多摩丘陵でフットパス 〜相原から七国峠〜


 

 「相原から七国峠」

【東京都 町田市 平成27年6月28日(土)】
 
 梅雨らしい天気の日が続いています。それはそれで良いのですが、時には梅雨の晴れ間も欲しいもの。今日はその梅雨の晴れ間になりそうなので、久しぶりにフットパスを歩くことにしました。場所は町田市の西端、相原周辺の丘陵地。今日は複雑に入り組む大小の谷戸を巡るフットパスです。
 
                       
 
 相原は同じ町田市であり隣町ではありますが、直通する交通機関がなく、バスにしても電車にしてもいったん橋本(神奈川県相模原市)を経由する必用があります。まあ、橋本も隣町ですが。ということで、電車で移動です。

 相原駅

 スタートはJR相原駅。橋本駅から横浜線で一駅です。駅周辺はこんな感じで、見事に何もないですね。反対側(東口)にはコンビニが1軒ありましたが。そのコンビニで飲み物などを調達して、11時5分、歩き始めました。


Kashmir 3D

 今日は相原駅から線路に沿って北上し、山にぶつかるところで谷にしたがい西方向へ。駅からずっと谷戸を遡る形です。八王子市との境界の尾根筋に上がった後、いったん町田街道近くまで下りてきたら小さな谷戸をいくつか巡って、再び市境の尾根筋へ。最後はまた町田街道に戻って終了です。

 スタート後、しばらくは横浜線に沿った住宅地を歩きます。

 ヨウシュヤマゴボウ

 これはヨウシュヤマゴボウの花序。ゴボウと名が付きますが有毒で、最悪死に至るほどの毒性を持っているとのこと。果実は一見美味そうなんですが、果汁が皮膚に付くことさえ避けたほうが良いようです。その割には結構あちこちにあるんですよね。

 ほどなく住宅は途切れ、こんな雰囲気の道になりました。ああ、子どもの頃こんなところで遊んでいたなあ。

 線路を離れ左手に伸びる大きな谷戸に入っていきます。谷戸の中は畑として利用されていました。

 谷戸の北側の縁、森との境を歩いていきます。

 タイアザミ?

 ずいぶんトゲトゲしいアザミ。このトゲトゲはタイアザミか。

 ムラサキカタバミ

 ムラサキカタバミが草に埋もれるように咲いていました。いわゆる雑草の類いですが、よく見ると可愛い花です。

 ヒルザキツキミソウ

 これはヒルザキツキミソウ。民家の庭から逃げ出したものでしょうね。

 しばらく行くと車道に突き当たりました。谷戸の奥に向かって延びています。ここは右折して車道を歩きます。

 梅雨の晴れ間とはいえ真夏のような青空です。気持ちいい。

 スジグロシロチョウ

 スジグロシロチョウ。こうやって止まっているところを写真ででも記録しないと、なんでもモンシロチョウに見えてしまいます。

 尾根筋へ

 やがてこんなものが現れました。「いらっしゃいませ」の幟は車道の突き当たりにある養鶏場の卵直売所のもの。金網の構造物は東京都が仕掛けたカラス捕獲用のゲージでした。yamanekoたちは車道を離れ、尾根に向かう小径に入っていきます。

 100mくらい歩くとすぐに尾根道に出ました。標高差は30mくらいでしょうか。この尾根が八王子市との境界になっています。鬱蒼としていますが地図を見るとすぐ北側まで宅地開発が迫ってきているようです。

 七国峠

 深い森の中を歩くことしばし。七国峠との標識のある分岐に到着しました。ただ、七国峠はピンポイントでこの地点のことを言うのではなく、この辺り一帯を指して呼んでいるようです。

 200mほど歩くとY字の分岐が現れました。何か碑が立っています。この辺りも七国峠です。 一見、墓石のようでもありますが、彫られている文字は正面に「湯殿山供養塔」とあり、湯殿山の左右に並んで「月山」、「羽黒山」と彫られていました。どうやら出羽三山信仰の碑のようで、「供養塔」とありますが遥拝所のようなものなのではないでしょうか。つまりこれを拝むと出羽三山に行って拝んだことになるということでは。

 森を下る

 分岐を左に行くと、道はやがてゆっくりと下って行きました。

 タマゴタケ

 途中で見つけたキノコ。多分タマゴタケだと思います。鮮やかな色をしています。

 ブルーベリー農園

 やがて地形が開け、ネットが張られたビニールハウス的な建物が見えてきました。ブルーベリーの観光農園です。ここは敷地のへりに沿って右側を歩いて下ります。それにしても栽培されていたブルーベリーのでかいこと! ホオズキくらいの大きさがありました。

