吾妻山 〜雲の中の山歩き〜
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【広島県比和町 平成14年4月29日(月)】
連休中にもかかわらず中国自動車道はガラすき。
若葉の明るい色でまだら模様になった山々を眺めながら高速を走りました。
ところが吾妻山は雲の中。雨こそ降らないものの冷たい霧が飛ぶように流れていました。
登り始めはこんな感じ |
登りのルートには立木はなく、草原状の山肌を行きます。
黄色いスミレは あまり見かけません |
いきなりスミレのお出迎え。大きな群落を作っているのはオオタチツボスミレ。小さな黄色はダイセンキスミレ。
ここのショウジョウバカマは 紫系ではなくピンク系 |
アカモノやイワカガミの葉にまじってショウジョウバカマの花が目をひきました。
深山といった雰囲気 |
風が強い頂上は素通りして下りのルートへ。こっちは木立の中を歩きます。
大膳原は春から秋にかけて 花畑になります |
やがて視界が開け大膳原へ。正面にあるはずの比婆山は影もかたちもありません。
この稜線に広がる草原は明治以降放牧のために伐採されてできたものだそうです。土は黒く、吾妻山や比婆山から噴出した玄武岩で形成されています。
まだサクラも |
昼食は大膳原から少し下ったところにあるキャンプ場で。ここは島根県です。稜線を越える強い風は頭の上を通りすぎていきます。
ツボスミレ (ニョイスミレ) |
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オオタチツボスミレ御一行様 |
気持ちのいい小径 |
出発地点をめざして山腹の小径を歩きます。雲ははるか上空に上がり、林内の見通しは良好。木々が葉を落とした冬の風景とは違い、林全体が緑色です。道ばたにはエンレイソウやミヤマキケマン、蕾を連ねたユキザサなどがいっぱい。
最初の写真と同じ場所 |
最後に今日の主役をアップで。
帰りにふもとの比和町にある町立自然科学博物館に寄りました。博物館とはいいつつ、豪農の蔵といった風情に作られた建物でした。
窓口に行くと人の良さそうなおばあちゃんが展示室の鍵を開けてくれました。観覧希望者が来たときだけ開けてくれるのだそうです。
この博物館は日本で唯一、モグラをメインに展示してある博物館だそうで、展示内容も立派でした。にもかかわらず決して敷居は高くなく、地域の子供たちとの活動にも力を入れているようです。何の変哲もない片田舎(失礼)にさりげなく立派な博物館があることに、なぜか嬉しくなりました。
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