宮島・杉ノ浦〜大元公園 〜今年も春がやってきた〜
![]() |
【広島県宮島町 平成16年3月21日(日)】
3月の定例観察会は宮島です。
テーマは「体験しよう春の息ぶき」 宮島の市街地を縁取るように延びる遊歩道を歩きながら、近づく春の足音を感じようというものです。
宮島桟橋前 |
午前9時30分。集合場所の宮島桟橋前に集まったのは66人。
参加者には、コースマップと今日見られそうな樹木の葉のミニ図鑑が配られました。
今日のリーダーの丸平さんからは「『これ何ですか?』って聞く前に、まずそのものをじっくり観察してください。そして、手元の資料と見比べてください。それでも分からないときに初めてお近くの指導員に尋ねてみてください。」とアドバイスが。聞かれても満足に答えられない指導員も(ここに)いるので、このアドバイスはyamanekoには有難い限りです。
|
今日のコースは、まず宮島桟橋をスタート。小学校のわきを通って杉の浦へ向かいます。
そこから杉の浦林道(赤)、うぐいす歩道(ピンク)、モミジ歩道(黄緑)、アセビ歩道(水色)と歩き、大元公園がゴールとなります。解散は15時を予定しています。
ヒサカキ(雄花) |
低山に春の訪れを告げる独特の香り(匂い?)が漂ってきました。ヒサカキです。
細い枝に鈴なりに花が付いています。雄花、雌花、両生花。花を覗いて確かめてみるのも面白いでしょう。
イヌガシ(雄花) | イヌガシ(雌花) |
今日一番目立っていた花はイヌガシでした。遊歩道沿いのいたるところで目にすることができます。パッと見で見分けられるのは一年のうちのこの時期だけ。花の時期が終わるとなかなか難しいです。
オガタマノキ |
オガタマノキの花が咲いていました。モクレン科だけあってモクレンの花に印象が似ています。
漢字で表すと「小賀玉木」とも「招霊の木」とも書き、神社によく植えられています。葉からは香料を、樹皮からはとりもちが採れるのだそうです。
散策路 |
散策路の片側は法面で低くなっているので、高木であっても目の高さで観察できるのがうれしいです。
けっこう長い距離ですが退屈することがはありませんでした。
アセビ |
シカの食害に悩む宮島でも、このアセビたちはあちこちで美しく咲き誇っています。
アセビは有毒なのでシカも敬遠しているようです。
シキミ |
有毒といえばこのシキミはシャレにならないくらい強力な毒をもっています。特に果実は猛毒で、「悪しき実」から名が付いたともいわれています。花の姿はこんなに清楚なのに。
今日のリーダー 丸平さん |
沿道の桜は咲き始めといった感じですが、天気は花曇り。陽射しがないので昼食の時など少し肌寒く感じました。
ミミズバイ(果実) |
宮島の植生を語るときに欠かすことができないのが、このミミズバイです。
ミミズバイはフィリピンの山岳地帯など南方系の高山植物なのですが、これが暖温帯の針葉樹のモミの周りに群生している風景は、ここ宮島でしか見られないのだそうです。そもそもモミがこんな海抜数メートルのところにニョキニョキそびえ立っていること自体不可思議ですが。
ちなみにミミズバイの名は、果実の先を正面から見たところがミミズの顔(?)に似ているからだそうです。
モミの幼樹の保護柵 |
ここ大元公園にも威風堂々としたモミの大樹があちこちにそびえています。
しかし、このモミもシカの食害の脅威にさらされていると聞いてちょっとビックリしました。モミの幼樹をシカが食い尽くしてしまうのだそうです。
大元公園にあるモミ90本を調べたところ樹齢40年未満の若い木は非常に少なく、40年後には半減、70年後にはほぼ全滅してしまうという調査結果もあります。
幼樹を保護柵で囲うのは当面の処置として、根本的な解決策としてはシカを深山の生活に戻す他はないようです。人間が与える餌やゴミの味を忘れさるのには長い時間がかかるでしょう。でも、ゴミのビニールを食べてそれが胃に溜まり死んでしまうシカが多くいるのですから、シカ自身のためにも山で暮らすことが良いのは確かです。
午後3時、予定どおり閉会の時間となりました。
ケガ人もなく、今回もデイパックのなかの救急用具を使わずに済んだことに一安心です。
これで今年度の定例観察会はすべて終了しました。下見は何回か参加できないことがありましたが、本番は皆勤賞です。来年度も観察会でしっかり遊びたいと思います。
大元公園から桟橋に戻る道すがら、町屋通り(観光客が通る海沿いの道から一本山側にある、民家の中の道。昔はメインの参道だった。)沿いの店々に雛人形が飾ってありました。
宮島では3月25日から4月3日まで、「ひなめぐり」といって道行く人から見えるように店々が昔からの雛人形を飾るのだそうです。今日はそのお披露目でした。
![]() ![]() |