高原の家・七塚 〜自然探検の基地完成!〜


 

【広島県庄原市 平成16年4月10日(土)】

 満開の桜には青い空がよく似合う。 中国山地の高原にもそんな季節がやってきました。
 
 一年前に閉園となった県立七塚原青年の家。その後の地元のみなさんの(文字通りの)奮闘により、今日、「高原の家・七塚」として新たにオープンしました。
 そのオープニングのお手伝いをさせてもらうために、先週に引き続き参上した次第です。(はっきり言ってあまり役には立っていませんでした。)

 徳政理事長

 オープンを一週間後に控えて施設内外の環境整備を行ったのはすでに4月に入ってからでしたが、それから今日までの間にも消防や保健所の検査をクリアするなど、最後の追い込みがなされていたようです。
 「一民間団体に県の施設を専属的に貸すことはできない」との県の見解を受け、解決策を模索する中で、いったん施設を庄原市に貸与し庄原市がその施設の運営をNPOに委託する、といった曲折を経てようやく貸借関係が成立したのが3月26日。実際に鍵を受け取ったのは4月1日のことだったそうです。オープン後の事業展開を考えると、もっと早くに手続きを終え、4月はじめから新たなスタートを切りたかったところでしょう。
 開所の挨拶をする徳政理事長はこれまでの幾多の困難を回顧するでもなく、その目にも安堵の光は見受けられませんでした。今ようやくスタートラインに立ったという、何か武者震いをするような感覚が伝わってくるようでした。

 式典の後は、施設の前で地元の「長江太鼓」が披露されました。
 太鼓のリズムは何とも不思議です。最初は何気なく見ていても、だんだん引き込まれていって、ついにはフィニッシュを見届けないとなかなかその場を離れることができなくなります。

 広島自然観察会
 七塚原出張所

 その後、体育館では、広島大学バレーボール部のメンバーによる地元少年バレーの子供たちに対する実技指導が行われ、屋外では、我々広島自然観察会の面々によるミニ自然観察会が行われました。

 身近な自然を…

 ちびっ子たちとの観察会は新たな発見にあふれています。こっちが教えられたり気づかされたりすることが案外多かったりして。

 キランソウ

 キランソウは「地獄の竃のふた」というおどろおどろしい別名をもっています。
 この草には薬効があり、地獄の竃にふたをして死の淵から病人を救い出すということから名がついたそうです。昔の人の発想はいつもおもしろい。

 カナヘビだろうがミミズだろうが、はたまたダンゴムシだろうが、ちびっ子たちにとってこんなに興味を引くものはありません。その目は本当にいきいきとしています。大人たちの「きゃー」なんて悲鳴を聞くといっきに興醒めしてしまうのはyamanekoだけか?
 カナヘビをつまむときの微妙な力加減。ミミズが手のひらに残すヒンヤリ感。ダンゴムシの足と触覚の違い。この時期にしっかり感じておいてほしいと思います。(大人になったらしたたかな計算で悲鳴をあげるなんてことも覚えてしまうでしょうから。)

 ミツバツチグリ  センボンヤリ

 大人の観察会とは違って、ちびっ子たちの集中力は30分が限度です。いつもの観察会ではただ歩きながら観察するといった形が多いのですが、子供たちがメインの時にはところどころに小さなイベントを挟むなどの工夫が必要かもしれません。

 今日はこの子たちと楽しい時間を過ごすことができました。(なぜかちびっ子にはモテモテなんです、いつも。)
 今後もこうやって「高原の家・七塚」での観察会の応援に駆けつけたいと思います。なにより自分が一番楽しんでいるのですから。
 
 追記 : 昼食のシシカレー、これは美味かった!