石鎚山 〜西日本最高峰修験の山〜


 

【愛媛県面河村 平成14年8月14日(水)】
 
 四国カルストを歩いた翌日は石鎚山へ。といっても山頂を極めるわけではありません。標高1492mにある土小屋までは車で上がれるので、その周辺を散策しようというわけです。ただ、あいにく朝から小雨が降ったり止んだりの天気になりました。
 ちなみに土小屋の標高は「いよのくに」で1492m。本体の石鎚山は1982mです。今から20年前、テレビのニュースで「今年は石鎚山の標高と同じ年なので盛大に山開きを行います。」と言っていたのがなぜが頭の片隅にずっと残っていて、以来石鎚山の標高は暗記してしまいました。

 この天気なので石鎚山の主峰は望めませんでした。
 しかしこんな険しい山で修験の道を極めた人は仙人になったと言われても信じられるような気がします。

 ウラジロモミ

 土小屋周辺にはウラジロモミの純林が広がっていました。四国では珍しい植生なのだそうです。一般には、ウラジロモミは亜高山帯で落葉広葉樹やコメツガなどと混生するそうです。



 タカネオトギリ  キツリフネ

 周辺を散策すると最初にタカネオトギリに出会いました。葉が披針形になるのが特徴です。
 また、キツリフネの群落があったのですが、みな花弁に深い切れ込みがありました。一般にツリフネソウやキツリフネの下側の花弁はもともと2個であったものが合着して浅いくびれがあるのみなのですが、ここのものは完全に上側1個、下側2個の状態でした。

 マルバノテンニンソウ

 土小屋からは東側の高知県本川村に向けて細い県道を下ります。道の脇にはマルバノテンニンソウの群落があちこちに見られました。
 四国の東端、徳島市から紀伊水道に流れ込む吉野川の源流がこの谷にあると初めて知って、少なからず驚きました。

 


 午後、愛媛県新居浜市にある県立総合科学博物館に行ってみました。
 博物館好きにはこたえられない展示内容です。わざわざここまで足を延ばしたのは特別展として「花物語」というのをやっていたからです。

 入り口でもらうパンフレットがまた立派。とてもパンフレットなどというようなものではなく、全46ページ、オールカラーで、その記述も含め植物の解説書として十分市販できるものでした。

 「虫になってみよう」のコーナーでは、巨大なツリフネソウやノカンゾウが展示されていて、実際に子供が虫のように入ることができるのです。

 植物のレプリカも極めて精巧。ひょっとしたらあの海洋堂が製作に関与しているのでは、と思ったほどです。