天橋立&城崎 〜駆け足のバス旅行…(疲)〜


 

【京都府宮津市&兵庫県城崎町 平成15年3月16日(日)】
 
 むかし、社員旅行というものがありました。
 永遠に続くと皆がその終焉を疑わなかった経済成長。終身雇用を前提に会社は丸抱えで社員の面倒を見、社員は企業戦士として会社に忠誠を尽くす。そんな組織と社員との密な関係の中で「社員旅行」の果たす役割は決して小さなものではなかったはず。日頃無愛想な部下の思いがけない気配りを発見したり、宴席で隣に座った犬猿の上司と思いがけずに打ち解けたりと、その功はともすれば煮詰まりがちな社内にあって一匙の差し水のようでもあったでしょう。(もっとも宴会セクハラなど罪も少なからずあったのかもしれませんが。)
 時は移って平成のこの世。先の見えないデフレスパイラルに飲み込まれ、会社は社員の面倒を見ようにもそんな体力はどこにもなく、世代間に横たわる埋めがたい価値観の開きとも相まって、もはや「社員旅行」という言葉自体が完全に死語になってしまいました。(ドキュメンタリー調で)
 
 と〜ころがどっこい!そんなくどくどした話とは無関係に、たまにはみんなで盛り上がろうということで、何年かぶりに社員旅行に行くことになりました。もちろん費用は会社持ち、ではなく自腹です。このご時世にあってほぼ全員参加とは、ひょっとしてウチって結束力が強いのかも。それとも皆暇なのか。
 行き先は天橋立と城崎温泉。サロンバスで行く1泊2日の強行軍です。
 
 1日目はただ黙々と目的地を目指し、夕方に天橋立のホテルに到着。バスを降りるその足がふらついていたのは、決して長旅のためだけではなく、延々と飲み続けた酒によるところ大なのでした。
 
 2日目はようやく観光です。右手小指の皮がむけていてヒリヒリ痛いのと上腕三頭筋の鈍い痛みは、昨夜のゲームコーナーで白熱したエアホッケーのバトルの痕跡です。この痛みが飲み疲れの体に軽い後悔を蘇らせました。

 日本三景 「天橋立」

 明け方からの濃い海霧が晴れると青空が広がってきました。
 でも、天気予報は午後から雨。束の間の晴れ間です。
 この海を渡る龍の様な砂州は、日本海から宮津湾に流れ込む沿岸流と、阿蘇海(内海)に流れ込む野田川の流れがそれぞれ運んできた土砂によって、長い時間をかけて作られたものだそうです。
 天橋立を見下ろす傘松公園がかの有名な「股覗き」のできる場所です。ここには股覗き発祥の地と書いた幟が立っていましたが、発祥したはいいものの、どうやらどこにも伝播しなかったようですね。他では聞いたことがありませんから。

 マルバマンサク

 日本海に面したここ丹後の地にも春はもうすぐそこまで来ているようです。
 林の縁にマンサクの花が咲いていました。ここの場所から判断するとマルバマンサクでしょうか。この時期は葉がないので確認はできませんでした。
 
 次は城崎に向かいます。
 ここでもあまり時間がないので、7つある外湯めぐりは次回のお楽しみということにしておきました。
 そのかわり街並みを散歩してその情緒を味わいました。何とも言えない雰囲気が否が応でも旅の気分を盛り上げてくれます。

 城崎の街並み

 
 裏通り

 古くからの温泉場らしく、旅館の庭も歴史を感じさせます。こんなところに逗留したなら文豪でなくとも名作が書けそうです(気のせいです。)。歩く速さもいつもとは違って自然とゆっくりになっていきます。

 第28号泉

 岩のてっぺんから源泉がわき出ています。隣にはちゃっかり温泉タマゴの店も。
 
 

城崎外湯めぐり 7つの外湯
 
 まんだら湯
  (商売繁盛・五穀豊穣)

 
 鴻の湯
  (夫婦円満・不老長寿)
 
 御所の湯
  (火状防災・良縁成就)
 
 地蔵湯
  (無病息災・福徳円満)
 
 柳湯
  (子授け・安産)
 
 さとの湯
  (自然回帰)
 
 一の湯
  (合格祈願・交通安全)
 

 外湯の外側だけを見て回っただけで時間いっぱいになってしまいました。
 ところで、城崎町役場には「温泉課」ってのがあるのです。なるほど。

 役場の建物とは離れて、さとの湯の建物内にありました。


 さあ、あとはまたバスで飲んで、いやバスに乗って広島に帰るだけです。
 
 なんとなんと、この2日間でトータル15時間もバスに乗っていました。ということは昼間だけで15時間も飲んでいたということか!加えて夜の宴会でも…。
 あぁ、肝臓くん、胃腸くん、ゴメンなさい。