七塚原 〜リスタートのお手伝い〜


 

【広島県庄原市 平成16年4月3日(土)】
 
 昨年3月、32年間の歴史に幕を下ろした「県立七塚原青年の家」
 まだまだ十分に快適な施設と長年培ってきた活動ノウハウをそのまま朽ち果てさせるのはあまりにも惜しいということで、その後の活用方法の検討が進められていましたが、その身の振り方に道筋がついたのは昨年6月末のことでした。青年の家の元所長、徳政さんが会長となった「元七塚原青年の家の運営をめざす会」が発足し、自然体験や環境学習を中心としたプログラムを行うNPO法人の設立に向けて動き出したのです。
 そして昨年12月、「七塚原自然体験活動研究センター」がNPO法人として認証され、また、地元庄原市からも一定期間ではありますが財政的支援を受けることができ、いよいよリスタートに向けてのカウントダウンが始まりました。
 オープンは来週、4月10日(土)です。

 塗装作業中の体育館

 今日は、オープンを一週間後に控えて最後の仕上げ、施設整備のお手伝いにやってきました。駐車場に着いてみると、地元の方たちにまじっていつもの仲間たちも駆けつけています。ただ、彼らは西村先生(広島国際大学)が腕をふるう昼食が目当てであることは疑う余地もありません。
 人手はざっと30人ほど。施設内の清掃を中心に行うグループと、外回りを整備するグループとに分かれて作業を開始しました。壁の塗装は業者にお任せです。
 我々はそれぞれ鎌や鉈、草刈り機などを携えて、施設の裏側に廻りました。そこは開けた丘になっていて、登り切るとその向こうは雑木林です。その雑木林の中の道を整備するのです。

 畑予定地

 作業に入る前に、敷地外にある畑予定地に行ってみました。
 ここはご近所の方の所有地で、以前は畑だったのでしょうが、今は使われていません。既にここをお借りすることになっていて、今年の夏にはソバを作ることになっています。秋口には白い小さな花が一面に揺れ、冬には美味しい蕎麦を味わうことができるでしょう。

 ヒメオドリコソウ

 畑のわきにはヒメオドリコソウが。春ですねえ。

 草茫々の道

 さあ、そろそろ作業現場に戻りましょう。
 1年間というのは道を道でなくすのには十分な期間のようです。
 遅ればせながら作業にとりかかりました。

 作業は楽し

 ノイバラに若干手こずりながらも、順調に進んでいきます。
 今日は決して気温は高くないのですが、うっすらと汗ばんできたのは一生懸命がんばっている証拠。ハラも減ってきたし、こりゃあ今日の昼ご飯が楽しみだぞ(当方もメシ目当て!)

 絵本牧場ごんぼ
 

 作業が一段落したところで、これもまた近所にある「絵本牧場ごんぼ」に行ってみました。
 ここは個人で運営している施設で、絵本図書館とふれあい牧場とがドッキングしたようなところ。子どもたちが一日のびのびと遊べるように、そしてその遊びを通じて本来の子供らしさを育むことができるように考えてある施設です。

 牧場の住人たち

 さあ、待ちに待った昼食の時間となりました。
 西村先生は施設の厨房を使って朝イチから仕込みにかかっていました。廊下には何とも言えないいい匂いが漂っています。

 昼食
 

 メニューは炊き込みご飯と具だくさんの味噌汁、和え物と蕗の佃煮です。
 美味いという一言では言い尽くせないことは皆が二杯、三杯とおかわりをしていたことからも間違いありません。なにせおしとやかなご婦人たちまでもが…。
 本当に美味しかった。ごちそうさまでした。(感謝)
 
 午後からも作業は続いていますが、我々は自然観察会ができそうなコースを探索(そのじつ食後の腹ごなし)に出かけました。「高原の家・七塚」がスタートしたら、ときにはその主催事業の自然観察のお手伝いに来ることになるでしょうから。
 
 ※探索で見かけた花々

 タチツボスミレ
 
 ナガバノモミジイチゴ
 
 ウグイスカグラ  シハイスミレ

 施設前に戻ってきたあとは、大量の落ち葉の掃除。これが今日の作業の締めくくりです。
 それにしても地元の方々の仕事に対するひたむきな姿勢! 自分たちの手で「高原の家・七塚」を創り育てていこうという想いをひしひしと感じました。
 
 さあ、来週のオープンが楽しみです。