武蔵丘陵森林公園 〜武蔵野の森、のんびりと〜


 

【埼玉県 滑川町 平成18年7月2日(日)】
 
 今年もあっという間に半分終わってしまいました。月日の流れるのは早いもの。この調子でうかうかしていると、気がついたら正月なんてことになるかもしれません。
 そんな目の回るような毎日ですが、ウィークデーによれよれになった体をリセットしてくれるのは、やっぱり野山。今日は埼玉県のほぼど真ん中にある武蔵丘陵森林公園に行ってみました。
 この公園は全国に15箇所ある国営公園のうちの一つ。武蔵野の面影を残す広大な園内に都市型公園が散在していて、それらを一週17qのサイクリングロードがつないでいます。
 
                       
 
 首都高5号池袋線から外環道、関越道と走り、埼玉県の東松山ICで一般道へ。5分も走ると森林公園です。何しろ広い公園なので入り口も4箇所あり、今回は中央口から入ることにしました。

 中央入口

 園内は南北に長く、さながらひょうたんを縦にのばしたような形。ちょうどひょうたんのくびれの部分に中央口があります。まずは北側の公園を散策してみようと思います。(公園HP

 中央入口

 記念広場に向かう小径は林の中。ひんやりとしています。すぐ近くからオオルリの声。あたりが静かなだけによけいに大きく聞こえます。

 ハキダメギク

 倒木更新の跡なのか林の中にぽっかりと開けた空間。足下にハキダメギクの小さな白い花が咲いていました。もともと熱帯アメリカからの帰化植物ですが、こんなところにも入り込んでいるとは。

 オカトラノオ

 アカマツ林の林床で風に揺れているのはオカトラノオ。今にも降り出しそうな天気なので、しめっとした感じの風ですが。

 ツリバナ

 梢の葉陰に丸いものが。ツリバナの若い果実です。この果実は秋に赤く熟すと5つに裂けて、裂片の先に種子をぶら下げます。花は繊細で、まさに名前どおりの姿。花といい実といい、どちらもモビールのようです。

 ツリバナ (2001.5.13宇賀峡)  ツリバナ (2005.9.23 阿佐山)

 園内の散策路には人影もまばらです。天気のせいもありますが、園内があまりに広いのでそんなに人を見かけません。

 ハエドクソウ

 ハエドクソウ科、ハエドクソウ属、ハエドクソウ。この科は1属1種のみです。別名、ハエトリソウ。昔、この根を煮詰めた汁で蝿取り紙を作ったことから名が付けられたとのことです。

 湿地性植物見本園  オオバジャノヒゲ

 湿地性植物見本園というところへ行ってみました。木道の上には剪定された葉が散乱していました。ここはメインルートからはずれているところなので、ますます人気(ひとけ)がありませんでした。湿った空気が腕や首にまとわりつくような感じです。

 チョウトンボ

 小さな池のほとりにチョウトンボが。このトンボは飛び方が優雅で、あっちでヒラヒラ、こっちでヒラヒラ。がむしゃらに羽ばたくことはせず蝶のように舞う。その名がチョウトンボというのも頷けます。滑るように飛ぶヤンマ類や細かくホバリングを繰り返すイトトンボ類とは、はっきりと違います。

 オオバノトンボソウ

 今度は南側の公園に行ってみましょう。「野草コース」という散策路を歩くと、あちこちにオオバノトンボソウの花(?)を見ることができました。そう、花というイメージとはほど遠いのですが、この姿がもうじき開花といった状態なのです。

 コバギホウシ

 コバギボウシも咲き始め。雲間からこぼれはじめた日の光を、濃い緑色の葉が反射しています。

 分山沼

 園内に30以上もある沼のうちの一つ、分山沼です。鏡のような水面。木々の枝も微動だにしていません。

 タカトウダイ

 「高燈台」 油を入れた皿を置く燈台になぞらえた名です。茎頂の花の部分がポッと明るく発光しているかのように見えるのはyamanekoだけ?

 ギンバイソウ  クマガイソウ

 谷地の奥、水気の多いところにギンバイソウが蕾を着けていました。また、その横の小さな丘の東斜面にはクマガイソウの丸い葉が。この場所はいろいろなものが見られそうです。

 谷地

 さすがにシーズンには三脚を抱えたカメラマンがわんさか訪れるそうで、木道やロープなど、その保護のための対策があれこれ講じられていました。

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 変わった形のキノコです。高さは15pほど。広島のMさんがいてくれたら、何なのか分かったかもしれませんが。

 カワラナデシコ  ウツボグサ

 丘の上の比較的乾いた場所に出ると、カワラナデシコやウツボグサなど草地性の花に出会えます。

 ホタルブクロ

 「蛍袋」 なんと風情を感じさせる名でしょうか。浴衣と団扇で夕涼みでもしたくなるような名と姿です。

 梅雨明けは?

 午後3時近くになってようやく晴れてきました。まだ7月に入ったばかりで、梅雨明けはずっと先のことでしょう。
 最近は休日ももっぱら休養に充てることが多くなって、野山から足が遠のきがちですが、出かけてみるとやっぱりリフレッシュでき、パワーをもらって帰ることができます。
 さて、次はどこにでかけような。