深入山 〜川だ!山だ!JPRその2〜


 

【広島県戸河内町 平成14年10月6日(日)】
 
 6時起床。はっきり言って、山の朝は寒い!今日は雲が低くたれこめているのに。
 前日の夕方仕掛けた小動物トラップの成果を確かめに、子どもたちと林の中に入りました。
 残念ながら何も捕まってはいませんでしたが、朝の林の主人公、鳥の歌声を堪能することができました。
 
 朝食後は、小刀を使っての工作です。サクラの小枝でペンダントを作ります。

 とりかかる前に、刃物の扱い方について厳しく指導。このときばかりは子どもたちも緊張感をもって聞き入っていました。
 みんな結構大胆にやっています。危なっかしいけど大人は手を出しません。そのかわり危険な状況になりそうだとビシッと注意がとびます。オースケは果敢にも太い枝を選んだのですが、かなり悪戦苦闘していました。

 完成品

 次はモモンガの巣箱作りです。
 ここの林にはまだ大木が育っていないので、小動物が巣を構えるような洞などもありません。そこで巣箱を掛けてモモンガに来てもらおうというのです。

 「ここは15pだろ」

 各班とも細長い板を1枚渡されて、まずは設計図にしたがって線引きです。見ていると、こういうときにはもりりんがリーダーシップをとるようです。

 完成間近

 ノコギリを引くのはたっくんが上手。あーちゃんは板をしっかりと押さえながら「引くときに力をいれるんだよ。」とアドバイスしています。
 ふーこはどうやら釘に興味をもったようで、釘を独り占めして、必要に応じてみんなに渡していました。みんなもそれを咎めるでもなく、自然と役割分担ができていきます。

 とうとう完成です。
 ハリギリの葉で屋根をドレスアップして、「できたー!」
 これからみんなで林に入って、巣箱を取り付けました。

 ここならいかにもモモンガが来てくれそうです。
 この巣箱にはみんなの名前やメッセージが書かれていました。ちゃんとyamanekoが書くスペースもとってありました。

 ママコナ

 ママコナの写真を撮っていると、いつのまにかふーこがとなりにしゃがんでいました。
 花の中にあるご飯粒のことを話すと、ふーこはうなづくでもなく、ただ花の中をのぞき込んでいるだけ。
 さっきも足元のキノコを見ながら「キノコ(の胞子)はいいなぁ、飛んでいける。」と、ぽつり。きっと自然と対話ができるのかもしれません。
 
                  

 昼食後、今回の活動のふりかえりを兼ねて、過去3回のJPR活動のスライドショーをみんなで観ました。
 自分の知らなかった、宮島や大久野島での子どもたちの様子を観ると、笑われそうですがなんかジーンとくるものがありました。みんながだんだん打ち解けあっていった過程が見てとれるのです。
 
                  
 
 帰りのバスの中でも子どもたちは元気です。過去2回の帰りの車内では子どもたちは疲れて爆睡していたと聞きましたが、みんな、別れがたいのか最後までかなり盛り上がっていました。
 自分は何度となくウトウトしていましたが、その都度前のシートにいるふーこがちょっかいを出してきます。
 そして広島駅が間近になった頃、「ねえ、来年もボランティアに来る?」
 これは嬉しかったです。
 
 今回のボランティアはまさに自分にとっての勉強でした。本当によかった。あーちゃん、オースケ、たっくん、もりりん、ふーこ、みんなにお礼が言いたい気持ちです。
 (振り返ると、自分が一番成長を促されたのかも。)