小室井山 〜日だまりの山歩き〜


 

【広島県吉和村 平成14年12月1日(日)】
 
 今日からいよいよ12月。
 1ヶ月前、雪の掛頭山に上がったのに、きょうはポカポカの陽気。暖冬の長期予報を平年並みの寒さに訂正したとたんに、この暖かさ。なんか、予報が後手後手に回ってないですか?
 
 こんな日は日差しを浴びながら山歩きするのがよいでしょう。
 そこで吉和村にある「もみのき森林公園」の裏山、小室井山に登ることにしました。標高は1072mですが登り出しのもみのき荘が900m弱なので、お手軽です。

 小室井山
 (村役場側から)
 もみのき荘は尾根の向こう側
 

 予定では頂上で昼食を食べられるように登り出すつもりだったのですが、もみのき荘に着いてみたら、今日は「シクロクロス広島大会」が開催されていて、登山道の一部がコースに使われていました。

 シクロクロスとは自転車のクロスカントリー競技だそうで、参加者数からするとかなりの規模の大会のようでした。
 聞いてみると昼には終わるということなので、それまで車の中で睡眠です。
 
 12時過ぎ、ようやく登り始めました。
 思ったとおり日だまりの中を歩いていきます。落ち葉を踏む音も気持ちいい。

 変化を楽しむために、登りはウエットな谷筋を、下りはドライな尾根筋を。
 公園内なので登山道は整備されています。
 
 すぐに汗が出てきました。足を止めて汗を拭くと、頭上の梢から「ギャエ、ギャエ」とカケスの声が。西日本にはいないけどオナガにしても、このカケスにしても、カラスの仲間だけあってとても美声とはいえません。ルックスはいいのですが…。

 モミノキの葉

 「もみのき森林公園」なのでモミノキを。
 葉は枝から斜め上に出るのと斜め下に出るのとの2列に並んでつきます。
 樹形を見ると、枝がそれぞれ幹から斜め上に向かって伸びるので、この木からは何かハツラツとしたイメージを受けます。
 でも、その枝に雪が積もると、ぐっと下にしなって雪の重みに耐えるのです。力強さも併せ持った木なんですね。

 空を区切るブナ

 谷筋の登山道は石がゴロゴロしていますが、一面に落ち葉が敷き詰められているので気になりません。
 ウリハダカエデ、ホウノキ、ミズナラ、ブナ…、いろんな葉が、春からの役目を終えてそこにあります。

 ツルウメモドキの
 カプセル

 頂上下に少し急登があって、そこでまたどっと汗が。
 そして頂上です。
 先客の熟年夫婦と世間話をしながら遅い昼食をとりました。

 大峯山

 南方向の視界が開けていて、約9q先の大峯山がくっきりと見えました。
 
 下りはいくつかのピークを上り下りしながら尾根筋を歩きます。
 日陰には残雪が。

 ところどころ木立の中で目を閉じて感覚をとぎすまします。高い梢に残っている枯れ葉がそよぐ音。そしてまったくの静寂(シーンという耳の中の音に気がつくほど)。またしばらくすると風の渡る音。
 こんな非日常の中に身を置くと、一週間溜まった心身のアクが抜けていくような気がします。
 
 


 
 昨日の会合でノッポのTさんが「立岩のダム(鱒留ダム)にはもうオシドリが渡ってきただろうか」と言っていたので、帰りに寄ってみました。
 すると、いました、いました。3羽ほど。先遣隊でしょうか。3羽とも地味な色合いだったので、みんな雌なのか、それともエクリプスの雄が混じっているのか。遠くで嘴の色まで分かりませんでした。
 
 さあ、リフレッシュしたことだし、しょうがないから明日から仕事、がんばるか。