大山山麓 〜悠々キャンプ〜
【大山山麓 平成16年8月9日(月)〜11日(水)】
久しぶりにキャンプに行きました。かれこれ3年ぶりです。
場所は大山山麓にある知る人ぞ知るキャンプ場。3年前のここでのキャンプがあまりにも気持ちよかったので、またやって来ました。
大山(伯耆富士) |
今から十数年前、まだ上の子が幼稚園に通っていた頃からキャンプに行き始めました。最初はデイキャンプから。場所は奥多摩、秋川渓谷の養沢川だったと思います。この川にはフライフィッシングの釣り場があって、もともと釣りに通っていたので馴染みがあったのです。
それから本格的にキャンプを始め、猪苗代や裏磐梯(福島県)、道志川(神奈川県)、伊豆天城(静岡県)、筑波(茨城県)、那須高原(栃木県)、勝沼(山梨県)、霧ヶ峰(長野県)、養老渓谷(千葉県)…、主なところだけでも関東一円にわたります。中でも赤城や榛名、桐生など群馬県のキャンプ場にはよく通いました。
春、夏、秋、冬、季節を問わず、日数も2泊くらいから始めて、長いときで1週間というときも。連休やまとまった休みにはだいたいキャンプといった感じです。
広島に引っ越してきてからも蒜山や帝釈峡、遠くは和歌山や九州までも足を伸ばしていました。ところが、子供が成長するにつれてだんだん回数が減ってきて、ここ3年間はキャンプから足が遠のいていたのです。
今回、久々にキャンプが再開したのは、この春上京した上の子が帰省して「また家族でキャンプに行きたいね。」などと妙に親孝行なことを言ったから。あの幼稚園児が今や大学生です。yamanekoも歳をとるはずだわ。
キャンプ場 |
このキャンプ場は町営で、使用料は1回なんと一人100円! けた外れに安いのです。
テントサイトはアカマツの疎林で地面は芝です。テント用のひな壇や区割りなどといった無粋なものはなく、野球場ほどの広さのキャンプ場を多くても2、3組までで使用できます。もちろん隣のテントの声がうるさいなんてことはありません。広々とした場所に自由にテントを設営できるのです。
聞こえてくるのは鳥の声のみ。街の騒音もまったく聞こえず、夜になると寂しいほどです。この時期、芋の子を洗うようなキャンプ場が多いのですが、キャンプではゆっくりしたい派には天国のようなところといえるでしょう。
炊事棟とトイレ |
設備としては炊事棟と水洗トイレ。シャワーなどはありません。必要かつ十分な設備です。
テントサイトごとに駐車スペースやAC電源、はては流し台まで設置してあるような過剰な設備のキャンプ場が多い中、このシンプルさが野外での非日常を堪能させてくれるのにちょうどいい。キャンプを重ねていくうちにそんなふうに感じるようになりました。
OUランド |
設営が一段落したら、麓まで足をのばして皆生温泉にある「OU(おーゆ)ランド」で汗を流します。料金は一般の銭湯と同じで、310円。
ここには「O風呂」と「U風呂」があって、それぞれメインの湯船がOとUの形をしています。メインの湯船の周囲には泡風呂や寝湯、打たせ湯、露天風呂などもあって、長湯をしても飽きません。どうも週替わりくらいで男湯と女湯が入れ替わるようで、ちなみにこのときはU風呂が男湯でした。
薫製 |
夕食には薫製を作ることにしました。
この手作り薫製機は友人のMさんが一斗缶から器用に作成したもので、市販のものにもまったく引けを取らない秀作です。缶の底にチップを盛って加熱すると、たちまち香ばしい煙がもれ出してきて、30分後には最高のおつまみの出来上がり。
これまでもキャンプではいろんな料理を楽しんできました。
夏場のそうめん、冬場のおでんは定番料理。あとパスタや酢豚、ポトフ、餃子、焼き鶏、寿司なども。ねじりパンを焼いたり、うどんを打ったこともありました。テントサイトで一日かけてゆっくり料理を作るのも楽しいものです。
出来上がり |
薫製の素材は、チーズ、サーモン、ゆで卵、チーかまの4種類。
林を渡る夜風に涼みながら、ビールを飲んで、薫製のチーズをかじる。う〜ん、シアワセ。
日が落ちて、セミの声がいつの間にか虫の音に替わり、キャンプ場の静かな夜が更けていきます。
夜中、聞き慣れないけものの鳴き声を聞きました。猫の鳴き声を少し荒々しくしたような声でした。
朝起きてみると、テーブルの上に足跡が。どうやらテンのようなものがやってきていたようです。でも、テンって鳴くんだっけ?
朝食 |
朝食はyamanekoの得意料理。ベーコン、ピ−マン、玉ねぎ、トマトを炒めたものに塩コショウで味付けし、卵を落として蒸し焼きにしたもの。これを大皿に盛ってテーブルへ。熱いうちに各自食パンに山盛りに乗せてパクつく、というものです。
キャンプの朝はなぜか早く目が覚めます。一人、早朝の静かなテントサイトで料理を作るのも密かな楽しみなのです。
大神山神社 |
この日は山麓をさかのぼって、大山寺の周辺を散策することにしました。
大山寺は大山の北麓にあり、大山登山の基点の一つになっています。キャンプ場からは車で10分ほどのところです。この大山寺から、その奥にある大神山神社まで、ゆっくり歩いてみました。
ソバナ |
ジャコウソウ |
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トチバニンジン | ミゾホオズキ |
谷あいの参道は湿度も高く、植物もいきいきとしているようです。
大山情報館 |
大山寺に最近できた「大山情報館」
中には観光協会の窓口のほかに、環境省のビジターセンターのようなコーナーもあります。動植物や地質・地形などのパネル展示を充実させてもらえれば、もっと楽しい空間になるでしょう。
悠々キャンプ |
キャンプ場にもどったら、あとは何をするでもなくゆったりと過ごします。沈み込むようにイスに腰掛けてボーっとしていると、遠くで揺れるサルスベリの赤い花や、林の奥から聞こえるイカルの鳴き声が、心底心身をリラックスさせてくれるようです。
これで100円。家族4人で400円。ホント申し訳ないくらいです。
キャンプ場から30分ちょっとのところに「とっとり花回廊」があります。
ここのメインフラワーはユリ。園内にはたくさんのユリが咲いていました。
世界で現在確認されている原種ユリの半数近くの品種を栽培しているそうです。
ヒメユリ |