた、大都会のオアシス。中に入るとまるで別世界で、ドラエモンの「どこでもドア」をくぐった気分を味わえます。

 ここを初めて訪れたのはもう15年も前。自然教育園の近所に引っ越してきて、ようやく荷物が片づいた頃のことです。入り口の桜が満開だったことを今も憶えています。

 広大な森の入り口

 敷地は6万坪ととてつもなく広いですが、そのほとんどは立ち入ることができないエリアで、武蔵野の自然の森が保全されています。
 観察路からうかがう森の奥深さに驚きます。「ここ、ホントに都心?」

 観察路を奥へ

 なぜ都会の真ん中にこんな場所が?
 今から500年ほど前にはこのあたり一帯が中世の豪族「白金長者」の館だったそうです。江戸時代には高松藩主の下屋敷、明治に入ると軍の火薬庫になり、その後宮内庁の白金御料地へと、数奇な運命をたどってきたとのこと。長く一般の人が入れなかったことから豊かな自然が残ったということです。

 コナラの森

 それまで特別、自然が好きなわけでもなかったのですが、都心に引っ越してきて体が自然を渇望したのかもしれません。この森によく鳥を観に来ました。コゲラ、シジュウカラ、カワラヒワ…、カワセミやカイツブリもいるし、なんと冬にはオシドリもやってきていました。

 イヌショウマ  カリガネソウ

 キャンプを始めたのもその頃です。おりからのアウトドアブームに乗せられて、関東一円から信州、東北と、あちこちに行きました。このキャンプは我が家に欠かせない行事となり、子供が大きくなった今でも続いています。

 オシドリの池

 この自然教育園はオーバーユースを防ぐため、入園者数に制限があります。
 園内で管理職員の姿を見ることはほとんどありませんが、まったくゴミが落ちていないのには感心します。TDLのように常時掃除をすることによりゴミをなくしているのではなく、ゴミを落とす人自体がいないのです。

 ユウガギク

 ほんの1時間あまりの自然観察でしたが、羽田に向かう時間が近づいたので切り上げることにしました。

 コンクリートの海原に浮かぶ緑豊かな小島。この小島が沈むことなくこれからも青々としていることを祈りたい気持ちです。