氷ノ山 〜仕事の合間の小旅行〜


 

 【鳥取県若桜町 平成14年9月7日(土)】
 
 木曜日から翌月曜日まで鳥取で仕事をしていました。
 中日の土曜日は仕事が空いたので「ぶらり途中下車の旅」 車だん吉気分でのんびりです。

 若桜鉄道  若桜駅 なんか懐かしい雰囲気

 鳥取からJR、若桜鉄道を乗り継いで終点の若桜駅で下車。
 朝からあいにくの雨模様ですが、更にここで「クローバーバス」という小さな路線バスに乗って、終点の氷ノ山(ひょうのせん)に向かいました。
 車内は若桜駅前のスーパーで買い物を終えて山間の集落に帰っていくおばあちゃんの集団(7人くらい)のみ。まだ朝の10時すぎなのに、もうショッピングを終えて家路についているのです。田舎のお年寄りの朝は極端に早い!
 みなさん運転手さんとも旧知の仲のようで、自分だけ違和感ありまくりでした。

 響の森

 雲の中に氷ノ山の山頂(1,510m)があります。

 終点で降りたのは自分ひとり。幸いにして雨はふっておらず、雲間から青空ものぞいていました。
 ここは氷ノ山スキー場のその先。「わかさ氷ノ山自然ふれあいの里」というエリアで、ネイチャーセンター「響の森」や宿泊施設、キャンプ場などがあります。

 「響の森」には氷ノ山の植生や地形、地質などの資料が展示してあります。大きなホールに森のジオラマがあり、10分おきに昼と夜を繰り返していました。この森に入ったときは他に観覧者がいなかったので(土曜日なのに!)気持ちいい空間を独り占めでした。
 
 外に出て、今度は本当の森を歩きます。全身を湿気が包み、聞こえてくる音もサラウンド。やっぱり本物が一番です。

 キツリフネとツリフネソウがお揃いで。その後ツリフネソウの白花にもお目にかかりました。距が巻いているので、キツリフネの白花ではないのでしょう。きっと。

 山道はまず植林の杉林の中へ。林床にはギンバイソウの大群落が広がっていました。

 テンニンソウ  トリカブト(何トリカブトであるかは不明)
 サラシナショウマ  オオカニコウモリ
 ソバナ

 東中国山地の中でもここ氷ノ山周辺にはツキノワグマが多く暮らしています。
 一人の山歩きにはちょっと緊張がともないます。

 大トチたち

 山道が広葉樹の自然林に入ると、見上げるような大トチの森に度肝を抜かれました。巨木たちは山肌の急な斜面に踏ん張って、その枝々は空を覆い尽くしていました。足下にはトチの実がたくさん。

 トチの実

 昼メシ時はとっくに過ぎていたので、腹がペコペコ。登山口まで下りて「峠茶屋」という小さなお店で昼食にしました。

 登山口  鴨丼(750円)

 帰りは3時のバスをのがすと大変なことになります。あわてて乗り込んでふもとの若桜駅まで下りていきました。
 ところが駅について列車の時刻を見てみると、次はなんと1時間後。
 さてと、どうするか。駅舎の中を見渡すと、無料レンタサイクルがあると張り紙がしてあります。
 これこれ、と思ってレンタルして、静かな若桜町の町並みを見てまわりました。

 レンタルした「さくら3号」

 若桜鉄道の切符は、今では懐かしい「硬券」でした。切符に「ハサミを入れる」なんて平成生まれの人にはほとんど理解してもらえないでしょうね。

 ベンチも昔ながらの木造で、いい雰囲気

 


 おまけ

 先日、広島の深山でカリガネソウに出会ったので…。

 カリガネソウ