南原峡 〜山菜天ぷらに小イワシ?〜
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【広島市安佐北区 平成15年3月29日(土)】
今年1月に寒さ厳しい中開催した「野外寄せ鍋大会」に続く第2弾。今回は本格的な春の到来を控えての「野外山菜天ぷら大会」です。
メンバーはいつもの中高年8人組(失礼)。
午前10時に南原峡入り口に集合。車を置いて、まずは渓流沿いの自然観察で春の訪れを感じようということに。
コウヤミズキ |
まず目につくのはコウヤミズキの黄色い花。まだ花序が展開しはじめたばかりです。渓流沿いのあちこちにあって、この時期の南原峡を代表する樹木といえます。
アブラチャン |
アブラチャンです。3個程度の花が集まって直径8oくらいのボールのようになっています。葉の落ちた木にこの黄色い花がたくさん付いている姿は、何とも言えずかわいいのです。
アブラチャン特有の株立ちになっていました。本来は落葉樹なのですが、中には茶色に枯れた葉を木全体に残したまま黄色の花をたくさんつけている株もありました。なぜだろう?とりあえず、アブラチャンと区別するために「アブラ君」と名付けておきました。
ダンコウバイ |
そしてダンコウバイです。花の形はアブラチャンに似ていますが、こちらの方が5倍くらい大きいです。
それと、よーく見ると、アブラチャンの花には花柄があるのに対しダンコウバイのそれには花柄がありません。やがて葉が出てくるとダンコウバイは特徴があるのですぐに分かります。
南原川 |
傍らを流れる南原川の水はきれいに透きとおっています。まだ冷たそうです。
夏には涼を求めで多くの人々が訪れますが、今はすれ違う人もまばら。
シキミ |
たくさんの花を付けたシキミの木がありました。
薄いクリームイエローの美しい花です。でも、これが猛毒。先日のリスクマネジメント研修会で紹介された事例にも、シキミの実を誤ってドングリ煎餅の材料に混ぜてしまい、これを食べた全員が嘔吐、痙攣などの症状に見舞われたものがありました。ちなみにこのときにはリーダーが刑事事件としての取り調べを受けることになったそうです。
キブシ |
こちらはやや黄緑がかった黄色のキブシです。花序の根元の方が開きはじめたばかりで、先端の方はまだ開いていません。
アテツマンサク |
南原峡で春一番に咲くのがマンサクです。ここの木は花の中心まで黄色いのでアテツマンサクだと思います。
2月のうちから咲く早起きの木で、「まず咲く」から「マンサク」だそうです。でも4月ももうそこなのに。「まだ咲く」から「マンサク」と言ってもいいのかも。
さあ、天ぷらだぁ! |
腹が減ってきました。
いよいよ本日のメインイベント。この春きれいに改装された野外炊飯施設で天ぷらを作ります。
各自が思い思いの食材を持ち寄り、また、さっきの自然観察のとき下品にならない程度に食材(スイバやツバキの花など)をいただき、テーブルの上は美味そうなものであふれかえっています。
目移りしそう |
ちなみに材料は、スイバ、ユキノシタ、茶の葉、ミツバ、ツクシ、カンゾウ、ダイコン(葉)、フキ、ヨモギ、カラシナ、クレソン、ツバキ、タラノメ、コウヤミズキ、スミレ、ノイバラ、アザミ、イタドリ、… 紹介しきれません。
んっ!これはゴーヤ? 何?これはタコのぶつ切り? なんと小イワシまでも。
そんなの生えてたか?
菜の花、投入 |
揚げたての天ぷらは、やっぱサイコー!!
はっきり言ってウマイです。衣の付け方も玄人はだしです。
ササの葉をあぶって煮立て、笹の葉茶をたてている人、蕎麦をゆがいて天ぷら蕎麦を作る人。カンゾウのぬたを作る人。みんな多彩な芸を披露しています。腹を満たして寝てしまいながら雑炊ができあがった瞬間目を覚ます人もいましたが、これも芸のうちかもしれません。
これぞ山菜天ぷら蕎麦 |
この天ぷら蕎麦の具はカラシナとツバキ(花)です。
なぜか最後にはアイスクリームまで登場して、もう食べきれません。
大好きな春がやってきてただでさえも嬉しいのに、今日はさまざまな黄色の花で飾られる渓谷を歩くことができて、大満足の春の一日になりました。そして気の置けない仲間達との楽しい食事。しかも自然の中で。
今回の企画を担当してくれたO氏夫妻に大感謝です。
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