平和大通り 〜ぶらっと樹木ウオッチング〜


 

【広島市中区 平成14年10月27日(日)】
 
 今日は平和大通りをぶらっと歩きました。ここは今年1月に定例観察会を行ったところで、今日も路側帯に植えられている公園樹をウォッチングするのが目的です。
 まだ落ち葉の時期には少し間があり、青々とした葉に覆われた木々もたくさんあります。
 平和大通りは通称「100m道路」ともいい、路側帯や側道を含めると道幅が100mにもなることからこう呼ばれています。焼け野原からの都市計画だったからこそ実現した公園道路です。

 シラカシ

 まず目についたのはシラカシ。果実はまだ青いです。でも別の木ではたくさんの果実を落としているシラカシもありました。

 変なクスノキ

 すべての葉が舟形に湾曲したクスノキがありました。はじめ「こりゃ何じゃ?樹皮はクスノキだがな。」と思いましたが、葉の裏の脈の分岐点に小さな穴が空いていたのでクスノキに間違いありません。

 ケヤキ

 ケヤキは大好きな樹木です。樹木の中で一番好きかもしれません。
 この木はいったい何歳くらいでしょうか。

 オリーブの果実

 紀元前3000年くらいから栽培されていたそうです。
 どうもオリーブ油は苦手で、食べたあとはだいたい腹痛をおこしてしまいます。

 ユリノキ

 別名「チューリップツリー」。 枝先にチューリップのような花を付けるので、この名があります。葉が半纏に似ているので「ハンテンボク」とも。写真の葉はあまり似てないですね。

 モクマオウ  集合果

 針葉樹のマツに似ていますが南国生まれのモクマオウ科の植物です。トクサバモクマオウか?マツとは縁もゆかりもないそうです。
 松葉に見える部分は枝で、その先端に花が付きます。

 アメリカデイゴ

 エキゾチックな花です。マメ科の植物の花には旗弁といわれるベロ状の花びらが上向きに反り返って付いているものが多いですが、これは花柄がねじれ反転していて、旗弁が下側になって付きます。この方が虫が入りやすいのかも。(違うかも。)

 メタセコイア   葉と集合果

 昭和20年に中国で発見されるまで、メタセコイア属の植物は絶滅したと考えられていたそうです。
 それにしてもスッキリした樹形の木ですね。

 ナンキンハゼ

 ナンキンハゼの紅葉は濃淡混じっていてみごとです。
 果実が開いて白い皮に包まれた種子が見えています。ウルシ科のハゼノキと同様に果実からロウを採ったことから名がついたとか。

 トウカエデ  樹皮

 中国原産だから「唐楓」。樹皮は短冊状にささくれるので見分けやすいです。この木の黄葉もきれいです。葉も小振りでかわいい。

 アメリカサイカチ

 まるでブーメランのような果実です。比較に置いたポケットティッシュで大きさがわかるでしょう。もっともっと大きなものも珍しくありません。
 この木の幹や枝にはトゲがあります。サボテンのトゲは葉が変化したものですが、この木のトゲは枝が変化したものだそうです。
 サイカチの名は古名の「西海子」から。

 ヒマラヤスギ

 実はスギではなくマツの仲間。ヒマラヤ西部からアフガニスタンにかけての地域が原産。
 ソフトボール大の「まつぼっくり」が枝の上からのぞいています。ぱっと見、キジバトが身を寄せ合っているようです。

 トチノキ

 筆の穂のような冬芽がもう来年の準備をしています。触ると指先がネトネト。
 今は周りに大きな葉がたくさん付いていて目立ちませんが、冬になると葉が葉柄ごと全部落ちて、本当に筆のような姿を見せます。


 今日歩いたのは平和大通りのごく一部。それでもこのほかに、コブシ、モチノキ、アラカシ、カシワ、エノキ、センダン、ハリエンジュ…。まだまだありました。
 これが平和大通り全体となると、いったい何種類あるんでしょうか。
 お手軽で楽しいウォッチングですが、唯一の難点は落ち葉がきれいに掃除されていること。まぁ、公園だからしかたないですね。


 体が冷えてきたので最後にお茶の時間。これが目当てでくっついてきた人が約1名。