クロカンパーク 〜平日の遊びは満足度120%〜
【広島県西城町 平成16年5月12日(水)】
いつのまにか5月も半ば。一年のうちでも野山の姿が急激に移り変わるころでもあります。
今日は代休。天気も上々。
この時期サクラソウの開花のニュースが毎年のように伝えられる、西城町のクロカンパークに行ってみることにしました。連れは妻のみです。
ドリーム号に乗り込んだのは午前9時。鳥取県との境近くにあるクロカンパークに着いたのは11時前でした。
クロカンパーク (遠景は道後山) |
クロカンパークは、世界を相手に戦うトップアスリートに最高のトレーニング環境を、といったコンセプトのもとに造られた、高原のクロスカントリーコースです。体育館入り口に飾られているたくさんの有名チームの色紙を見ると、全国からここを目指してやってきていることが分かります。
見上げるとシャワーのような日差し。今日は紫外線が強そうです。
受付で入園料一人200円を支払って園内へ。職員の方が「サクラソウ(が目当て)ですか?」と声をかけてくれたので、「それもですが、そろそろヒメザゼンソウの季節じゃないかと思って。」と応えました。実際、今日はヒメザゼンソウの方がメインターゲットなのです。
ヒメザゼンソウの林 |
明るい林にそっと入ってみると…、あった、ありました。
全体的にはこれからといったところですが、生育の良いいくつかの株では、その中心に小さな仏炎苞を見ることができました。高さ3〜4cm。触ってみると肉厚で弾力がありました。
(全体像) |
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ヒメザゼンソウ |
いきなり目的を達して若干ひょうしぬけした感じではあります。
しばらく林の中でまったりとしたあと、自然が色濃く残る敷地の奥の方へ向かって歩き出しました。
道ばたの明るい草地でヒメハギを見つけました。
しゃがんでよく見てみるとなかなかおもしろい花です。
ヒメハギ |
左右に張り出した花弁のように見えるのは実は萼片。 花弁は3枚で、筒のように前方に突き出しています。その先にある白い房のようなものは、3枚のうちの1枚の先端が細かく裂けたものだそうです。
ちょっと失礼 |
白い房を小さなピンセットで下側に押してみると、中から雄しべと雌しべが出てきました。よく目立つ白い房で虫を誘って、虫が房の上に乗っかると雄しべが現れて花粉をつける仕組みでしょうか。ピンセットを離すと花弁はゆっくりと元に戻りました。巧くできています。
ズミ |
弁当 |
強い日差しを避けて、木陰で昼食をとることに。今日は久しぶりに自家製おにぎり。これならおかずはタクアンだけでもOKです。
ハンカイソウとサラシナショウマの湿地 |
木道を歩いていると足下にピンクの塊が。この時期の人気者、サクラソウです。
サクラソウ |
まるでペーパークラフトのような花びらです。
アマドコロ |
アマドコロもようやく花を開き始めたところ。これはホウチャクソウとは異なり、花弁が筒状に合着しています。
ムラサキサギゴケ |
ムラサキサギゴケの花にも虫を呼ぶ工夫が。夜、飛行場に着陸するときの映像を思い出してください。滑走路に並ぶ誘導灯が着陸位置を示してくれています。この花の下唇にある斑点も「ここに着陸してよ」と虫にメッセージを送っているようです。
ユキザサ |
ユキザサです。ちょうどいいタイミングで出会えました。あと半月もすると丸い実が房のように付いているはずです。それが秋には透明感のある赤に熟れていきます。
サクラスミレ |
駐車場に戻り休んでいると、職員の方が「サクラスミレは見た?」 県のRDBに掲載されている種だとか。
花柄や葉柄などに毛が多く、2枚の長心形の葉を出すのが特徴だそうです。
サクレスミレの「サクラ」は、花の色ではなく、花弁の先端が桜の花びらのようにへこんでいることからだそうです。
夕方も近くなり日差しが弱くなってきました。でも半袖から出た二の腕は日に焼けて赤くなっています。
職員の方にお礼を言ってそろそろ帰途につくことにしました。
そういえば今日は平日。ふっふっふ、いつもにましてリフレッシュできたのはなぜ?
※ この職員の方、Mさんといって、5年前の自然観察指導員講習会でyamanekoと同窓生だったとか。人から聞きました。