 谷間を下り切ると小さな谷戸となり、農地の中に住宅が点在しているところに出ました。相原地区はこんな感じの場所が各地にあります。

 住宅は谷戸の奥へ奥へと入り込んでいくんですね。谷戸の中は平地に比べて耕作をする上で不便な点も多く、高齢化する農業従事者にとって耕作地を維持するのは大変なんでしょう。宅地として売れるのであれば…、ということもあるのでは。

 相原中央公園

 12時30分、少し広めの道路に出ました。ここは右折してまた山側に向かって歩いて行きます。さっきとは違う谷戸に入っていく形です。そして現れたのが相原中央公園。サッカーグラウンドとか芝生広場とかがある大きな公園のようです(敷地の大部分は山のようでしたが。)。

 アカメガシワ

 公園内のアカメガシワ。雌花です。この木は開発地の辺縁などでよく見かけますが、あまり花を意識することはないですね。よく見ると綺麗な花です。

 公園の管理棟で休憩と水分補給。照りつけるような陽射しではないものの結構暑さがこたえます。
 谷戸全面が芝生広場になっています。もともと湿潤な環境の場所のはずなのに、排水工事など結構深いところまで造成したのではないでしょうか。隣接する両側の森の環境も変化していくでしょうね。

 公園に隣接して老人ホームがあり、その前から反対側の丘に登っていきます。丘に隔てられた隣の谷戸に向かうのです。今日は登ったり下りたりの連続ですな。

 丘を登ると南側の風景が開けていました。遠くまで低地が続いています。この空間は太古から相模川水系が削り広げたもの。遠くに丹沢の山々も見えています。

 そのまま道を下って住宅地の中へ。そして町田街道に出る手前の道を右折します。ちゃんとフットパス用の標識がありました。

 鎌倉古道

 しばらく集落の中を歩いた後、再び相原中央公園のある谷戸に向かって丘を登ります。鬱蒼としていますが道ははっきりとしていました。この小径は鎌倉古道といい、七国峠に続いています。なんだか同じようなところを行ったり来たりしていますね。

丘を下ると車道が現れました。4つ前の写真に写っている道の延長で、そこから300mほど谷戸を遡ったところになります。ここは道を横切る形で支谷戸ヘ。案内標識には「大日如来→」とありました。

 鎌倉古道も民家が途切れるとこんな感じの道に。なんだこのジャングルは。先頭を歩く者はクモの巣に注意です。

 あと100mほどで七国峠というところで突然左手に階段が現れました。かなり急で滑りやすそうですが、ここを登っていきます。

 大日如来堂

 1時30分、急な階段を登りきったところに異空間が出現。森の中にポッカリ空間が開けています。正面のお堂が大日如来堂でこの広場はその境内のようです。お堂の隣には石碑があって「関七州見晴台」とありました。今は木々に囲まれ眺望は全くありませんが、昔は眺めが良かったのかもしれません。ここが七国峠の名前の元でしょうか。

 小休止の後尾根道をゆっくりと下っていきます。大日如来堂に行くのならこっち側から登ってきた方が歩きやすいようです。

 ほどなく急な階段が現われ、ここを下っていきます。さっき登ってきた谷戸とはまた別の谷戸に下りて行く形です。

 谷戸の出口が見えてきました。左手に見える大きな建物は老人ホームです。 この先すぐに車道に出るので、そこで右折です。

 都道506号

 で、右折するとこの風景。ここまで来るとゴールは間近です。ここから写真正面にあるラッテという有名なアイスクリーム屋に向かいます。ちなみに、左手は東京家政学院大学の敷地です。

 ラッテ

 ここがラッテ。正しくは「町田あいす工房ラッテ」といいます。地元の酪農家の新鮮な牛乳を使っているのが人気のようです。

 入り口前にいたウシ君。店内は混んでいたのでここのベンチで食べることにしました。

 購入したのはバニラとチョコチップ。定番をチョイスして評判通りなのかを確認です。で、もっぱら好き嫌いの観点から言うと、市販のアイスに慣れてしまっているせいか、想像していたほどの濃厚感はなく、舌触りもちょっと緩めだなと。でもこれほど賑わっているということは、これがナチュラルなアイスクリームなんでしょうね。

 店の奥にはこんな庭園スペースも。左手にはアイスだけでなくミルクやチーズの工房がありました。

 相原十字路

 アイスでまったりしたら今回のフットパスもいよいよ終了へ。車道を相原十字路に向かって歩きます。

 終点

 2時30分、相原十字路バス停に到着しました。ここが今日の終点です。歩行距離約7km、所要時間は3時間半でした。結構暑かった。
 今日は夏の日差しの下で野山歩きを楽しむことができました。これからまだ梅雨は続くでしょうが、こうやって気分転換をしていきたいと思います。
 


 昼食

 昼食を食べていなかったので、バス停の前にある開都といううどん屋に入ることに。ざるうどんのつけ汁が2種類あって味に飽きがきませんでした。